「猫の帰還」「クリスマスの猫」「クローディアの秘密」
2003年12月19日■(読了)「猫の帰還」ロバート・ウェストール、徳間書店
第二次大戦中のイギリスで、黒猫のロード・ゴートが、空軍の飛行機乗りのご主人を追って家出し、各地を旅する間に出会った人々との交流をオムニバスで描く。
第二次大戦中、イギリスはドイツの空爆に晒されていたことを、初めて知った。「東京大空襲」のように、ロンドンへの空爆はLondon Blitzsと呼ばれているそうだ。(この作品の原題はBlitzs Cat)
最後は猫にとってはハッピーエンド。でも、多分現実ってこんなもん。この作者の作品にそこはかとなく流れる諦観は、一人息子を事故で失ったから……?かと思ったけど、最初に世に出た作品「機関銃要塞の少年たち」(これも、子どもの目から見た大人の世界をクールに描いていて印象的)は息子に戦争について伝えるために書いたっていうので、もともとの作風なんだろうな。
で、後回しにしていたサトクリフの「トロイア」に戻ったんですが、引きこもりのアキレウスに代わって、いとこのパトロクルスが出陣して戦死したのを、アキレウスがうじうじと後悔し、恨みを内に溜めているところまで読んで、返却期限が来たので返してしまいました。
サトクリフはそのうち再チャレンジしてみたいですが、この本はやめときます(汗)。阿刀田高のトロイア戦争の話がおもしろいらしいので、そちらに挑戦してみようかな。
で、代わりに次の4冊を借りる。
「クリスマスの猫」ロバート・ウェストール、徳間書店、1994
「クローディアの秘密」カニグズバーグ、岩波少年文庫、1975
「明るい旅情」池澤夏樹、新潮社、1997
「ハワイの花300種ガイド」武田和男、朝日新聞社、1998
■(読了)「クリスマスの猫」ロバート・ウェストール、徳間書店、1994
11才のキャロラインは牧師のおじさんの家にあずけられていた。おじさんはやさしいけれど気弱で、性悪な家政婦のいいなり。家は寒く、外出は禁じられ、友だちは猫と高い塀を越えて現れた少年だけだった。クリスマスの物語。
この身重の猫を、少年ボビーとともに家政婦から守るのだが、クリスマスの夜に、奇跡が起こる。
ウェストールらしからぬ明るい作風の、短いおとぎ話。この、クリスマスの奇跡が、とても現実的な「めぐり合わせ」によるもので、納得がいく。でも、100年前の、裕福な層と労働者階級の歴然とした差とか、移民が増えていく様子などがイメージ豊かに描かれている。
■(読了)「クローディアの秘密」カニグズバーグ、岩波少年文庫、1975
少女クローディアは、弟を誘って家出をします。行く先は、ニューヨークのメトロポリタン美術館。そこでこっそり生活するうちに、二人はミケランジェロ作とされる天使の像に惹かれ…。
「メトロポリタン美術館に家出する話」として有名(笑)。
この本、たしか私が中学生の頃に課題図書になっていた気がする(年バレる/汗)。図書室の入り口に展示されていて、当時のあおり文句は、悩める中学生が自分探しの旅に出る、みたいな深刻な内容のようで、気にはなりつつ結局手に取らなかったんだよな……。いや、たしかに自分探しのための家出なんだけど、もっと前向きで楽しい内容です。あの時読んでいれば!
「ハワイの花〜」は、旅行に持って行っちゃおうかと。
いろいろ調べてみて、わたし、ハワイ旅行は楽しみなんだけど、ビーチにも買い物にも興味がないことが判明した。
わたしのハワイ旅行の目的は、熱帯の山や植物と、シュノーケリングで魚を見ること。あとは、日本公開が2ヶ月以上遅れる超大作映画を見ることだ(笑)。
……だから、ハワイに行くのにぜんぜんリゾートしないのよ。
第二次大戦中のイギリスで、黒猫のロード・ゴートが、空軍の飛行機乗りのご主人を追って家出し、各地を旅する間に出会った人々との交流をオムニバスで描く。
第二次大戦中、イギリスはドイツの空爆に晒されていたことを、初めて知った。「東京大空襲」のように、ロンドンへの空爆はLondon Blitzsと呼ばれているそうだ。(この作品の原題はBlitzs Cat)
最後は猫にとってはハッピーエンド。でも、多分現実ってこんなもん。この作者の作品にそこはかとなく流れる諦観は、一人息子を事故で失ったから……?かと思ったけど、最初に世に出た作品「機関銃要塞の少年たち」(これも、子どもの目から見た大人の世界をクールに描いていて印象的)は息子に戦争について伝えるために書いたっていうので、もともとの作風なんだろうな。
で、後回しにしていたサトクリフの「トロイア」に戻ったんですが、引きこもりのアキレウスに代わって、いとこのパトロクルスが出陣して戦死したのを、アキレウスがうじうじと後悔し、恨みを内に溜めているところまで読んで、返却期限が来たので返してしまいました。
サトクリフはそのうち再チャレンジしてみたいですが、この本はやめときます(汗)。阿刀田高のトロイア戦争の話がおもしろいらしいので、そちらに挑戦してみようかな。
で、代わりに次の4冊を借りる。
「クリスマスの猫」ロバート・ウェストール、徳間書店、1994
「クローディアの秘密」カニグズバーグ、岩波少年文庫、1975
「明るい旅情」池澤夏樹、新潮社、1997
「ハワイの花300種ガイド」武田和男、朝日新聞社、1998
■(読了)「クリスマスの猫」ロバート・ウェストール、徳間書店、1994
11才のキャロラインは牧師のおじさんの家にあずけられていた。おじさんはやさしいけれど気弱で、性悪な家政婦のいいなり。家は寒く、外出は禁じられ、友だちは猫と高い塀を越えて現れた少年だけだった。クリスマスの物語。
この身重の猫を、少年ボビーとともに家政婦から守るのだが、クリスマスの夜に、奇跡が起こる。
ウェストールらしからぬ明るい作風の、短いおとぎ話。この、クリスマスの奇跡が、とても現実的な「めぐり合わせ」によるもので、納得がいく。でも、100年前の、裕福な層と労働者階級の歴然とした差とか、移民が増えていく様子などがイメージ豊かに描かれている。
■(読了)「クローディアの秘密」カニグズバーグ、岩波少年文庫、1975
少女クローディアは、弟を誘って家出をします。行く先は、ニューヨークのメトロポリタン美術館。そこでこっそり生活するうちに、二人はミケランジェロ作とされる天使の像に惹かれ…。
「メトロポリタン美術館に家出する話」として有名(笑)。
この本、たしか私が中学生の頃に課題図書になっていた気がする(年バレる/汗)。図書室の入り口に展示されていて、当時のあおり文句は、悩める中学生が自分探しの旅に出る、みたいな深刻な内容のようで、気にはなりつつ結局手に取らなかったんだよな……。いや、たしかに自分探しのための家出なんだけど、もっと前向きで楽しい内容です。あの時読んでいれば!
「ハワイの花〜」は、旅行に持って行っちゃおうかと。
いろいろ調べてみて、わたし、ハワイ旅行は楽しみなんだけど、ビーチにも買い物にも興味がないことが判明した。
わたしのハワイ旅行の目的は、熱帯の山や植物と、シュノーケリングで魚を見ること。あとは、日本公開が2ヶ月以上遅れる超大作映画を見ることだ(笑)。
……だから、ハワイに行くのにぜんぜんリゾートしないのよ。
コメントをみる |

ラスト・サムライ考(3)
2003年12月14日(3)鳥居の下を騎乗で潜るなんて……。
最初に、捕虜となったオールグレンを勝元の村へ運び込むシーン。勝元率いる急襲隊は、鳥居を潜って村へ入ります。
もちろん鳥居が神社=神域の境を示すものだということは日本人にはジョーシキなので、神域へ入るのに騎乗のままというのは、神域を犯すことにならないのかと気になりました。
欧米でいったら教会のなかへ騎乗のまま進入することであって、それって戦争やクーデターなどの大きな異変を暗示することになるんじゃないのかしら、と。
でも、前の2項(ちゃぶ台と茶の湯)と違うのは、このシーンは渡辺謙・真田広之が登場していること。この二人は、映画作製に際して、かなり日本文化や時代考証に口を出したそうなので、この人達自身が演じているんだから、間違っていないのかな……。
っていうか、ムラ境に鳥居があること自体がヘンだろう!
では、通常ムラ境にはなにを置くのが民俗学的に間違っていないのか、と調べてみると。
旅研
http://www.tabiken.com/
>世界歴史事典データベース>村境
勧請縄や人形などの道切りや道祖神・地蔵によって、集落(ムラ)の内外を区別していたらしいんですが、やっぱり欧米人には、道祖神像みたって=村境と意識はできないだろうな……。というか、現代日本人だって勧請縄を見せられてもピンと来ないだろう(自分含め)。
おなじデータベースで鳥居を調べると、中国雲南省やタイ北部の村には、村落の入り口に鳥居のような門を立てる風習があるそうなので、ワールドワイドに集落の入り口というイメージを伝えるカットとしてはいい、の、かなぁ……?
追記。
鳥居についての詳しいサイトを発見。これからよく読んでみます。
http://village.infoweb.ne.jp/~fwpa5176/
こちらのBBSの12月以降の書き込みに、ラスト・サムライの鳥居がどう間違っているかが書かれていますのでご参考まで。
まあ、細々と突っ込んでみましたが、もちろんこれらの描写が少々ヘンだったからといって、映画で表現したいテーマ性が揺らぐわけではないと思うので、単に言ってみたかっただけだと思って聞き流してくださいませ。
最初に、捕虜となったオールグレンを勝元の村へ運び込むシーン。勝元率いる急襲隊は、鳥居を潜って村へ入ります。
もちろん鳥居が神社=神域の境を示すものだということは日本人にはジョーシキなので、神域へ入るのに騎乗のままというのは、神域を犯すことにならないのかと気になりました。
欧米でいったら教会のなかへ騎乗のまま進入することであって、それって戦争やクーデターなどの大きな異変を暗示することになるんじゃないのかしら、と。
でも、前の2項(ちゃぶ台と茶の湯)と違うのは、このシーンは渡辺謙・真田広之が登場していること。この二人は、映画作製に際して、かなり日本文化や時代考証に口を出したそうなので、この人達自身が演じているんだから、間違っていないのかな……。
っていうか、ムラ境に鳥居があること自体がヘンだろう!
では、通常ムラ境にはなにを置くのが民俗学的に間違っていないのか、と調べてみると。
旅研
http://www.tabiken.com/
>世界歴史事典データベース>村境
勧請縄や人形などの道切りや道祖神・地蔵によって、集落(ムラ)の内外を区別していたらしいんですが、やっぱり欧米人には、道祖神像みたって=村境と意識はできないだろうな……。というか、現代日本人だって勧請縄を見せられてもピンと来ないだろう(自分含め)。
おなじデータベースで鳥居を調べると、中国雲南省やタイ北部の村には、村落の入り口に鳥居のような門を立てる風習があるそうなので、ワールドワイドに集落の入り口というイメージを伝えるカットとしてはいい、の、かなぁ……?
追記。
鳥居についての詳しいサイトを発見。これからよく読んでみます。
http://village.infoweb.ne.jp/~fwpa5176/
こちらのBBSの12月以降の書き込みに、ラスト・サムライの鳥居がどう間違っているかが書かれていますのでご参考まで。
まあ、細々と突っ込んでみましたが、もちろんこれらの描写が少々ヘンだったからといって、映画で表現したいテーマ性が揺らぐわけではないと思うので、単に言ってみたかっただけだと思って聞き流してくださいませ。
コメントをみる |

ラスト・サムライ考(2)
2003年12月13日(2)縁側で茶の湯って、そりゃないよ。
これは、村の生活をいろいろ描写するシーンの中の、ホントに一瞬のカットだったので、縁側というか、濡れ縁の上で風炉(炭を入れた器を畳の上に置いて釜をかけて湯を沸かす道具。夏使う)を置いて茶を点てるなどというトンデモはっぷんな状況も、わざわざあげつらうのは申し訳ないんですが。
でも、武士道と茶道は切っても切れない縁というか。武士道を描きながら、茶道をあんなおざなりに描くのはいかがなものか。
勝元(渡辺謙)の最期のシーンで、「完璧だ(perfect)」と呟くんですが、これをみて、10年くらい前の映画「千利休 本覚坊遺文」(もしくは原作の井上靖「本覚坊遺文」)を思い出しました。わたしは映画しか見ていませんが、この中のテーマとなる禅問答で
“無”と書いた軸を掛けても、何もなくなりません。“死”と書いた軸の場合は、何もかもなくなる。“無”ではなくならん。“死”ではなくなる!(井上靖「本覚坊遺文」より)
というのがあって、その言葉を実践するように、千利休が秀吉から切腹を命じられて死ぬまでの話です。
つまり、「無」では完璧でなく、「死」によって完璧な無を体現するのだ、という意味かと思うのですが、そんなことも考え合わせると、日本情緒を盛り込むのにおざなりに茶の湯シーンを入れるくらいなら、いっそ勝元に一席設けさせるくらいしたってよかった、の、かな?
なーんて、かえって欧米人には分からなくなっちゃうかもしれないのでいいんですけど。
ちなみに、その後ちらっと調べたところに寄ると、ラスト・サムライの監督って、ハーバード大でライシャワー元駐日大使の日本文化についての講義を取っていたくらい日本について昔から勉強していた人らしいですね。
だったら、ちゃんとその辺も考え合わせた上でああしたんだろうな……。
これは、村の生活をいろいろ描写するシーンの中の、ホントに一瞬のカットだったので、縁側というか、濡れ縁の上で風炉(炭を入れた器を畳の上に置いて釜をかけて湯を沸かす道具。夏使う)を置いて茶を点てるなどというトンデモはっぷんな状況も、わざわざあげつらうのは申し訳ないんですが。
でも、武士道と茶道は切っても切れない縁というか。武士道を描きながら、茶道をあんなおざなりに描くのはいかがなものか。
勝元(渡辺謙)の最期のシーンで、「完璧だ(perfect)」と呟くんですが、これをみて、10年くらい前の映画「千利休 本覚坊遺文」(もしくは原作の井上靖「本覚坊遺文」)を思い出しました。わたしは映画しか見ていませんが、この中のテーマとなる禅問答で
“無”と書いた軸を掛けても、何もなくなりません。“死”と書いた軸の場合は、何もかもなくなる。“無”ではなくならん。“死”ではなくなる!(井上靖「本覚坊遺文」より)
というのがあって、その言葉を実践するように、千利休が秀吉から切腹を命じられて死ぬまでの話です。
つまり、「無」では完璧でなく、「死」によって完璧な無を体現するのだ、という意味かと思うのですが、そんなことも考え合わせると、日本情緒を盛り込むのにおざなりに茶の湯シーンを入れるくらいなら、いっそ勝元に一席設けさせるくらいしたってよかった、の、かな?
なーんて、かえって欧米人には分からなくなっちゃうかもしれないのでいいんですけど。
ちなみに、その後ちらっと調べたところに寄ると、ラスト・サムライの監督って、ハーバード大でライシャワー元駐日大使の日本文化についての講義を取っていたくらい日本について昔から勉強していた人らしいですね。
だったら、ちゃんとその辺も考え合わせた上でああしたんだろうな……。
コメントをみる |

ラスト・サムライ考(1)
2003年12月9日おおむね江戸末期〜明治初期の日本文化をおかしくなく映像化していた映画「ラスト・サムライ」ですが、それでもどうも違和感の拭えないシーンがいくつか記憶に残っています。なんだか気になってモヤモヤしているので、そのうちのいくつかについて何が引っかかるのか、ちょっと考えてみようかと。
いま考えているお題は、次の3点です。
(1)ちゃぶ台で食事って、ヘンじゃない?
(2)縁側で茶の湯って、そりゃないよ。
(3)鳥居の下を騎乗で潜るなんて……。
で、まずは
(1)ちゃぶ台で食事って、ヘンじゃない?
映画全体の筋については、12/7の文章をご参照いただくとして(あれでどれだけご理解いただいているか不明ですが)、武士道を貫く勝元(渡辺謙)の捕虜となったオールグレン(トム・クルーズ)は、勝元の妹・たか(小雪)の世話になり、勝元の息子、たかの子ども達(その父親は、オールグレンが戦闘中に殺しています)らと生活しています。
で、食事のシーンなんですが、長方形のちゃぶ台(?)が部屋の廊下側から見て縦に置かれていて、右辺の奥からたか、勝元の息子、左辺の奥からたかの長男、次男が並んで座っており、オールグレンは後から来て廊下側の短い辺の場所に座ります。
たかが家長の跡継ぎを差し置いて部屋の奥に座っているのも、席次からいって妙なんですが、それよりなによりちゃぶ台(長方形のローテーブルをちゃぶ台といっていいのか不明ですが)でみんなそろって食事をするってのがすごく違和感がありました。
でも、じゃあ武家で食事ってどうしてたかな……と、過去に見た時代劇やドラマをいろいろ考えて思い出したのが、箱膳といって、一人分の食器が入った箱が人数分あって、箱の蓋をひっくり返して本体の上に置き、その上で食事をした、というもの。
でも、あれって庶民も使ってたのかな。棟割長屋のはっつぁんや熊さんちではちゃぶ台じゃなかったのかな? と、やっぱり不明な点が多かったので、ネットで調べてみたら、こんなページがありました。
日本の食卓文化考
「箱膳」http://www.wanogakkou.com/hito/0110/0110_19.html
「ちゃぶ台」http://www.wanogakkou.com/hito/0110/0110_25.html
やっぱり、ちゃぶ台が普及しはじめるのは明治の後半だそうです。ラスト・サムライの時代には、みんなで集まってひとつの大テーブルで食事、というのはヘンみたいです。
で、箱膳の次に現れたちゃぶ台も、形は円形です。映画に出てきたような、長方形の座卓って、いったいいつ頃現れたんだろう?
四角いテーブルで食事、というのは、やっぱり西欧文化の影響なのかな? ダイニング・テーブルが普及しはじめてから、和室での食事に長方形の座卓が利用されるようになった……?
この件についてはちょっと保留します。
いま考えているお題は、次の3点です。
(1)ちゃぶ台で食事って、ヘンじゃない?
(2)縁側で茶の湯って、そりゃないよ。
(3)鳥居の下を騎乗で潜るなんて……。
で、まずは
(1)ちゃぶ台で食事って、ヘンじゃない?
映画全体の筋については、12/7の文章をご参照いただくとして(あれでどれだけご理解いただいているか不明ですが)、武士道を貫く勝元(渡辺謙)の捕虜となったオールグレン(トム・クルーズ)は、勝元の妹・たか(小雪)の世話になり、勝元の息子、たかの子ども達(その父親は、オールグレンが戦闘中に殺しています)らと生活しています。
で、食事のシーンなんですが、長方形のちゃぶ台(?)が部屋の廊下側から見て縦に置かれていて、右辺の奥からたか、勝元の息子、左辺の奥からたかの長男、次男が並んで座っており、オールグレンは後から来て廊下側の短い辺の場所に座ります。
たかが家長の跡継ぎを差し置いて部屋の奥に座っているのも、席次からいって妙なんですが、それよりなによりちゃぶ台(長方形のローテーブルをちゃぶ台といっていいのか不明ですが)でみんなそろって食事をするってのがすごく違和感がありました。
でも、じゃあ武家で食事ってどうしてたかな……と、過去に見た時代劇やドラマをいろいろ考えて思い出したのが、箱膳といって、一人分の食器が入った箱が人数分あって、箱の蓋をひっくり返して本体の上に置き、その上で食事をした、というもの。
でも、あれって庶民も使ってたのかな。棟割長屋のはっつぁんや熊さんちではちゃぶ台じゃなかったのかな? と、やっぱり不明な点が多かったので、ネットで調べてみたら、こんなページがありました。
日本の食卓文化考
「箱膳」http://www.wanogakkou.com/hito/0110/0110_19.html
「ちゃぶ台」http://www.wanogakkou.com/hito/0110/0110_25.html
やっぱり、ちゃぶ台が普及しはじめるのは明治の後半だそうです。ラスト・サムライの時代には、みんなで集まってひとつの大テーブルで食事、というのはヘンみたいです。
で、箱膳の次に現れたちゃぶ台も、形は円形です。映画に出てきたような、長方形の座卓って、いったいいつ頃現れたんだろう?
四角いテーブルで食事、というのは、やっぱり西欧文化の影響なのかな? ダイニング・テーブルが普及しはじめてから、和室での食事に長方形の座卓が利用されるようになった……?
この件についてはちょっと保留します。
コメントをみる |

「ラスト・サムライ」「弟の戦争」
2003年12月7日(映画)「ラスト・サムライ」
南北戦争を下士官として闘い、心に傷を負った男が、明治政府の軍隊育成のためのお雇い外国人として日本へ渡る。けれども、そこで反乱軍の鎮圧中に捉えられ捕虜となる。そこで、首領の勝元の侍としての生き様に触れて、反乱軍に肩入れするようになるが、勝元への官軍の討伐隊が迫ってくるのだった……。
というような話。期待せずに見に行ったのですが、基本的にはおもしろかったです。
歴史物ではなくて、時代劇だと思えば、練られた時代考証は多少のヘンなところを多めに見られるほどちゃんとしていたと思います。渡辺謙・真田広之ら殺陣がかっこいい。作り手が、殺陣の何がカッコイイのかをわかって作っているのが感じられました。何より、トム・クルーズがとっても楽しげに殺陣を演じていたので、見ていて気持ちよかったです。ああ、これって、トム・クルーズがチャンバラやりたくて作った映画なのね〜、と思った次第。
ロード・オブ・ザ・リングもそうだけど、作り手がシュミで楽しんで作ってるのが伝わってくる映画って、見ていて楽しいです。
脚本は、ハリウッド手法で構成がきちんとして盛り上げ方がツボを心得ていてまたよし。ただ、ひとつ残念だったのは、主役の勝元が反逆する理由や目的が明確でなかったこと。天皇を中心とした、大村(明治政府の高官で、開国によって私腹を肥やす人)と勝元(天皇の元教育役で元老院のメンバー)の対立軸を、最初の方でもっとはっきり打ち出しておけば感情移入しやすかったかも。
個々の場面の演出は日本人の心にフィットする細やかさで、景色もうつくしい。(重要なモチーフである桜がソメイヨシノでなかったのは気になったけど)
あとは、この日本的美意識がどれだけ外国人に理解されるかがちょっと気になる。公開時期も時期なので、アカデミー賞も視野に入っているだろうけど、日本がイラク派兵を渋り続けたら、案外取れるかも(<うがった見方を……)。
――でも、わたし、トム・クルーズはこの映画を作れただけでうれしかったと思うな〜。
そして、映画の行き帰りに以下の本を読了。
■(読了)「弟の戦争」ロバート・ウェストール、徳間書店
トムの弟フィギスは、人の気持ちを読みとる不思議な力を持っている。だが、湾岸戦争が始まったころ、突然「自分はイラク軍の少年兵だ」と言い出す。弟を見守るトムは、テレビで見るのではない湾岸戦争と深く向き合うことになる。
戦争ってなんだ。ということを、自分の身に引きつけて考えさせられる名作。弟がどうなってしまうのか、ハラハラしながら一気読みしてしまった。最後は、一応ハッピーエンドなんだけど、現代ニッポンのような、平和な中にも目に見えない不安を抱えたハッピー、みたいで、それはそれで考えさせられる。
そう、こんなに素晴らしい児童文学だというのに、すすす、スミマセン、10年後のトム(主人公)×ラシード先生(弟の担当医)で妄想爆発してしまったワタシを許して……。
南北戦争を下士官として闘い、心に傷を負った男が、明治政府の軍隊育成のためのお雇い外国人として日本へ渡る。けれども、そこで反乱軍の鎮圧中に捉えられ捕虜となる。そこで、首領の勝元の侍としての生き様に触れて、反乱軍に肩入れするようになるが、勝元への官軍の討伐隊が迫ってくるのだった……。
というような話。期待せずに見に行ったのですが、基本的にはおもしろかったです。
歴史物ではなくて、時代劇だと思えば、練られた時代考証は多少のヘンなところを多めに見られるほどちゃんとしていたと思います。渡辺謙・真田広之ら殺陣がかっこいい。作り手が、殺陣の何がカッコイイのかをわかって作っているのが感じられました。何より、トム・クルーズがとっても楽しげに殺陣を演じていたので、見ていて気持ちよかったです。ああ、これって、トム・クルーズがチャンバラやりたくて作った映画なのね〜、と思った次第。
ロード・オブ・ザ・リングもそうだけど、作り手がシュミで楽しんで作ってるのが伝わってくる映画って、見ていて楽しいです。
脚本は、ハリウッド手法で構成がきちんとして盛り上げ方がツボを心得ていてまたよし。ただ、ひとつ残念だったのは、主役の勝元が反逆する理由や目的が明確でなかったこと。天皇を中心とした、大村(明治政府の高官で、開国によって私腹を肥やす人)と勝元(天皇の元教育役で元老院のメンバー)の対立軸を、最初の方でもっとはっきり打ち出しておけば感情移入しやすかったかも。
個々の場面の演出は日本人の心にフィットする細やかさで、景色もうつくしい。(重要なモチーフである桜がソメイヨシノでなかったのは気になったけど)
あとは、この日本的美意識がどれだけ外国人に理解されるかがちょっと気になる。公開時期も時期なので、アカデミー賞も視野に入っているだろうけど、日本がイラク派兵を渋り続けたら、案外取れるかも(<うがった見方を……)。
――でも、わたし、トム・クルーズはこの映画を作れただけでうれしかったと思うな〜。
そして、映画の行き帰りに以下の本を読了。
■(読了)「弟の戦争」ロバート・ウェストール、徳間書店
トムの弟フィギスは、人の気持ちを読みとる不思議な力を持っている。だが、湾岸戦争が始まったころ、突然「自分はイラク軍の少年兵だ」と言い出す。弟を見守るトムは、テレビで見るのではない湾岸戦争と深く向き合うことになる。
戦争ってなんだ。ということを、自分の身に引きつけて考えさせられる名作。弟がどうなってしまうのか、ハラハラしながら一気読みしてしまった。最後は、一応ハッピーエンドなんだけど、現代ニッポンのような、平和な中にも目に見えない不安を抱えたハッピー、みたいで、それはそれで考えさせられる。
そう、こんなに素晴らしい児童文学だというのに、すすす、スミマセン、10年後のトム(主人公)×ラシード先生(弟の担当医)で妄想爆発してしまったワタシを許して……。
コメントをみる |

「ノッティング・ヒルの恋人」
2003年12月6日先週借りた映画の返却期日が今日までだったので、慌てて午前中もう1本を見る。
(映画)「ノッティング・ヒルの恋人」
ハリウッドの人気女優が、ロンドンのノッティング・ヒルのしがない書店の店長と恋に落ちる。現代版「ローマの休日」ただし最後はハッピーエンド。
かなり元ネタを意識した造りで、なにせラストは記者会見だし。そういえば、ヒロインのジュリア・ロバーツの出世作「プリティ・ウーマン」は「マイ・フェア・レディ」を下敷きにしているという分析を読んだことがあるけど、どっちもオードリー・ヘップバーンだなぁと思った次第。
で、ビデオ2本と先週借りて読み終わった本2冊を返して、以下の2冊を借りる。
△(図書館)「猫の帰還」R.ウェストール、徳間書店BFT、1998
△(図書館)「弟の戦争」R.ウェストール、徳間書店BFC、1995
ちなみに、BFCはBook for Childrenで、BFTはBook for Teenageだそうだ。どちらも大人向けの棚にあったけど。
いまは先週借りた「トロイア」を読んでいるんですが、自分勝手な神々の介入が人間の運命を狂わせていくところがはっきりいってムカツキます(笑)。
いえ、ブラピ主演で映画化されるそうなので、予習のために読み始めたんですが、なんですか、ブラピ演じるアキレウスは女装するマザコンで、女を上司に取り上げられたのを拗ねてお友達が呼びに来ても引きこもったままなんですけど。いいんですか?<読み方が間違ってます(笑)。
そして、パリスに至っては。嗚呼。
(映画)「ノッティング・ヒルの恋人」
ハリウッドの人気女優が、ロンドンのノッティング・ヒルのしがない書店の店長と恋に落ちる。現代版「ローマの休日」ただし最後はハッピーエンド。
かなり元ネタを意識した造りで、なにせラストは記者会見だし。そういえば、ヒロインのジュリア・ロバーツの出世作「プリティ・ウーマン」は「マイ・フェア・レディ」を下敷きにしているという分析を読んだことがあるけど、どっちもオードリー・ヘップバーンだなぁと思った次第。
で、ビデオ2本と先週借りて読み終わった本2冊を返して、以下の2冊を借りる。
△(図書館)「猫の帰還」R.ウェストール、徳間書店BFT、1998
△(図書館)「弟の戦争」R.ウェストール、徳間書店BFC、1995
ちなみに、BFCはBook for Childrenで、BFTはBook for Teenageだそうだ。どちらも大人向けの棚にあったけど。
いまは先週借りた「トロイア」を読んでいるんですが、自分勝手な神々の介入が人間の運命を狂わせていくところがはっきりいってムカツキます(笑)。
いえ、ブラピ主演で映画化されるそうなので、予習のために読み始めたんですが、なんですか、ブラピ演じるアキレウスは女装するマザコンで、女を上司に取り上げられたのを拗ねてお友達が呼びに来ても引きこもったままなんですけど。いいんですか?<読み方が間違ってます(笑)。
そして、パリスに至っては。嗚呼。
「雨・赤毛」「ぼくの心の闇の声」
2003年12月4日■(読了)「雨・赤毛」モーム、新潮文庫
短編3本収録のうちの、表題に入っていないものが「ホノルル」というタイトル。3編とも、南洋を舞台にしている。
書かれたのが100年前なので、差別用語や差別意識が盛りだくさんで、読んでいて辛くなってくるのですが、短編小説としては、最後にあっと思わせる展開がそれぞれにあって、さすがモーム。
そして、100年前のホノルルが舞台の小説を読んでも、今度の旅行にはあまり役に立たないだろうと思われる。
■(読了)「ぼくの心の闇の声」コーミア、徳間書店
ハードカバーのわりに短編。コーミアのくせに、嫌な人が一人しか出てきてないし、最後もそれなりに希望のある終わり方でほっとした。
実は、この本について検索していたら、徳間書店でコーミアの本を作っていた編集者は、福武書店でわたしの好きなウェストールの本も出していた人だとわかった。
なんだかそういうのって、うれしい。
いやでも、いままで意識したことなかったけど、確かにウェストールとコーミアって系統似てるかも……。
短編3本収録のうちの、表題に入っていないものが「ホノルル」というタイトル。3編とも、南洋を舞台にしている。
書かれたのが100年前なので、差別用語や差別意識が盛りだくさんで、読んでいて辛くなってくるのですが、短編小説としては、最後にあっと思わせる展開がそれぞれにあって、さすがモーム。
そして、100年前のホノルルが舞台の小説を読んでも、今度の旅行にはあまり役に立たないだろうと思われる。
■(読了)「ぼくの心の闇の声」コーミア、徳間書店
ハードカバーのわりに短編。コーミアのくせに、嫌な人が一人しか出てきてないし、最後もそれなりに希望のある終わり方でほっとした。
実は、この本について検索していたら、徳間書店でコーミアの本を作っていた編集者は、福武書店でわたしの好きなウェストールの本も出していた人だとわかった。
なんだかそういうのって、うれしい。
いやでも、いままで意識したことなかったけど、確かにウェストールとコーミアって系統似てるかも……。
コメントをみる |

まとめ書き
2003年11月30日うっかり10日ほどサボってしまいましたが、この間、以下の本を読了。(順不同)
■(読了)「七人のおば」パット・マガー、創元推理文庫、1986
■(読了)「心やさしく」ロバート・コーミア、徳間書店、2002
■(読了)「ハワイイ紀行[完全版]」池澤夏樹、新潮文庫、2001
■(読了)「雀の猫まくら」群ようこ、新潮文庫、1998
■(読了)「三千世界の鴉を殺し」(8)、津守時生、2003
そして図書館で以下の本を借りてくる。
△(図書館)「雨・赤毛」モーム、新潮文庫
△(図書館)「ちくま文学の森 尾崎翠」ちくま文庫
△(図書館)「ぼくの心の闇の声」ロバート・コーミア、徳間書店
△(図書館)「トロイアの黒い船団」サトクリフ、原書房
さらに、この図書館で蔵書検索をしていたら、マイケル・ムーアが監督したハワイ関係の映画があるらしい。「ボーリング・フォー・コロンバイン」がおもしろかったもので、これも観てみようと図書館別室のAVルームへ行く。
……同姓同名の監督の、プレスリー主演の映画でした(涙)。
http://www.genkipolitan.com/elvis/best03/best03_28_para.html
さすがにこれはどうかと思い、かといって手ぶらで出るのもつまらないから、と棚を物色していて、ずっと気になっていた「ノッティングヒルの恋人」なんぞを手にしておりましたら。
どこかの知らないおじさんにいきなり「これ、見たことありますか?」と差し出されたのは「アラバマ物語」。60年代に撮られたモノクロ映画で、名前は聞いたことのある作品でした。
「よかったらぜひ見てください。これは、観てよかったと絶対思いますよ」
としきりに薦められるままに「はあ、ありがとうございます」と手にとって、結局2本借りてきました。
ビデオの貸出期間は1週間なのに。
というわけで、さっそく週末に1本消化。
(映画)「アラバマ物語」
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=1373
世界恐慌のさなかのアラバマの田舎町で、幼い兄妹を抱えるやもめ弁護士フィンチは、黒人の弁護を引き受ける。まだ人種差別の偏見はびこる街の白人たちから嫌がらせを受けながらも、公正であることを貫くフィンチの姿を、子供たちの目を通して描く。
グレゴリー・ペック演じるフィンチ・パパが、子供たちからはじめ「うちって貧乏」だの「フットボールの試合に出てくれない年寄り」だのと馬鹿にされつつも、信念を貫くことで子供たちに深く影響していくところがもうカッコいい。アメリカの映画雑誌のアンケートだかで、「映画史上最高のヒーロー」に、フィンチが選ばれたというのは納得です。現実は苦い結果に終わるとしても、それこそのヒーローでしょう。
それから、彼らの家の近所にすむ精神異常者(というより、今で言えば自閉症っぽい)のブーが、最後の最後に出てくるんですけれどその演技がまたハッと目を引くものがあります。
■(読了)「七人のおば」パット・マガー、創元推理文庫、1986
■(読了)「心やさしく」ロバート・コーミア、徳間書店、2002
■(読了)「ハワイイ紀行[完全版]」池澤夏樹、新潮文庫、2001
■(読了)「雀の猫まくら」群ようこ、新潮文庫、1998
■(読了)「三千世界の鴉を殺し」(8)、津守時生、2003
そして図書館で以下の本を借りてくる。
△(図書館)「雨・赤毛」モーム、新潮文庫
△(図書館)「ちくま文学の森 尾崎翠」ちくま文庫
△(図書館)「ぼくの心の闇の声」ロバート・コーミア、徳間書店
△(図書館)「トロイアの黒い船団」サトクリフ、原書房
さらに、この図書館で蔵書検索をしていたら、マイケル・ムーアが監督したハワイ関係の映画があるらしい。「ボーリング・フォー・コロンバイン」がおもしろかったもので、これも観てみようと図書館別室のAVルームへ行く。
……同姓同名の監督の、プレスリー主演の映画でした(涙)。
http://www.genkipolitan.com/elvis/best03/best03_28_para.html
さすがにこれはどうかと思い、かといって手ぶらで出るのもつまらないから、と棚を物色していて、ずっと気になっていた「ノッティングヒルの恋人」なんぞを手にしておりましたら。
どこかの知らないおじさんにいきなり「これ、見たことありますか?」と差し出されたのは「アラバマ物語」。60年代に撮られたモノクロ映画で、名前は聞いたことのある作品でした。
「よかったらぜひ見てください。これは、観てよかったと絶対思いますよ」
としきりに薦められるままに「はあ、ありがとうございます」と手にとって、結局2本借りてきました。
ビデオの貸出期間は1週間なのに。
というわけで、さっそく週末に1本消化。
(映画)「アラバマ物語」
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=1373
世界恐慌のさなかのアラバマの田舎町で、幼い兄妹を抱えるやもめ弁護士フィンチは、黒人の弁護を引き受ける。まだ人種差別の偏見はびこる街の白人たちから嫌がらせを受けながらも、公正であることを貫くフィンチの姿を、子供たちの目を通して描く。
グレゴリー・ペック演じるフィンチ・パパが、子供たちからはじめ「うちって貧乏」だの「フットボールの試合に出てくれない年寄り」だのと馬鹿にされつつも、信念を貫くことで子供たちに深く影響していくところがもうカッコいい。アメリカの映画雑誌のアンケートだかで、「映画史上最高のヒーロー」に、フィンチが選ばれたというのは納得です。現実は苦い結果に終わるとしても、それこそのヒーローでしょう。
それから、彼らの家の近所にすむ精神異常者(というより、今で言えば自閉症っぽい)のブーが、最後の最後に出てくるんですけれどその演技がまたハッと目を引くものがあります。
コメントをみる |

ええっ!!
2003年11月21日何年も前から映画化の話は聞いていたが、具体的に動いているとは思わなんだ。
http://sports.nifty.com/headline/entertainment/entertainment_sponichi_20031120_2.htm
わたしが望んでいるLJ映画にはならないだろうが、そのほうがいっそシアワセかもしれない。(無駄に期待しないですむからな/悌泣)
なんでも「主演」は渡哲也(=物井のおっちゃん)なので、そういう脚本なんだろう。
で、合田刑事はこの人。(スミマセン、知らなかったもので……<芸能オンチ)
http://www.ishihara-pro.co.jp/ac/freshers/to_index.htm
この写真を見る限り、若すぎるのは置いておいて悪くはない?(日活だもんな……)どちらかというと、LJというよりマークスの合田という気はするが。
だれが演ったって文句がないことはありえないんだけど、じゃあわたしの合田ビジュアルイメージは、というと、ようするに羽海野チカや神楽坂はん子が描くところの合田なんだよな〜。同人って、たとえ原作が小説でも、ビジュアルイメージの統一コンセンサスっていつの間にか出来上がってたりしますよね。
どうせ観客の何割かは腐女子なんだから、その辺のビジュアルイメージのリサーチもやってくれればいいのに。
残る問題は義兄のキャスティングですが。日活となると、もしやまたあの「照柿」みたいな加納に……(戦々恐々)。ならばいっそマークスのように一括削除していただいてケッコウだ!!
http://sports.nifty.com/headline/entertainment/entertainment_sponichi_20031120_2.htm
わたしが望んでいるLJ映画にはならないだろうが、そのほうがいっそシアワセかもしれない。(無駄に期待しないですむからな/悌泣)
なんでも「主演」は渡哲也(=物井のおっちゃん)なので、そういう脚本なんだろう。
で、合田刑事はこの人。(スミマセン、知らなかったもので……<芸能オンチ)
http://www.ishihara-pro.co.jp/ac/freshers/to_index.htm
この写真を見る限り、若すぎるのは置いておいて悪くはない?(日活だもんな……)どちらかというと、LJというよりマークスの合田という気はするが。
だれが演ったって文句がないことはありえないんだけど、じゃあわたしの合田ビジュアルイメージは、というと、ようするに羽海野チカや神楽坂はん子が描くところの合田なんだよな〜。同人って、たとえ原作が小説でも、ビジュアルイメージの統一コンセンサスっていつの間にか出来上がってたりしますよね。
どうせ観客の何割かは腐女子なんだから、その辺のビジュアルイメージのリサーチもやってくれればいいのに。
残る問題は義兄のキャスティングですが。日活となると、もしやまたあの「照柿」みたいな加納に……(戦々恐々)。ならばいっそマークスのように一括削除していただいてケッコウだ!!
コメントをみる |

「時の旅人」「カイマナヒラの家」
2003年11月16日■(読了)「時の旅人」アリスン・アトリー、岩波少年文庫
イギリスの古い荘園屋敷に暮らす大伯父・大伯母のもとを訪れたペネロピーは、この屋敷に三百年前に暮らしていた人々の時代を訪れることができることを知った。そして、幽閉されていた女王・メアリ・スチュアートを逃がす計画を間近に目撃することとなる。
いわゆるタイムスリップもの。児童文学では古典。いい、いいと聞いていながら、今さらようやく読みました。
タイムスリップものはたいてい面白い。まず、過去に起こる悲劇を主人公はあらかじめ知っていて、それは回避しようがないのになんとかしようとするのは、タイムリミットもののおもしろさに通じるだろう。そして、主人公が本来の世界を諦めないかぎり、過去の人々との永遠の別れは必然的に想定されていて、そこに悲恋の要素も加わってくる。
そしてなにより、過去という異世界の人々とのファースト・コンタクトものとしてのおもしろさもある。とくに、いまの自分たちの生活に繋がる過去の世界の事物――食べ物や風俗――を知るのは歴史物のおもしろさだろう。
これらの要素が、児童文学なのにこの話にはきちんと盛り込まれていて、やっぱり古典ってのはいいよなぁと思う。とくにこの話のいいところは、当時の食べ物やハーブやもろもろの生活が事細かに描写されていること。お腹が空いているときに読んでいたら、食欲増進されて困っちゃいました(笑)。
……これが、初めて出会うタイムスリップものだったら、すごくハマっていただろうなぁ。だから、やっぱりわたしのタイムスリップものベストは「時の彼方の恋人」なのだった。
この本は先週半ばに読み終わっていて、続けて「雀の猫まくら」のハワイ旅行の部分だけを拾い読みし、いきなり「ハワイイ紀行」へ突入。文庫本で500ページを超える分厚さなんですがこれがまたおもしろいんだ。さすが池澤夏樹。
で、結局先々週図書館から借りてきた5冊のうち3冊を読み終わって、図書館へ返却。読んでなかったのを延長するのを忘れて返してしまって、以下の3冊を新たに借りる。
△(図書館)「カイマナヒラの家」池澤夏樹、ホーム社(発売・集英社)、2001
ホノルルに実在した家を舞台にした短編小説集。
△(図書館)「七人のおば」パット・マガー、創元推理文庫、1986
Y新聞の土曜の夕刊に、北村薫が若者向けのミステリ読書案内を連載していて、この古典的名作についても先日紹介があった。で、気になって借りてみた。
△(図書館)「心やさしく」ロバート・コーミア、徳間書店、2002
ブレード・ランナーについての話を読んだところだったので、ジーターの書いた(映画の)続編の3を探していたんですけど、それを見つけたもののこっちも目に入ってしまって驚いた。コーミアの新作が出てたなんて知らなかったよ!
というわけで慌てて借りる。
そして、写真がたくさんで字も大きくて、文章量が非常に少ない「カイマナヒラの家」をぱらぱら見ているうちに読了してしまった。
池澤夏樹って、文章が洗練されていて読んでいて気持ちがいい。うつくしい日本語だよなぁ。短すぎて物足りなかったけど。
というわけで、継続して「ハワイイ紀行」を読書中。
イギリスの古い荘園屋敷に暮らす大伯父・大伯母のもとを訪れたペネロピーは、この屋敷に三百年前に暮らしていた人々の時代を訪れることができることを知った。そして、幽閉されていた女王・メアリ・スチュアートを逃がす計画を間近に目撃することとなる。
いわゆるタイムスリップもの。児童文学では古典。いい、いいと聞いていながら、今さらようやく読みました。
タイムスリップものはたいてい面白い。まず、過去に起こる悲劇を主人公はあらかじめ知っていて、それは回避しようがないのになんとかしようとするのは、タイムリミットもののおもしろさに通じるだろう。そして、主人公が本来の世界を諦めないかぎり、過去の人々との永遠の別れは必然的に想定されていて、そこに悲恋の要素も加わってくる。
そしてなにより、過去という異世界の人々とのファースト・コンタクトものとしてのおもしろさもある。とくに、いまの自分たちの生活に繋がる過去の世界の事物――食べ物や風俗――を知るのは歴史物のおもしろさだろう。
これらの要素が、児童文学なのにこの話にはきちんと盛り込まれていて、やっぱり古典ってのはいいよなぁと思う。とくにこの話のいいところは、当時の食べ物やハーブやもろもろの生活が事細かに描写されていること。お腹が空いているときに読んでいたら、食欲増進されて困っちゃいました(笑)。
……これが、初めて出会うタイムスリップものだったら、すごくハマっていただろうなぁ。だから、やっぱりわたしのタイムスリップものベストは「時の彼方の恋人」なのだった。
この本は先週半ばに読み終わっていて、続けて「雀の猫まくら」のハワイ旅行の部分だけを拾い読みし、いきなり「ハワイイ紀行」へ突入。文庫本で500ページを超える分厚さなんですがこれがまたおもしろいんだ。さすが池澤夏樹。
で、結局先々週図書館から借りてきた5冊のうち3冊を読み終わって、図書館へ返却。読んでなかったのを延長するのを忘れて返してしまって、以下の3冊を新たに借りる。
△(図書館)「カイマナヒラの家」池澤夏樹、ホーム社(発売・集英社)、2001
ホノルルに実在した家を舞台にした短編小説集。
△(図書館)「七人のおば」パット・マガー、創元推理文庫、1986
Y新聞の土曜の夕刊に、北村薫が若者向けのミステリ読書案内を連載していて、この古典的名作についても先日紹介があった。で、気になって借りてみた。
△(図書館)「心やさしく」ロバート・コーミア、徳間書店、2002
ブレード・ランナーについての話を読んだところだったので、ジーターの書いた(映画の)続編の3を探していたんですけど、それを見つけたもののこっちも目に入ってしまって驚いた。コーミアの新作が出てたなんて知らなかったよ!
というわけで慌てて借りる。
そして、写真がたくさんで字も大きくて、文章量が非常に少ない「カイマナヒラの家」をぱらぱら見ているうちに読了してしまった。
池澤夏樹って、文章が洗練されていて読んでいて気持ちがいい。うつくしい日本語だよなぁ。短すぎて物足りなかったけど。
というわけで、継続して「ハワイイ紀行」を読書中。
コメントをみる |

ハワイ本三昧
2003年11月11日「時の旅人」(A.アトリー)を読みながら、引き続きハワイ本を探していて、紀行文×文庫の中から以下の本をチェック。
「ハワイイ紀行[完全版]」池澤夏樹、新潮文庫、2001
「雀の猫まくら」群ようこ、新潮文庫、1998
「山下マヌーのお値打ちハワイ ハイパー版」山下マヌー、講談社プラスアルファ文庫、2002
で、カイシャ帰りに駅ビルの書店に寄ったら、この3冊が全部揃っていた。
いま読んでいる本もあるし、図書館から借りてる本もあるし、いっぺんに3冊も読むことないんだから、とりあえず1冊……と思いながらも決めかねて、結局3冊レジに出すわたしがいた。
レジのお姉さん、すごいわかりやすいと思ったろうな(脱力〜)。
「時の旅人」を読んでいると、やっぱりイギリスに行きたくてしかたがなくなる。しかも、この話の舞台になっているサッカーズ農場のモデルになった農場は、いまB&Bになっているそうじゃないか。
夏よ、夏! 今度こそ夏のイギリスに行ってやる〜。
「ハワイイ紀行[完全版]」池澤夏樹、新潮文庫、2001
「雀の猫まくら」群ようこ、新潮文庫、1998
「山下マヌーのお値打ちハワイ ハイパー版」山下マヌー、講談社プラスアルファ文庫、2002
で、カイシャ帰りに駅ビルの書店に寄ったら、この3冊が全部揃っていた。
いま読んでいる本もあるし、図書館から借りてる本もあるし、いっぺんに3冊も読むことないんだから、とりあえず1冊……と思いながらも決めかねて、結局3冊レジに出すわたしがいた。
レジのお姉さん、すごいわかりやすいと思ったろうな(脱力〜)。
「時の旅人」を読んでいると、やっぱりイギリスに行きたくてしかたがなくなる。しかも、この話の舞台になっているサッカーズ農場のモデルになった農場は、いまB&Bになっているそうじゃないか。
夏よ、夏! 今度こそ夏のイギリスに行ってやる〜。
コメントをみる |

「チャーリー・チャンの活躍」
2003年11月7日■(読了)「チャーリー・チャンの活躍」ビガーズ、創元推理文庫、1963
NYから東に回ってロスまでという世界一周旅行団が、ロンドンに着いたときに殺人が起こる。この事件を担当したロンドン警視庁のダフ警部は、旅行団でつぎつぎ起こる殺人事件の謎を解くためにホノルルで一行に追いつくが犯人の凶弾に倒れ、それを友人のホノルル警察警部・チャン警部が引き継ぐ。ホノルルからロスまでの6日間の船旅の間に、チャンは犯人を見出すことが出来るのか?
という感じの、古典的なミステリ。ダフが前半で捜査をして、最後にならないとチャンは出てきません。ちなみに原題は"Charlie Chan Carry on"。頭韻が踏んである。
いろいろなところに伏線が張ってあり、最後に大団円があり、大変おもしろかった。チャーリー・チャンは戦前・戦後はポピュラーな探偵だったらしく、映画も何本か作られているそうですが、まったく知りませんでしたワタクシ。時代がかっているので女性蔑視や中国人蔑視やハンディキャップに対する今で言うところの放送禁止用語が頻出して、その辺も興味深かったです。いろんな意味でおおらかな時代であったことよ。
ただ、ホノルルに1泊しかしなかったのがちと不満。
もう一冊の「〜追跡」は、ダフとチャンの出会いの話で時間も発表年もさかのぼります。こちらも舞台はほとんどロスで、チャンは「はやくホノルルに帰りたい〜」とぼやきながら捜査を続けています(読書中)。
いやだから。わたしはホノルルを舞台にした話が読みたかったんだけど……(苦笑)。
そこで、対象を「小説」に広げて検索すると、片岡義男や喜多嶋隆なんかがとたんにヒットしてくるんですが、ハワイに関する図書を集めたサイトを発見。
「布哇文庫」http://www.asahi-net.or.jp/~rf2s-asm/index2.htm
そこに紹介されていた中からいくつかメモ代わりに。ミステリに限らず。
「カイマナヒラの家−Hawaiian Sketches−」、池澤夏樹 、発行 ホーム社/発売 集英社 、2001
「スティーブンソン怪奇短編集 」R・L・スティーブンソン、福武文庫
「ホノルル」(「雨・赤毛」所収)、モーム、新潮文庫、1959
「死んだふり」ダン・ゴードン、新潮文庫、2000
「無法地帯」ジョン・クラークスン、早川文庫、1995
「楽園の涙」(上下)、ノーマン・カタコフ 、扶桑社ミステリー文庫 、1993
「ワイキキ探偵事務所シリーズ 」、東 理夫 、光文社文庫 、1989-90
ハワイ旅行まであと一月半しかないというのに、どれだけ読めることやら……。
NYから東に回ってロスまでという世界一周旅行団が、ロンドンに着いたときに殺人が起こる。この事件を担当したロンドン警視庁のダフ警部は、旅行団でつぎつぎ起こる殺人事件の謎を解くためにホノルルで一行に追いつくが犯人の凶弾に倒れ、それを友人のホノルル警察警部・チャン警部が引き継ぐ。ホノルルからロスまでの6日間の船旅の間に、チャンは犯人を見出すことが出来るのか?
という感じの、古典的なミステリ。ダフが前半で捜査をして、最後にならないとチャンは出てきません。ちなみに原題は"Charlie Chan Carry on"。頭韻が踏んである。
いろいろなところに伏線が張ってあり、最後に大団円があり、大変おもしろかった。チャーリー・チャンは戦前・戦後はポピュラーな探偵だったらしく、映画も何本か作られているそうですが、まったく知りませんでしたワタクシ。時代がかっているので女性蔑視や中国人蔑視やハンディキャップに対する今で言うところの放送禁止用語が頻出して、その辺も興味深かったです。いろんな意味でおおらかな時代であったことよ。
ただ、ホノルルに1泊しかしなかったのがちと不満。
もう一冊の「〜追跡」は、ダフとチャンの出会いの話で時間も発表年もさかのぼります。こちらも舞台はほとんどロスで、チャンは「はやくホノルルに帰りたい〜」とぼやきながら捜査を続けています(読書中)。
いやだから。わたしはホノルルを舞台にした話が読みたかったんだけど……(苦笑)。
そこで、対象を「小説」に広げて検索すると、片岡義男や喜多嶋隆なんかがとたんにヒットしてくるんですが、ハワイに関する図書を集めたサイトを発見。
「布哇文庫」http://www.asahi-net.or.jp/~rf2s-asm/index2.htm
そこに紹介されていた中からいくつかメモ代わりに。ミステリに限らず。
「カイマナヒラの家−Hawaiian Sketches−」、池澤夏樹 、発行 ホーム社/発売 集英社 、2001
「スティーブンソン怪奇短編集 」R・L・スティーブンソン、福武文庫
「ホノルル」(「雨・赤毛」所収)、モーム、新潮文庫、1959
「死んだふり」ダン・ゴードン、新潮文庫、2000
「無法地帯」ジョン・クラークスン、早川文庫、1995
「楽園の涙」(上下)、ノーマン・カタコフ 、扶桑社ミステリー文庫 、1993
「ワイキキ探偵事務所シリーズ 」、東 理夫 、光文社文庫 、1989-90
ハワイ旅行まであと一月半しかないというのに、どれだけ読めることやら……。
コメントをみる |

ひさびさの図書館で
2003年11月3日半年くらい車を放っておいてバッテリーを上げたりタイヤを乾燥でパンクさせたりしていたら、親から「週に1度は車を動かしなさい!」と厳命が降り、隣の市の図書館(でも最寄り)へ車で行った。
で、以下の本を入手。
「チャーリー・チャンの活躍」ビガーズ、創元推理文庫、1963
「チャーリー・チャンの追跡」ビガーズ、創元推理文庫、1972
「O・ヘンリー・ミステリー傑作選」O・ヘンリー、河出文庫、1979
「鎮火報」日明恩、2003、講談社
「時の旅人」アトリー、岩波少年文庫
最初の2冊が、前回書いていたホノルルを舞台としたミステリ。
が。よく読んでみたら主人公のチャン警部はホノルル警察の警官だけれど、ホノルルが舞台なのはほんの一瞬だった。面白いからいいけど。
O・ヘンリーは、先日短編集で挫折したため、「ミステリなら飽きないだろう」との期待のもと。
鎮火報は、友人からしつこく薦められた。高村薫とか服部真澄みたいな重い内容かと思ったら、ずいぶん軽い文体だというので(あと怪しい男性二人組みが出てくるらしいというので)手にとってみる。
最後は、同じ友人がいま「時の旅人クレア」にハマっていると聞いていたので、ためしに読んでみようと思ったがその図書館には蔵書がなかった。それで、たまたま検索にヒットした、以前から読もうと思っていたこの本を代わりに借りる。
最近、カイシャ帰りについ本屋に立ち寄ってしまい、ついどうでもいい本を買ってしまうのだが、これだけ家に積んでおけば、少しはお金の節約になろう。
で、以下の本を入手。
「チャーリー・チャンの活躍」ビガーズ、創元推理文庫、1963
「チャーリー・チャンの追跡」ビガーズ、創元推理文庫、1972
「O・ヘンリー・ミステリー傑作選」O・ヘンリー、河出文庫、1979
「鎮火報」日明恩、2003、講談社
「時の旅人」アトリー、岩波少年文庫
最初の2冊が、前回書いていたホノルルを舞台としたミステリ。
が。よく読んでみたら主人公のチャン警部はホノルル警察の警官だけれど、ホノルルが舞台なのはほんの一瞬だった。面白いからいいけど。
O・ヘンリーは、先日短編集で挫折したため、「ミステリなら飽きないだろう」との期待のもと。
鎮火報は、友人からしつこく薦められた。高村薫とか服部真澄みたいな重い内容かと思ったら、ずいぶん軽い文体だというので(あと怪しい男性二人組みが出てくるらしいというので)手にとってみる。
最後は、同じ友人がいま「時の旅人クレア」にハマっていると聞いていたので、ためしに読んでみようと思ったがその図書館には蔵書がなかった。それで、たまたま検索にヒットした、以前から読もうと思っていたこの本を代わりに借りる。
最近、カイシャ帰りについ本屋に立ち寄ってしまい、ついどうでもいい本を買ってしまうのだが、これだけ家に積んでおけば、少しはお金の節約になろう。
コメントをみる |

「山下マヌーのローカル式ハワイの遊び方」
2003年10月30日■(読了)「山下マヌーのローカル式ハワイの遊び方」山下マヌー、小学館、2000
ハワイの本をよく書いている著者が、ハワイ在住の15人に「遊び方」を聞いたインタビュー集。
一人一人の話は短いのだけれど、いろいろなジャンルの人をカバーしていてなかなか面白かった。
年末ハワイに旅行に行く予定なのだけれど、ガイドブックにはほとんどショッピングのことしか書いてない! もっとハワイのことを知りたいなぁと思って購入。
本当は、ホノルルを舞台にしたミステリなんかが読みたいんですが、ぐぐってみたら、戦前に書かれた海外ミステリくらいしかヒットしないよ(涙)。
とりあえず、明後日はその本を借りに近所の図書館へひさしぶりに行く予定。
実は、この本を読む前に、新聞の書評欄で読んで気になっていた「シェル・コレクター」アンソニー・ドーア著、新潮社クレストブックス、なる短編集を読んでいたんだけれど、面白い話もあるんだけれどあっさりしすぎていて、つい途中で積ん読になってしまいました。
ハワイの本をよく書いている著者が、ハワイ在住の15人に「遊び方」を聞いたインタビュー集。
一人一人の話は短いのだけれど、いろいろなジャンルの人をカバーしていてなかなか面白かった。
年末ハワイに旅行に行く予定なのだけれど、ガイドブックにはほとんどショッピングのことしか書いてない! もっとハワイのことを知りたいなぁと思って購入。
本当は、ホノルルを舞台にしたミステリなんかが読みたいんですが、ぐぐってみたら、戦前に書かれた海外ミステリくらいしかヒットしないよ(涙)。
とりあえず、明後日はその本を借りに近所の図書館へひさしぶりに行く予定。
実は、この本を読む前に、新聞の書評欄で読んで気になっていた「シェル・コレクター」アンソニー・ドーア著、新潮社クレストブックス、なる短編集を読んでいたんだけれど、面白い話もあるんだけれどあっさりしすぎていて、つい途中で積ん読になってしまいました。
「ケータイを持ったサル」
2003年10月19日■(読了)「ケータイを持ったサル 『人間らしさ』の崩壊」、正高信男、中公新書、2003
最近の若者の風俗を、京大霊長類研究所の教授が、サル学の見地から読み解く。
この本の面白いところは、ちゃんとサル学の手法に則った形で観察・実験されたデータから結論を導き出していることだ。さらに、そういった若者を生みだした家庭の姿を、江戸時代にまで遡って歴史的に概観して、現代の姿が、前の世代や社会状況の変化を受けて変容し続けてきた結果だと示してくれる。おもしろかった。
最近の若者の風俗を、京大霊長類研究所の教授が、サル学の見地から読み解く。
この本の面白いところは、ちゃんとサル学の手法に則った形で観察・実験されたデータから結論を導き出していることだ。さらに、そういった若者を生みだした家庭の姿を、江戸時代にまで遡って歴史的に概観して、現代の姿が、前の世代や社会状況の変化を受けて変容し続けてきた結果だと示してくれる。おもしろかった。
「未来をつくる図書館」
2003年10月12日■(読了)「未来をつくる図書館」菅谷明子、岩波新書 新赤版 837、2003
内容は前回の紹介を参照のこと。
うーん、なんというか、NY図書館の広報から聞いた内容そのまんま、って感じ。いいところしか書いてなくて、日本の図書館の現状からあまりにかけ離れた理想論ばかりなので、「ふーん」で終わっちゃうと言うか。
こういう本は、日本の図書館の実務を知っている人間が書くとまたイヤラシイ感じになってしまうんですが、たぶん日本の図書館についても利用者の立場であるジャーナリストが書いているから、NY図書館に対しても、利用者としての視点からしか見られなかったんだろうな。
いや、でも一般書だからそんなもんか。
だいたい、わたしが学生のころは、学校で図書館利用教育なんてまともにしなかったからな。
本当は、図書館利用教育は、民主主義社会での市民教育であるんだけど。ニッポンの学校は、市民じゃなくて労働力を育成する目的が最優先だからな……。
内容は前回の紹介を参照のこと。
うーん、なんというか、NY図書館の広報から聞いた内容そのまんま、って感じ。いいところしか書いてなくて、日本の図書館の現状からあまりにかけ離れた理想論ばかりなので、「ふーん」で終わっちゃうと言うか。
こういう本は、日本の図書館の実務を知っている人間が書くとまたイヤラシイ感じになってしまうんですが、たぶん日本の図書館についても利用者の立場であるジャーナリストが書いているから、NY図書館に対しても、利用者としての視点からしか見られなかったんだろうな。
いや、でも一般書だからそんなもんか。
だいたい、わたしが学生のころは、学校で図書館利用教育なんてまともにしなかったからな。
本当は、図書館利用教育は、民主主義社会での市民教育であるんだけど。ニッポンの学校は、市民じゃなくて労働力を育成する目的が最優先だからな……。
「趣向」「ノット・ラブ」「そのとき翼は舞い降りた」
2003年10月5日■(読了)「趣向」岡本賢一ほか、テディ文庫(テイアイエス)、2003
新しく始まったテディ文庫なる耽美系文庫の第1回配本のうちの1冊。
津原秦水監修で岡本賢一が執筆する耽美ってナンヤソラ。とびっくりしまして購入。あとがき代わりの対談で、この短編が某J●NEに掲載されたと知って2度びっくり。
内容は、いい意味でも悪い意味でも古きよき耽美、という感じ。悪いというのは、単にわたしがJ●NEの世代より若干遅れた世代で、イマドキのBL第4世代で物足りないものがこの話で満たされると同時に、真性J●NEだけでは物足りない感覚も併せ持っているから。
■(読了)「ノット・ラブ」宮本佳野、アクアコミックス(オークラ出版)、2003
最初、「Are You ENEMY?」を読んでぴんとこなかった宮本佳野ですが、過日有明のお祭りで購入した同人誌でおおはまり。この本は「Are You ENEMY?」に出てきた人たちのその前やその後を描いた同人誌作品の再録。いやでもこっちはよかったよ。なんでかな、と思ったが、ホモカポーありだったからか?>自分
らぶらぶな話はいいです〜。
■(読了)「そのとき翼は舞い降りた」高殿円、角川ビーンズ文庫、2003
同じ世界のなかでいろいろな時代を取り上げたファンタジーの新シリーズ。
おもしろかった〜。詳細は別途。
△(購入)「未来をつくる図書館」菅谷明子、岩波新書 新赤版 837、2003
仕事がらみ。ジャーナリストによる、図書館関係者以外からの、ニューヨーク公共図書館レポート。
新しく始まったテディ文庫なる耽美系文庫の第1回配本のうちの1冊。
津原秦水監修で岡本賢一が執筆する耽美ってナンヤソラ。とびっくりしまして購入。あとがき代わりの対談で、この短編が某J●NEに掲載されたと知って2度びっくり。
内容は、いい意味でも悪い意味でも古きよき耽美、という感じ。悪いというのは、単にわたしがJ●NEの世代より若干遅れた世代で、イマドキのBL第4世代で物足りないものがこの話で満たされると同時に、真性J●NEだけでは物足りない感覚も併せ持っているから。
■(読了)「ノット・ラブ」宮本佳野、アクアコミックス(オークラ出版)、2003
最初、「Are You ENEMY?」を読んでぴんとこなかった宮本佳野ですが、過日有明のお祭りで購入した同人誌でおおはまり。この本は「Are You ENEMY?」に出てきた人たちのその前やその後を描いた同人誌作品の再録。いやでもこっちはよかったよ。なんでかな、と思ったが、ホモカポーありだったからか?>自分
らぶらぶな話はいいです〜。
■(読了)「そのとき翼は舞い降りた」高殿円、角川ビーンズ文庫、2003
同じ世界のなかでいろいろな時代を取り上げたファンタジーの新シリーズ。
おもしろかった〜。詳細は別途。
△(購入)「未来をつくる図書館」菅谷明子、岩波新書 新赤版 837、2003
仕事がらみ。ジャーナリストによる、図書館関係者以外からの、ニューヨーク公共図書館レポート。
「マチルダ ボクシング・カンガルーの冒険」
2003年9月29日■(読了)「マチルダ ボクシング・カンガルーの冒険」ポール・ギャリコ、創元推理文庫
サーカスでボクシングの見世物をしていたカンガルーが、偶然ミドル級世界チャンピオンをノックアウトしてしまったことから、タイトルマッチをセッティングして本当に彼を世界チャンピオンにしようという機運が高まった。彼を使って金儲けをしようとする者、ピューリッツァ賞を狙う者、マチルダの活躍を阻止しようとする者などが入り乱れる。
先日読んだ「スクラッフィ」同様、一匹の獣の周りで人間たちが右往左往するのに、獣はあくまで獣として振舞っている。解説にもあるように、だから、この獣に何を見るかは、周りの人間を映す鏡になっている。
タイトルマッチへ向けての機運の高まりと、それが不意に大きく崩れていく意外性に、読み終わったあとでもまだ自分が動揺させられている気がする。それと、「誠実さ」が完全無欠の善ではないこと、だれもが、ちょっとした誠実さと、ちょっとしたずるさを併せ持っていることを思い知らされるなぁ。
いつまでも引きずられる不安定な終わり方には、好き嫌いが分かれるかもしれない。すっきりハッピーエンドでちょっとしみじみと読み終わりたいなら、「スクラッフィ」のほうがお勧め。
でも、お話のうねりの大きさではこっちが上かな、とも思う。
サーカスでボクシングの見世物をしていたカンガルーが、偶然ミドル級世界チャンピオンをノックアウトしてしまったことから、タイトルマッチをセッティングして本当に彼を世界チャンピオンにしようという機運が高まった。彼を使って金儲けをしようとする者、ピューリッツァ賞を狙う者、マチルダの活躍を阻止しようとする者などが入り乱れる。
先日読んだ「スクラッフィ」同様、一匹の獣の周りで人間たちが右往左往するのに、獣はあくまで獣として振舞っている。解説にもあるように、だから、この獣に何を見るかは、周りの人間を映す鏡になっている。
タイトルマッチへ向けての機運の高まりと、それが不意に大きく崩れていく意外性に、読み終わったあとでもまだ自分が動揺させられている気がする。それと、「誠実さ」が完全無欠の善ではないこと、だれもが、ちょっとした誠実さと、ちょっとしたずるさを併せ持っていることを思い知らされるなぁ。
いつまでも引きずられる不安定な終わり方には、好き嫌いが分かれるかもしれない。すっきりハッピーエンドでちょっとしみじみと読み終わりたいなら、「スクラッフィ」のほうがお勧め。
でも、お話のうねりの大きさではこっちが上かな、とも思う。
コメントをみる |

「我らが英雄スクラッフィ」「社長を出せ! 実録 クレームとの死闘」
2003年9月27日■(読了)「我らが英雄スクラッフィ」ポール・ギャリコ、創元推理文庫、
某所にて同じ著者の「マチルダ」が面白いと聞いて探したけれど、創元推理で出ている3冊のうち「マチルダ」だけが見つからず、まあいいか、と思って3冊目のこれを買ってみた。
大変面白かった。
第2次大戦中、ときの英国首相チャーチルが「ジブラルタルのサルを24匹以下に減らしてはならない」という通信を送った、という事実を元に、ジブラルタルのサルを絶滅させないために右往左往する人々を描くユーモア小説。暴れん坊で嫌な性格のサルのリーダーであるスクラッフィは、あくまでやりたいように行動するのに、まじめな英国陸軍大尉やらMI5やらが翻弄される様がおかしい。電車の中で読むのは気を付けるべし。
けっきょく、「マチルダ」を探すのが面倒でネットで注文。ついでにカートに放り込んでいた本の中から何冊か合わせて購入したらいきなり1万円超でびっくり。
△(購入)
「マチルダ ボクシング・カンガルーの冒険」ポール・ギャリコ、創元推理文庫
「トコトンやさしい巨大高層建築の本」高層建築研究会
「社長を出せ! 実録 クレームとの死闘」川田茂雄
「2色印刷デザイン&テクニック」インフォメディア
「階段 空間のメタモルフォーゼ」
そのうち、以下の本をなんとなく手にとってそのまま読了。
■(読了)「社長を出せ! 実録 クレームとの死闘」川田茂雄、宝島社、2003
カメラメーカーのお客様相談室で長年クレーム対応に当たってきた著者が、いろいろなクレームと、クレームをつけてくる「ちょっと困った人たち」を紹介する。
宝島社で、この扇情的なタイトルなので、品のない本かと思っていましたが、著者の語り口が大変マイルドで、嫌な気分にならなかった。構成も、
第1章では読者の興味を引くとんでもないクレームの例
第2章ではいろいろなクレームの種類を分類して紹介
第3章では最近のクレームの傾向
第4章ではまとめ
と、大変わかりやすくまとまっていて好印象。
某所にて同じ著者の「マチルダ」が面白いと聞いて探したけれど、創元推理で出ている3冊のうち「マチルダ」だけが見つからず、まあいいか、と思って3冊目のこれを買ってみた。
大変面白かった。
第2次大戦中、ときの英国首相チャーチルが「ジブラルタルのサルを24匹以下に減らしてはならない」という通信を送った、という事実を元に、ジブラルタルのサルを絶滅させないために右往左往する人々を描くユーモア小説。暴れん坊で嫌な性格のサルのリーダーであるスクラッフィは、あくまでやりたいように行動するのに、まじめな英国陸軍大尉やらMI5やらが翻弄される様がおかしい。電車の中で読むのは気を付けるべし。
けっきょく、「マチルダ」を探すのが面倒でネットで注文。ついでにカートに放り込んでいた本の中から何冊か合わせて購入したらいきなり1万円超でびっくり。
△(購入)
「マチルダ ボクシング・カンガルーの冒険」ポール・ギャリコ、創元推理文庫
「トコトンやさしい巨大高層建築の本」高層建築研究会
「社長を出せ! 実録 クレームとの死闘」川田茂雄
「2色印刷デザイン&テクニック」インフォメディア
「階段 空間のメタモルフォーゼ」
そのうち、以下の本をなんとなく手にとってそのまま読了。
■(読了)「社長を出せ! 実録 クレームとの死闘」川田茂雄、宝島社、2003
カメラメーカーのお客様相談室で長年クレーム対応に当たってきた著者が、いろいろなクレームと、クレームをつけてくる「ちょっと困った人たち」を紹介する。
宝島社で、この扇情的なタイトルなので、品のない本かと思っていましたが、著者の語り口が大変マイルドで、嫌な気分にならなかった。構成も、
第1章では読者の興味を引くとんでもないクレームの例
第2章ではいろいろなクレームの種類を分類して紹介
第3章では最近のクレームの傾向
第4章ではまとめ
と、大変わかりやすくまとまっていて好印象。
コメントをみる |

■(読了)「ハチミツとクローバー」(3)〜(5)、羽海野チカ、集英社クイーンズコミックス
既刊分読破。ときどき吹き出してしまうので、電車の中で読むと恥ずかしい。
こういう切ない片想いを丁寧に書き込まれた作品って、なかなかないのでよろし。
と、まるで相反するふたつの感想を並べてしまいましたが、これらが違和感なくひとつのストーリーに収まっている不思議な話。
でも、最後のほうでメインキャラのひとり、森田さんがかなり壊れてしまっているので、このさきどうなるのか心配だ。
■(読了)「〈対話〉のない社会」中島義道、PHP新書、1997
最近少年犯罪が問題にされるとき、いつも思うのは、犯罪に走ってしまう子どもたちは、自分の正直な気持ちを言葉にして表に出す力と勇気がない(=それを聞いてくれる人がいない)からじゃないかと思う。だから、溜まった感情のはけ口が「犯罪」という表現方法を取ってしまうんじゃないか。
もちろん、その力がないのは子どもたちだけではなくて、犯罪とは無縁な大人にだって、そういう人はいる。自分の本当の感情に向き合わないから、抑圧された感情がDVに走ったり、拒食・過食に走ったり、アルコールに走ったり、買い物依存に走ったり、そういう捨て身の表現方法を選択するんじゃないかと思う。
大人自身が、自分の思うところを言葉で(=論理的・客観的に解体・再構築する表現方法で)表現する術を子どもに見せないから、子どもも自分の感情を処理する方法を学べないんじゃないかと思う。
そして、それって、誰もが「言葉に出す」=「責任を負う」ことを、極度に恐れているからのように思える。
ネットで匿名でこういうところで書いていること自体、無責任な所業なんですが。
この本を読んで、そんなことをつらつらと考えました。
■(読了)「海馬が耳をかけていく」(2)、菅野彰、WINGS文庫
抱腹絶倒エッセイ第二巻。これも、電車の中で読んではいけません。
実はこの著者はわたしと同学年なので、書かれていることがいろいろ身に迫ったり、でもやっぱり感性が違うよな、と感心したり。
既刊分読破。ときどき吹き出してしまうので、電車の中で読むと恥ずかしい。
こういう切ない片想いを丁寧に書き込まれた作品って、なかなかないのでよろし。
と、まるで相反するふたつの感想を並べてしまいましたが、これらが違和感なくひとつのストーリーに収まっている不思議な話。
でも、最後のほうでメインキャラのひとり、森田さんがかなり壊れてしまっているので、このさきどうなるのか心配だ。
■(読了)「〈対話〉のない社会」中島義道、PHP新書、1997
最近少年犯罪が問題にされるとき、いつも思うのは、犯罪に走ってしまう子どもたちは、自分の正直な気持ちを言葉にして表に出す力と勇気がない(=それを聞いてくれる人がいない)からじゃないかと思う。だから、溜まった感情のはけ口が「犯罪」という表現方法を取ってしまうんじゃないか。
もちろん、その力がないのは子どもたちだけではなくて、犯罪とは無縁な大人にだって、そういう人はいる。自分の本当の感情に向き合わないから、抑圧された感情がDVに走ったり、拒食・過食に走ったり、アルコールに走ったり、買い物依存に走ったり、そういう捨て身の表現方法を選択するんじゃないかと思う。
大人自身が、自分の思うところを言葉で(=論理的・客観的に解体・再構築する表現方法で)表現する術を子どもに見せないから、子どもも自分の感情を処理する方法を学べないんじゃないかと思う。
そして、それって、誰もが「言葉に出す」=「責任を負う」ことを、極度に恐れているからのように思える。
ネットで匿名でこういうところで書いていること自体、無責任な所業なんですが。
この本を読んで、そんなことをつらつらと考えました。
■(読了)「海馬が耳をかけていく」(2)、菅野彰、WINGS文庫
抱腹絶倒エッセイ第二巻。これも、電車の中で読んではいけません。
実はこの著者はわたしと同学年なので、書かれていることがいろいろ身に迫ったり、でもやっぱり感性が違うよな、と感心したり。
コメントをみる |
