途中経過その2

2002年7月19日
指輪物語7 第2部 二つの塔下 読了。
7巻を読むのにずいぶん時間がかかったのは、この巻にはホビットさんばかり出てきたから。どうやらわたしは大きい人たちのほうが好きらしい。なぜなら、この巻でもファラミアさんが出てきたところだけはすらすら読めたから。
分かりやすすぎなワタシ。

経過報告

2002年7月15日
7/13までに、指輪物語6巻まで読破。

エルフの王子の、浮世離れした話し口調がほほえましい。ホビッツ(フロド以外)も、世界の命運を賭けた命がけの冒険をしているとは思えない「フツウな」感覚がいいです。

夏のおたくイベントのカタログを買った。
表紙がおたくっぽくなくておしゃれだったので書店で買いやす……いことはなかったよ(涙)。相変わらず分厚くて重い。しかも今回3日分だしね〜。

「サトラレ 3巻」

2002年7月8日
■(読了)「サトラレ 3巻」佐藤マコト、講談社コミックス、2002
自分の考えが周囲の人に筒抜けになってしまう奇病にかかった人々(サトラレ)を巡る短編連作。サトラレは超天才なのですが、自分の考えが周囲に筒抜けになっていると自覚したら恥ずかしくて生きていけなく、事実過去には自殺してしまったサトラレもいるので、国家規模で本人に「サトラレ」だと悟られないよう保護している世界の話。映画化・ドラマ化もされています。
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泣かせのツボをついてくる話が多く、好きなシリーズ。今回も電車の中で読んでいて、ちょっとマズい状況になりそうになった(どの話でかはナイショ)。子どものサトラレが、自分がサトラレだと気づいてしまい、シリーズ全体の転機ともなったこの巻ですが、悪役の、サトラレを憎んでいる医師・山田の行動原理があまりに常識はずれでちょっと残念。
この話は、「サトラレ」という異常な要素を投げ込まれた世界の、普通の人たち(自分は普通だと思っているサトラレを含め)がどう反応してどう行動していくか、というところが面白いのであって、だから、自分が「サトラレ」だと思い込んでしまう普通の人の話なんかが面白いんです。読んでてちょっと痛いところつかれましたけど(汗)。
個人的には元気少女・りんちゃんが好きだなー。あと、なさけない天才・西山くんがこの巻ではほとんど出てこなかったので寂しい〜。
(昨日の続き)
……といっておいて、結局昨日帰りに「指輪物語4 旅の仲間下2」を購入。うちに帰って下1の残りを読むのを忘れてしまったので、いまだにモリアの大広間の壮麗さを知らない間に、はやロスロリエンを発とうとする旅の仲間たち。

指輪物語にご興味のない方には、しばらくわたしの訳のわからない独り言が続いて、申し訳ない。

なんたること!
昨日、あと10ページほどで読み終わりそうだった指輪3巻目、今朝カバンに入れ忘れてきてしまいました。10数ページ分を読み飛ばして続巻を(帰宅途中で買って)読み始めるのもなんか気持ち悪いけど、しかたないよなあ……。

6月月間集計

2002年7月1日
6月に読んだ本:計12冊(マンガ除く)

【小説・一般】
ミステリ2冊(翻訳・1)
その他文芸3冊
ノンフィクション3冊
【ライトノベル】
児童1冊
BL3冊
【マンガ】
マンガ7冊

そのほか、挫折2冊。月間アベレージを下回ったのは、月の後半、海外ネット小説や雑誌記事を読み漁ったから。
今月も前半は、指輪物語全9巻を順に読み進めて行くことでしょう。

■(読了)「新版 指輪物語1 旅の仲間 上2」J.R.R.トールキン、評論社文庫
きいいいいっ! どこかで以前、「訳者あとがきがネタばれ」と聞いていたのをうっかり忘れて読んでしまった! あーもう、ネタばれ部分だけ脳をリセットしたい……。

頬骨と顎

2002年6月30日
いまわたしがハマっている、ロード・オブ・ザ・リングの俳優さんは、
海外サイトの記事では「クラシカルなハンサム」と形容されることが
多いんですが、そのなかでも複数回、頬骨についての描写がありました。

ふへー。と関心することしきり。

以前、「西洋人は人の顔を描写するときに、顎の形について触れる」
というのを聞いたことはありました。がっしりした顎のほうがハンサム
らしいです。あ、子どものころ読んだバーネット「秘密の花園」でも、
はじめ主人公の女の子が「顔色が悪く顎が尖っていて……」と描写され
ていて、「顎? どうしてアゴ?」と不思議に思ったことがあります。
同様に、頬骨も高くてきれいな曲線を描いているほうが(西洋人的には)
ハンサムなのでしょうね。

日本人の感覚からは、ちょっと意外。日本人がハンサムを描写するときっ
て、どこを見るかなあ。
目・鼻筋・口元あたり?
西洋人に比べて顔がのっぺりしているから、立体感については関心がない
のかもしれませんね。

指輪、順調に進み中

2002年6月28日
△(購入)「新版 指輪物語1 旅の仲間 上2」J.R.R.トールキン、評論社文庫
△(購入)「犬物語」ジェイムズ・ヘリオット、集英社文庫、2001

そういえばわたしは、昔制作されたという、あまり評価の高くない指輪物語のアニメ版を観たことがある。それで観たことも含め、あまりに有名な話だと、いままでいろいろな場所で聞きかじったあらすじの予備知識があるために、どこまで自分で読んだのかわからなくなってしまうのかしらと思ったり。

He,I,and YOU.

2002年6月26日
国産ミステリ読書記録、というカンバンに騙されてご覧になっている諸兄には深くお詫びしつつ。


えーと、数日前(6/23)にも書きましたが、現在、海外のslash小説を読み漁っています。これは、たとえば好きな映画の登場人物や、その俳優さん二人(基本的に男性同士)を主人公にファンの子たちがものした恋愛小説なんですが、今日とっても不思議なものに行き当たりました。

地文の主語がyouなんです……。

それってアリ?! 日本語で言えば、「あなた」が主役の小説、ってメタ小説か、大昔に一瞬流行ったRPGブック(スゴロクか、RPGゲームが本になっていると思ってください)くらいしか思い浮かびません。
読んでいても、実在の俳優さん=自分視点、というのに、ものすごい違和感を覚えました。だって、たとえば
「あなたはトム・クルーズ。あなたはある日、ロケ地で共演者の誰それと……」(あくまで例。わたしが読んでいるのは他の俳優さんです)
なんて言われても、メチャクチャ困りませんか。
これって海外では不思議じゃないのかしら。それとも、たまたまそういうヘンなのに行き当たってしまっただけなんでしょうか。
だいたい、実在の人物のSLASH小説で地文の主語がIってのも、どうも腰が落ち着かないというか、ヘンな感じがしてたんですけど。

日本の、マンガやアニメを題材にしたや○い小説で「ぼく」主体の話は普通に読めます。でも、日本語で実在の人物をつかったや○い小説で「ぼく」主体の話って読んだことがないので、ちゃんと比較できないんですが……。
むー。同じようなことをしていても、微妙に異なる海外文化事情。

全9巻、遠い道のり

2002年6月24日
□(読み始め)「新版 指輪物語1 旅の仲間上1」J.R.R.トールキン、評論社文庫
ようやく読み始めました、ここ十ウン年来の懸案物件、指輪物語。
誰もが挫折するという、初っ端のホビットの歴史についての40ページあまりは、恐れていたわりにあっさりと通過。っていうか、ここって民俗・風習についての文章の良質なパロディと思って読むととっても楽しい。あ、映画で見覚えのある名前もいくつか出てきたからか。

実は十ウン年前に一度チャレンジしたものの挫折したのですが、そのときどこまで読んだかまるっきり記憶がない。2冊目の途中くらいまではいったはずなのに、今回どこまで行っても「あ、ここ読んだ」っていう記憶が甦らない。でも、たしかにゴクリが出てきて「気持ち悪い」と思ったはずなので、もしかすると、「ホビットの冒険」だけしか読んでない?!
いや、でも、指輪に挫折してホビットにいったはずなんだけどなあ……。

薦めてくれた図書館のお姉さんに「大きくなったらまた挑戦してね」と言われて十ウン年、そのお姉さんの年齢もすでに超えての、ようやくの再読です。

△(購入)「新版 指輪物語1 旅の仲間上1」J.R.R.トールキン、評論社文庫
△(購入)「ロード・オブ・ザ・リング公式ガイドブック」ブライアン・シブレイ、角川書店

あーあ。映画を観てから半月以上経ってからのこの体たらく。しかも、原作にはまるならまだしも、それをすっ飛ばして映画の俳優さんのRPS(Real Person Slash:つまり実在の人間のや○い)にはまるとは(汗)。海外サイトのスラッシュをがんばって読んでるので、しばらく読書量が減りそうな予感。それではしばしの間、ごきげんよう……(フェイドアウト)。

「青空の卵」

2002年6月20日
■(読了)「青空の卵」坂木司、東京創元社、2002、¥1700
ひきこもりの青年・鳥井のもとへ、彼のたったひとりの親友・坂木が持ち込むさまざまな「日常の謎」を、鳥井は冷静な大人の理知と子どもの視線で説き明かす。連作。
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ひきこもりを題材にした安楽椅子探偵ものという設定は魅力的。だからこそこんなぬるい話にしないでほしかったなあ。
キャラクターの造型に奥行が感じられない。鳥井はひきこもりをするような性格に見えないし、あそこまで鳥井にのめりこむ坂木も、そういう「依存させているように見えてじつは依存しあう関係」としての記号にしか見えない。
事件も、日常のちょっとした謎から発してはいるけれど、その裏にはあまりに非日常的な理由があって、そこも現実感がとぼしくなっているところ。
事件に関わる登場人物たちも、謎解きの段階でしゃべるしゃべる。どの短篇でも最後は大告白大会になってしまって、謎解きのためだけのキャラクターに見えてしまう。
そして、それぞれの短篇で現代社会のトピック(女性問題、障害者問題、夫婦の危機など)を扱うんですが、それに対する主人公の見解が、あまりに通り一遍というか、いい子すぎるというか。
最初にひっかかったのが、この主人公、街中で見かけた盲目の青年に手を貸そうとするんですが、まず肩に触れてから声をかけるんです。わたしは晴眼者(目の見える人)ですし身近に視力障害のある人もいないので確かめようがないのですが、いきなり肩に手を掛けられたらびっくりするんじゃないだろうか。はじめに声をかけてから体に触れたほうが相手は安心するんじゃないかしら。それとも、目の見えない人は耳がさとくなるから、足音を聞いてだれかが後ろに立っていることに心構えができるのかな。
それをいったら、鳥井がひきこもりらしくない、と思うのも、現実のひきこもりの人を知らないからであって、ひきこもりの人って普通はこんな感じなのかしら。
なんだか消化不良感が拭えない。

けれど、もしこの話に続編が出来て、それがひきこもりの鳥井視線から語られて(本作は、友だちの坂木の一人称)、そうすることでじつは鳥井の存在に依存する坂木側の心の問題が浮き彫りになって、それによって逆にこの作品の奥行きのなさが説明されるような構造になったりしたら、すごーくかっこいいと思う。



△(購入)「青空の卵」坂木司、東京創元社、2002
名探偵はひきこもり。(帯より)
とある本読み掲示板でそそのかされて(笑)書店で探したんですが、POPに
「実はこれ、やお○小説なんです!」(原文ママ)
と書かれていて、思わず本へ伸ばした手をそのまま流してスタスタと歩み去ってしまいました。
やめようよ、A書店。この店でこの本を買ったらことごとくおたくと思われそうでとってもイヤ。この店でよくBL小説を買うんですけど、それとこれとは話が違うんです。(それに、結局この店で買いましたけど。ええ)

「スモールgの夜」

2002年6月18日
■(読了)「スモールg(ジー)の夜」P.ハイスミス、扶桑社ミステリ文庫、699円
二十歳の恋人を通り魔に殺された、イラストレーターのリッキー(46歳・ゲイ)と、恋人に片思いして振られていたルイーザ(20歳)が仲良くなるのを、ルイーザの身元引受人で自分の仕立て屋の後継者にと考えているレナーテ(50歳くらい?)は気に入らず、卑怯な手を使ってリッキーを貶めるのだったが……。

なんとまとめていいものやら。ミステリとは言い切れない、不思議な小説でした。初っ端こそ恋人が殺されるショッキングなシーンで始まるものの、そっちの話よりも本筋はレナーテの支配からルイーザを解放しようとするリッキーの友人たちの話。淡々と事実が綴られていって、終わったような終わらないような不思議な感じを残して幕を閉じる。
ページ数(500p強!)の割にストーリーの起伏も少なく、ちょっと読んではすぐに飽きて投げ出して、結局読了するのに1ヶ月半かかったんですが、その割に、続きを読もうとするとそれまでの話を忘れきっていなくてすんなり読みつづけられるのが不思議。
事件そのものよりも、事件をとりまく人々を丁寧に書き込んでいるところが、ちょっと高村薫をほうふつとさせる。
そしてなんといっても、リッキーの飼い犬ルルがとっても可愛いのであります!(結局それ……?)

「知の編集術」

2002年6月17日
▼(挫折)「知の編集術」松岡正剛、講談社現代新書、2001
編集工学研究所所長による、生活すべての場面で「編集」意識が関わってくる、というスタンスで、ワークショップ的に編集を紹介する。
歯切れが悪いのは、読了していないせいもあるんですが、著者は「編集」を、普通に使われているよりかなり広義に捕らえているのですが、その定義がなっかなか出てこないんですよ〜。それで突然具体例を列挙し始めるので、読んでいてなんだか置いてけぼりを食った気分。16ページ目でようやく、いわゆる普通の雑誌の編集のことを言っているんではない、と出てくるんですが,じゃあなんなの、というとそれがまたいつまでたってもでてこない。著者がいう「これが編集」(たとえば、普通の会話とか、子どもの遊びとか、歴史とか、とにかく漠然としている)という具体例の中から、読者がなんとなーく感じ取れないといけないのでしょうか(涙)。
どうしてこんなに、物事をスパッと言い切らないのかなあ、と思っていたら、この方、京都の出身らしい。
そうか、京都人の「本心をはっきり言わない」方式でこの本は語られているのね!
というわけで、もしかすると最後に、羅列された具体例を一本貫く「編集」の定義が書かれていたかもしれませんが、根性が続かなくて挫折。
■(読了)「百鬼夜行抄 1〜4」今市子、ソノラマコミック文庫(朝日ソノラマ社)
前日ネムキを立ち読みしたので、急に読み返したくなって再読。短編として話も面白いし、絵もきれいだし、言うことありませんな。


関係ないけど、映画「ロード・オブ・ザ・リング」の字幕の誤訳問題関連のサイトを斜め読みして、目からウロコ。
ええっ、これってこういう話だったの!
自分でかなり脳内補遺を行っていたことが判明。それにしたって、誤解していたところ多数。誤訳指摘サイトを読んで感動しなおしました。
原作読まなきゃ。

「聖なる黒夜」

2002年6月15日
■(読了)「聖なる黒夜」第22回、柴田よしき、KADOKAWAミステリ2002年7月号
なんと、あと連載1回で終わりだそうだ。……どうやって終わるんだー!

「園芸家12ヶ月」

2002年6月14日
■(読了)「園芸家12ヶ月」カレル・チャペック、中公文庫
20世紀初頭に活躍したチェコの世界的作家による、園芸家についてのエッセイ。
実は、飼い犬の話ほどおもしろくなかった。身につまされる人々が読むと笑えるのかもしれませんが、園芸にはハマってないからなあ。でも水中ガーデニング、つまり水草栽培にははまっているので、一部「分かる分かる」というところもある。
それとも、この本は初版がなんだかとても古いので、その訳文のせいかしら、とも思ったり。1996年に改版されているんですが、訳文に手をつけたのかなあ。

△(購入)「美少年日本史」須永朝彦、国書刊行会、2002
……言うな! 何も言わないでくれ!!(汗)
△(購入)「知の編集術」松岡正剛、講談社現代新書、2000
△(購入)「ある日どこかで」リチャード・マシスン、創元推理文庫、2002

「現在治療中 3」

2002年6月13日
■(読了)「現在治療中 3」桜木知沙子、ディアプラス文庫(新書館)、2002
歯医者さん×高校生、高校生の従兄で歯医者さんの先輩の歯医者さん×後輩の歯学部生(超美人だけど性にルーズ)、の2カップルの恋愛模様を描くシリーズ最終回。今回は、後者のカップルがきちんとできあがるまで。
後輩の歯学部生が浮き世離れしていて感情表現がとっても少ないのは、シリーズを引っ張るためでしかないと思われますが(汗)、まあそれでヤキモキさせてくれるんならいいか。
考えてみると、榎田尤利の魚住くんシリーズの魚住くんと似てるな。ぼーっとしてて感情表現がとっても苦手で、ほっとくとそのまま死にそうなほど不器用だけど専門に対してだけは優秀で、誰もが振り返る超美人。ある意味、腐女子の夢か。ただし、攻めのタイプは違う。
そうそう。超脇役ですが、攻めの歯医者さんと見合いをした理子ちゃんには、幸せになってほしいです。

関係ないですが、歯医者に治療に行ったときに待ち時間にこの本を読んでいて、順番が来て診察台に座ってしばらく待たされ、「あ〜本読んでたいな」と思うまで、本の内容と自分の境遇に共通点を見いだせなかったボンクラでございます。
■(読了)「この厄介な国、中国」岡田英弘、WAC文庫、2001
(帯より)「それでも彼らと付き合うなら知っておきたい“中国の常識”」「歴史学の視点から、現代中国の「なぜ?」を読み解く」
1997年発行の「妻も敵なり」の改訂。
ようするに中国人論。タイトルや、聞き慣れない文庫名(文庫といいながら、新書サイズ)から、胡散臭いタネ本と思うなかれ。著者は長年東京外国語大学で教鞭を執ってきた東洋史学者。文章もわかりやすいながらもいたってマジメ。ただし、そこで解説される、歴史史観に基づいた中国人の行動原理には、びっくりを通り越してショックです。
あいにく、周囲に中国人がいないので、この内容がどれだけ妥当なのか図りかねますが、読んで損はないと思います。とくに、高村薫「李歐」や、五條瑛の東アジアスパイものなどを読むときに理解の一助となるでしょう。


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