再開

2003年6月5日
長らくサボっていましたが、再開してみることに。
とりあえず、最近読んだ本で思い出せるものを……。

「物語 オーストラリアの歴史」、中公新書、2000
「運命よ、その血杯を仰げ」(遠征王シリーズ)高殿円、角川ビーンズ文庫、2003
「黄金の拍車」「白い矢」(黄金の拍車シリーズ)駒崎優、講談社X文庫、2002-3
「鬼流島カノン」三岐ともき、花丸文庫(白泉社)、2003
「心すれちがう夜」ジュード・デヴロー、ヴィレッジ文庫(ソニー・マガジンズ)、2003
「歌の翼に ピアノ教室は謎だらけ」菅浩江、祥伝社、2003
「世界はもっと豊かだし、人はもっと優しい」森、晶文社、2003

思い出せるのはこれくらいですが、実際に読んだものもこれと大差ない気がする……。
4−5月の約2ヶ月で8冊ってのは……、無惨ですな、我ながら。
変わりにDVDはたくさん見ました。ええ、例のオーストラリア人俳優さんの出演作ばかり。

映画は、アカデミー賞も受賞した「ボウリング・フォー・コロンバイン」をようやく見ました。ウワサに違わず面白かった。

■(読了)「オーストラリア 多文化社会の選択」杉本良夫、岩波新書、2000
30年近くオーストラリアに住んでいる、大学で社会学を教える著者が、生活の中から見えてくるオーストラリアについていくつかの項目に分けて書いている。
文章が簡潔で平明で、すんなりと内容が頭に入ってくる。面白い。オーストラリアに移住したくなるような本です。

□(映画)「ダスト」(2001、英・独・伊・マケドニア)監督ミルチョ・マンチェフスキー
http://www.shochiku.co.jp/dust/
ジャンル:西部劇。銃撃戦が激しく人がぱたぱたと死んでいくのでちょっと見続けるのがつらかった……。
でも、たぶんなんでもない普通の老女が、自分の人生を物語ることで、自分が死んだ後になにかを遺そうとする、そうすることで物語が生まれていく、というのがよかった。
古事記だって、たぶんギリシア神話だって、語られたときには史実だった。それが、語り継がれるうちに物語に変わっていったんだと思う。それを、現代で表現したかったんじゃないかしら。
まあ、それはさておきわたしの好きなオージー俳優さんがほぼでずっぱりだったのでそれだけでも楽しめました(笑)。
■(読了)「極楽オーストラリアの暮らし方」柳沢由紀夫、山と渓谷社、2001
オーストラリアへ家族5人で移住した著者が、オーストラリアの風俗と、そこで日本人が暮らすための情報を紹介。
諸般の都合、というか端的に言ってオーストラリア人の俳優さんにハマったために、オーストラリアについて知りたくて買った本。そこで暮らす日本人のナマのオーストラリア感がわかって読みやすく、面白かった。
でも、読みやすい=文章量が少ない、のにこの値段は……。まあ需要が多そうに思えない本だから、しかたないのかしら。

□(映画)「ムーラン・ルージュ」(2001米・豪)監督・バズ・ラーマン
ニコール・キッドマンとユアン・マクレガー主演で話題になったミュージカル映画。基本は「椿姫」だが、豪華絢爛というかコテコテな歌と踊りと衣装と美術で、19世紀末のパリを舞台に70〜80年代のPOPs&Locksやらなにやらをてんこ盛りにした楽しい映画。
元ネタを知っていれば異常に楽しめるだろうと想像しつつ、芸能オンチなわたしにはよくわからないネタもありましたが、ああいうクドいコテコテさは好きなので、おもしろかったです。
ニコール・キッドマンがとってもきれい〜。

□(映画)「調教師」(1994英・蘭・ベルギー)監督ドミニク・デルーデル
チンピラの青年が、強盗に失敗して、ホテルのスイートに暮らす車いすの老人の部屋へ逃げ込む。匿ってもらう代わりに、青年は老人の求めるままに娼婦と寝るのだが、老人の要求は次第にエスカレートし……。
レンタルビデオ屋で「エロチックサスペンス」の棚に分類されていた。タイトルをみて普通の調教ものかと(一般の棚にありましたからいわゆる成人男性向けではないですけど)思ってケースの説明を読んでビックリ。
青年が調教されるんかい?!
めちゃくちゃ期待して(……)借りたんですが、はっきり言ってこのタイトルは嘘八百。若さと美しさしか持っていない青年と、金しか持っていない老人(というか壮年)が、互いに相手に寄生しようと精神的駆け引きをする話。朝チュンな青年レ●プシーンはいらないから、この老人と青年の駆け引きをもっとゲイテイスト溢れる緊迫したものにすれば萌えたのに。(それは制作者側の意図ではないでしょう/笑)
青年が、完璧に美しいのに呆れるほどおバカで自分勝手で傲慢。いっそ小気味いい。美青年の裸体を鑑賞する目的だけならお薦め。

「過去のない男」

2003年3月19日
□(映画)「過去のない男」アキ・カウリスマキ監督
http://www.minipara.com/movies2002-4th/kakononai/index.shtml
本当はウワサの「ボウリング・フォー・コロンバイン」(アメリカのコロンバイン高校の銃乱射事件はなぜ起こったのか、を追ったドキュメンタリ映画)を観ようと思って映画館に行ったら、定員制でもう満席だった。隣の映画館にかかっていたのがこれ。あまりに傾向の違う映画なので、すっかり「ボウリング・フォー〜」に合わせていた気分でこんな夢見がちな映画をみるのもどうだろうと思ったが、それよりも「映画を観る」気分になっていたので、ものは試しに入ってみた。
結論は、正解でした。
一度すべてを失ってどん底まで落ちた男が、それでも同じような境遇の人々からのそれぞれふつうの人が持っているレベルの善意に支えられ、また、恋をすることが人生前向きに立ち直らせて、なんとなく人生うまく行く。
映画の最初で主人公の中年男性は一度死んで生き返るのですが、その後の人生のそれなりな幸福感が、「本当は、主人公はあのまま死んでいて、これは死後の天国の世界のお話なんじゃあるまいか」とも思われる、メルヘンチックなおとぎ話。
主人公の恋の相手、イレーネが、中年なのに(しかも岸田今日子似なのに)うぶな恋する乙女で、チャーミングでした。

……すみません、最初アップしたとき、映画のタイトル間違えてました(汗)。それほど低い意識で観ていたとは。

「IX(ノウェム)」

2003年3月18日
■(読了)「IX(ノウェム)」古橋秀之、電撃文庫、2003
武侠小説。つまりは中華チャンバラ。たぶん中国っぽい世界を舞台に、いかにも西遊記や水滸伝に出てきそうなキョーレツなキャラクターが、リズミカルな日本語にのって見得を切りつつチャンチャンばらばら闘います。
あー、こういうの、好きだわ。早く続きを読ませてください。
それにしても、表紙絵がいかにもアニメ〜って絵なのは仕方ないとして、なにゆえ、本文にはカタカナが(擬音語以外)ひと言も出てこないのに、タイトルだけはローマ数字にカタカナ読みを振っているのだろう。営業戦略? サブタイトルとか冠に、いかにも〜な漢字のタイトルをつけるとかってのはダメなのかな。
それとも、遠い将来SFになっちゃうという複線なのかな。
しばらくサボっていたのでまとめてアップ。

■(読了)「聡明な女性の時間の節約生活」あらかわ菜美、三笠書房、2002
自分の生活時間を「時間簿」につけて見直し、無駄な時間を有効に使うようにするヒントを教える1冊。
こういうのを読むと、とつぜん「わたしももっとがんばって働かないとな」と前向きに思う。たまにネジを巻くのにいい本。

■(読了)「キャラクター小説の作り方」大塚英志、講談社現代新書、2003
そしてこちらは、キャラクター小説の書き方を、システマティックに説明した本。とくにこういうキャラクター小説ってのは、「落としどころ」とか「ツボ」とかが類型化されているので、それらを踏まえた上で書く、ということに意識を開かせるこの本はとても啓蒙的だと思う。
でも、最後の主張「キャラクター小説よ、文学たれ」ってのはな〜。やっぱりその辺は、80年代に青春を過ごした世代の限界かと。その点、東浩紀は、「いーじゃーん、データベース的で」みたいなノリがあるから現代的なんだけど、わたしはどっちかってぇと前者に親和性がある。
最近のBL小説は読めなくってねぇ……。

□(映画)「ジャンダラ」タイ、監督ノンスィー・ニミブット
友だちに誘われて試写会に行ってきた。仏教の戒律が生活の隅々まで浸透している戦前/戦中のタイ上流階級のとある富豪の家でのめくるめく愛と官能のジェットコースター映画。おもしろかったけど最後はあまりに救いなし。

□(映画)「ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔」アメリカ、監督ピーター・ジャクソン
おむすびウーマンさんと観てきました。
いや、実を言うと4度目なんですが(汗)、日本語字幕版はこれが初めてで、英語で聞き取れなかったところがようやく「こういうことだったのか!」と開眼させられてまた楽しかったです。
やっぱり吹き替えも見たほうがいいのかな……。



「根の国の物語」

2003年3月4日
■(読了)「根の国の物語」全4巻、篠田真由美、角川ビーンズ文庫、2003
女子校生の秋鹿(あいか)は、謎の超能力者に襲われて、古代日本に似た異世界「根の国」に逃げる。そこで彼女は神格化した王の孫娘だと言われ、侵略者から根の国を救うべく奔走する。
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中央公論C-Novelsからの移籍。
はじめは、どうしても「十二国記」を思い起こさせるオープニングでどうなることかと思っていたが、記紀神話を想起させる「根の国」と、SF風味がまじった世界観の造型が魅力的なのと、途中で予想を裏切る展開を見せて一気に読ませる。
各キャラクタも入り乱れている割にキャラが立っているので混乱しない。
萩尾望都とか竹宮恵子とか、あの辺の70年代SF少女マンガで育った世代にはうれし懐かし、な小説だ。
◎(ビデオ)「ゴッド・アーミー 悪の天使」(1994/米)[監]グレゴリー・ワイデン
神に反乱を起こした天使ガブリエルと、神に忠実な天使シモンの、もっとも邪悪な人間の魂を賭けた争いに、司祭になり損ねた刑事と堕天使・ルシファーが絡むオカルト・ホラー。

映画「ロード・オブ・ザ・リング」のアラゴルン役・ヴィゴ・モーテンセンがルシファー役で出ているというので借りてみた。
戦う天使の造型は、猛禽類っぽくってツボ。細かい設定はそそるものがあるのに、メインのストーリーが粗いのが難点のB級ホラー。
どうせ天使(元含む)の三つ巴にするなら、正体(派閥)のわからない3人を初めからちらほら出させて、主人公の刑事がどいつが敵か味方か悩みつつ、忍び寄る魔の手!! とか、もっとも邪悪な人間の魂に、もっと具体的に邪悪なことをさせるとか、なんかもう、同じ低予算でももっとなんとかできたんじゃ,という気がふつふつと。

ちなみに、鳥類の嗅覚はあまりよくないらしいです(by先週の「世界ふしぎ発見」)。いえ、映画の天使は猛禽類っぽい描写なのですが、動物的な嗅覚を持っていたので。
■(読了)「トンネル・ヴィジョン」キース・ロウ、ソニー・マガジンズ、2002
1日でロンドンの地下鉄13路線267駅をすべて回ることができるか?
地下鉄オタクの主人公は、オタク仲間にハメられて、結婚式をするパリまでのユーロスターのチケットやハネムーンの航空券を賭けて、独身最後の1日、地下鉄を疾走する!

たった1日、それも人生の転機となる1日をスピーディに描いてイッキ読みでした。
本当は、先月イギリスへ旅行する前に読もうと思って買っていたのに、積読してしまいましたが、実際にロンドンの地下鉄に乗った記憶が新しいときに読んだほうが面白くてよかったです。
逆に、ロンドンの地下鉄を知らない人にはピンと来ないかもしれません。いえ、わたしも読みながら、いまどこら辺にいるのかなんて分かりませんでしたが。
映画化の話も出ているらしいですが、この話は映画にするのに持ってこいでしょうね。こういう「タイムリミットもの」かつ「舞台が限定されているもの」はまず基本的にはずさないはず。
装丁も凝ってておしゃれです。……表紙はアレだけど。

2002年12月〜2003年1月に読んだ本:計7冊(マンガ除く)
【小説・一般】
文芸2冊(国内1・海外1)
ミステリ2冊
エッセイ・ドキュメント2冊
【ライトノベル】
一般1冊
【マンガ】
マンガ3冊

そういや統計もうっかり忘れてました。そして2ヶ月まとめてしまったのに、11月に読んだ数より1冊しか多くない。……ま、まぁ旅行行ってたし?(汗)

そして、実はこっちもうっかりしてましたが、2/10でこの読書記録もめでたく1周年を迎えていたのですね! ああ、なんてありがたみのない。
で、この1年で何冊読んだか累計してみたら、130冊でした。前半飛ばしていた分でなんとかフォローできましたが、この数字ってどうなんでしょ。2.8日に1冊か。――うん、そんなものかな。

「転生」

2003年2月16日
■(読了)「転生」貫井徳郎、幻冬舎文庫、2003
心臓移植を受けた青年が、手術前とは味覚や趣味、性格が変わってしまい、また知らないはずの記憶まで甦り、その謎を追う。
しばらく前に(12/18の日記(挫折))に書いた「内臓が生み出す心」系のネタを使ったミステリ。というかサスペンス? そこにも書いた女性の手記を、この主人公も読んでみたりしている。
面白くてサクサク読めた割に、いまひとつ物足りなさを感じる読後感。主人公があまりにいい子ちゃんで、さらに都合よく話が進むからか? ヒロインもあまりにいい人だからか? それともやっぱり黒幕が●●だからか?
黒幕の論理には新鮮さがあったものの、主人公とヒロインの葛藤がうまく昇華しきれなかったからかなぁ……。
興味のある分野だっただけに、余計に気になる。

それにしても、なんで最近貫井徳郎(の、「慟哭」)がこんなに流行ってるの?


■(読了)「Flesh & Blood」(4)、松岡なつき、キャラ文庫
松岡なつきは、職人技的にうまい。話の骨格であるソレ系部分は基本を踏襲し、肉付けである専門知識を説教くさくなく盛り込んで読み手に新しい知識を得たというお得感を感じさせる。
ソツなく、隙なく、嫌味のない話をコンスタントに生産しつづけるのって、すごいよな。

■(読了)「三千世界の鴉を殺し(7)」津守時生、ウィングス文庫
またゼンゼン話が進まないうちに1冊終わってしまった。小ネタをつぎつぎ繰り出す技は秀逸で、本来なら、大きな話も書ける作家なんだから、もう少し大きな話を動かしてくれ〜(涙)。
とはいえ、最近のオタクってのは東浩紀「動物化するポスト・モダン」(講談社現代新書)によれば、データベース型萌え、っていうか、元ネタ作品を要素に切り分けて、そこから自分の好みで勝手に組み合わせて萌える、という萌え方をするらしい。(出典が手元になくて記憶で語っているので、正確なところは原典参照のこと。わたしが勘違いしているかもしれない)
とすると、作家によって作品全体を通して隠された大きな物語は、最近の読み手には求められていないのかも知れない。とすれば、こういう小ネタ続きの話の作り方もおっけー、ということか?
昔読者にはサビシイ話ではある……。

それから、DVDを返却しにいったついでにまた借りてきてしまった。
■「ナインスゲート」(ポランスキー監督、ジョニー・デップ主演)
悪辣な古書商コルソ(ジョニデ)が、世界に3冊しか残っていないという悪魔召喚の書の1冊を持っている教授から、本の真贋鑑定を依頼される。残りの2冊の所有者を訪ねるうちに、オカルトの世界に足を踏み込んでいく、という話。

ジョニデ目当てで借りたのですが、監督がポランスキーだなんて、というか「赤い航路」の監督だったなんて知らなかったよ(無知)。
古書好きには映画の雰囲気とジョニデだけで嬉しい映画。本を探して謎解きをするという筋はRPGみたいと言われればそうだけど、そういうパターンにはまった筋運びは嫌いじゃない。

でも、見終わってからネットで感想を見てみたら、あんまり評価は高くないみたい。たしかに、「ローズマリーの赤ちゃん」「赤い航路」よりはインパクトは少なかったかな。あと、同じ悪魔ものの「エンゼル・ハート」を思いだした人が多かったみたいだけど、やっぱりエンゼル・ハートのラストのインパクトと比べると、尻すぼみ感は否めないかな。
わたしはわりとおもしろかったんだけど。


「抱擁」

2003年2月6日
■(読了)「抱擁」A.S.バイアット、新潮文庫、2002
おもしろかった。ひさびさに「小説」を堪能した、というかんじ。
内容紹介は1/23分の日記をご参照のこと。
文庫上下巻合わせて1200ページという大部で、しかも19世紀の詩人の詩やら往復書簡やら日記やらが随所に大量に挿入されていて、しかも現代の登場人物は学者だからよくわからない文学談義が、聖書シェークスピアギリシャローマ神話をたっぷり引用しながら展開されるうえに、地の文の説明もやたらめったら細かいクドイ。
でもここは、焦らず呆れず、読了まで1ヶ月くらいかけるつもりで、そのゆったりとした小説の流れにたゆたうように読み進めます。これも、映画で大まかな筋を知っていたらから、先を焦らずに読めたんだろうな。
でも、その映画はこれだけの長い話を2時間に収めるために、大幅な改変を行っています。一番びっくりしたのは、主人公の性格の改変。映画ではいかにもアメリカ人〜、なちょっと自堕落気味のオニイチャンだったのに、原作では、ヒロインより小柄で自信喪失気味だけど真面目な青年でした。そのほかにもストーリーを単純化するために大筋をざくざくと切り貼りしてますが、それでも映画としてみせるのにふさわしい筋(プロット)はしっかり残していて、ふさわしい演出もプラスされていて、原作つきの映画としてはなかなかなんじゃないでしょうか。ネタばれになっちゃうかもしれないが、原作では最後に補遺として載っている部分に繋がるシーンを冒頭に持ってきたのは、映画的に(定石かもしれないけど)上手いと思いました。
あああ、もっと語りたいことは山のようにあるのに〜。
とにかくお薦め。
引き続き「抱擁」読書中。めちゃくちゃ面白いよ、コレ。

そのくせ、先週金曜につい「バッテリーV」「Flesh&Blood(4)」「三千世界の鴉を殺し」の最新刊を購入。だって指輪物語の追補編がないんだもんさー。(<それが理由になるのか……?)

週末にはレンタルビデオ屋に行って、「フロム・ヘル」と「千と千尋の神隠し」を借りてきた。
「千と千尋〜」は、テレビ放映したとき見逃したから。なんか、母も気になっていたらしく、「じゃ、借りてくるから一緒に見ようよ」と。
見終わったときの母の感想。
「なんでこれがそんなに人気があるのかわからない」
……(こっそり)わたしも。

「フロム・ヘル」は、1月にイギリスに行って、ロンドン・ダンジョンというお化け屋敷みたいなのに行ったとき、その見世物の半分が切り裂きジャックだったから。同行者にけっこう切り裂きジャック好きが多く、そのときこの映画の話も聞いていた。
久々に観た(「ロード・オブ・ザ・リング」以外の)映画だったため、とても新鮮。映画らしいまとまりのある、ジョニデの可愛い映画でした。

「レディMの物語」

2003年1月27日
■「レディMの物語」篠田真由美、講談社文庫、2003
調教される美少女人妻の話。
とはいえ、官能小説というよりはフェミニズム小説。ネットで読める男性向けポ●ノの調教ものと比べると、この小説ははるかに理知的で、小脳より大脳新皮質に訴える話。(脳の部位による役割の違いについてはテキトー)
わたしがもっとキヨラカだったころなら充分官能小説だったろうが……(遠い目)。



ブックバーゲンの罠

2003年1月24日
カイシャ近くの駅ビルで本のバーゲンフェア(非再販本の安売り)をしてまして、たいてい使えない実用書ばかりだろうと思ったのですが、たまたま時間があったのでふらっと立ち寄って、つい以下の本を購入。

△(購入)「装丁の美 アール・ヌーヴォーとアール・デコ」A.ダンカン&G.バルタ、同朋舎、1990
元値15000円もする豪華大型本が、なんと4500円とな。ブックデザインにはもともと興味があったので、即購入決定。
でも、これが元値10000円切ってたら、同じものが同じ値段でも買うのをためらっただろう。

△(購入)「お鍋でごちそう 煮込みとスープ」脇雅世、雄鶏社、1998
和洋中横断して汁物・煮込み系が好きなので、つい勢いで購入。でも、かなり本格的なフランス田舎料理なので実際作るかどうか……。
1300円が600円に。

「尾のない蠍」

2003年1月23日
■(読了)「尾のない蠍」高殿円、角川ビーンズ文庫、2002
シリーズ最新刊。
あとがきに「慌しく終わることになって……」などと書かれていたように、当初想定していたよりも巻数が減ったようで、この巻の半ばにひとつ山場とその収斂がある。この前半のエピソードは、ちゃんと書き込まれたものを読みたかった気がします。
後半は、いよいよ主人公の過去のトラウマが顕在化してくる部分。ラストに「おおっ?!」と目を剥くオットナーなシーンがあります。
この著者、大人向けっぽい部分で光るものも持っているし、ライトノベル読者向けの軽いお笑いシーンはしっかりと笑わせてくれるのですが、そのギャップがうまくひとつに収まっていないような感じがしてもったいないなぁ。むー。
でも、このシリーズも次で最終巻だそうなので、楽しみに待ってます。

□(読み始め)「抱擁」A.S.バイアット、新潮文庫、2003
イギリスでブッカー賞をとり、グウィネス・パルトロウ/アーロン・エックハート主演で映画化もされた小説。
100年前の英国の桂冠詩人を研究している現代の若い研究者(男性)が、この詩人が秘密の恋人に宛てた手紙の下書きを偶然発見する。手紙の相手が、当時としてはスキャンダラスなフェミニストの女性詩人ではないかと見当をつけた研究者は、その女性詩人の研究者(女性)とともに100年前の恋のミステリを探りつつ、自分たちも次第に恋に落ちていく……、という内容。
なんでこの本を手に取ったかというと、先日のイギリス旅行の帰りの飛行機の中で、この映画を見まして。
疲れてたんでイヤホンを外して、ぼんやり画面だけ見ていたんですが、なんとなく話もわかってこの歴史ミステリっぽいところがおもしろかったので、帰国してから調べてみたら原作があるということで、手に取った次第。
映画はロマンスだったけれど、この「英国女性最高の知性」と呼ばれる女史が書いたブッカー賞受賞作は、ビクトリア朝の文学・世相をこれでもかというほどふんだんに盛り込んだ、「ロマンスのパロディ」。あらすじを知っているからか、まったく身近でない知識てんこ盛りで遅々として進まない話も、(いまのところは)面白いです。
すっごい分厚い文庫2冊組みだけど。
■(読了)「赤い館の秘密」A.A.ミルン、創元推理文庫、1959
くまのプーさんの著者による唯一の長編推理小説。
大変おもしろうございました。謎解きはわたしごときでもすぐにわかるネタですが、それを探偵役が几帳面に、わかる範囲で悩んだり間違ったりしながら推理していく過程がとても丁寧で無理がない。
っていうだけでなく。
いやー、古き良き英国紳士たちの「それっていいの?」と目をむくような仲好しっぷりにクラクラです。どうしてそんなにすぐ腕を組みたがるのですか? どうしてそんなに献身的にワトソン役を務めるのですか? そのにっこりとした微笑みは??? ああ、めくるめいちゃいます〜。

■(読了)「僕の先生はフィーバーwith本マン」本仁戻、BBC、2002
■(読了)「開いているドアから失礼しますよ」山田ユギ、BBC、2003

そして、なにかとりついたようにBBC2連ちゃん。

本仁戻は、前にも書いたような気がするが、端麗な絵でありながら、シリアスからギャグまで、あたかも赤道直下から極北までをカバーする振り幅の大きい作風のうち、これはギャグ方向へ振り切れた作品。

そして山田ユギは、ツボ直撃だった「最後のドアを閉めろ」に出てきた攻くんの兄二人の話。ほとんど雑誌で読んでいたので新鮮みはなかったものの、この人の話は何度読んでも面白いので満足です。
「最後のドアを〜」は、なにやら続くようなことが巻末に書かれていて、こちらも期待大。

「マクベス」

2003年1月10日
■(読了)「マクベス」シェークスピア、岩波文庫
言わずと知れた沙翁の四大悲劇のひとつ。
こ、こんな話だったのか……!!
いままで、高校の英語のワークブックや北村薫「空飛ぶ馬」などで部分部分はけっこう知っているところがあったのですが、全体をはじめて読みました。
しかも、これがシェークスピア初体験。いいのかそんなことで。
だいたい、脚本自体読み慣れていないのでなにが面白いのかよくわからず、巻末の解説を読んで「そういうところに感動すればいいのか!」と感心した次第。ダメダメ。

来週イギリスに行って、マクベスの舞台を見てくるので(赤い館の秘密は一休みして)予習してみました。

2週間ほど溜め込んでしまったので、まとめて簡単に。って3冊しか読んでない上にそのうち2冊は(ソレ系)マンガ……。

■(読了)「パセリ」朝丘みなぎ、ディアプラスコミックス(新書館)

■(読了)「英語をクリアしよう−−前置詞の知識」西田実、岩波ジュニア新書127
自分のあまりの英語ダメダメ加減に、昔読んでけっこう感心した本を引っ張り出してきて読もうと思った。が、わたしが探していたのはこれじゃない。本命が見当たらなかったので目に付いた英語の本をとりあえず読む。
これが、けっこう時間かかりましてね……。2週間でまともな本を一冊しか読了できなかったのはそのせいです。
本当に読みたかった本は、基礎的な動詞+前置詞でほとんどの動作は表現できる!という、ちょっとアヤシイ?ハウツーっぽい新書でした。

■(読了)「夢が叶う十二月」山田ユギ、竹書房
やっぱり山田ユギはおもしろい。短編集です。
でも、この人はオヤジ受けが好きなのかと思ってましたが、今回の短編集では親父受けは1本だけ。高校生が先生と……というエピソードのとき、「これゼッタイ先生受けだよ!」と思ったのに実は先生攻めだったときはオドロイタ。(いや、こっちメインの話じゃないんですが)
そしてわたしの好きなクール・ビューティ(襲い)受けが多かったので余計に満足度高し。

――――――――――――――――――――――――――――――

そのほか、読みかけては放り出していたものが数知れず……。

▼(挫折)「内臓が生みだす心」西原 克成、NHKブックス
読売新聞書評欄にて興味を持った本。しかも出版元がNHK出版局。それなら普通信頼するよね(涙)。
なんというか、すごくアヤシげな本でした。
とりあえずダーウィンの進化論で育ってきた人間に、とつぜん「わたしの実験の結果、人間はサメから進化したことがわかりました」って……(汗)。や、大きく言えばサメにつづいているのかもしれないけど、一事が万事そういう書き方なので、だんだんついていけなくなりました。考え方には興味があるんだけどね。
というわけで、この本の中で「内臓に心が宿ることを証明した」と紹介されていた、アメリカで心肺同時移植を受けた女性の手記を探して読んでみよう。

□(読み始め)「赤い館の秘密」 A.A.ミルン、創元推理文庫、1959
いまの通勤本。ちょっと古びた訳がいい感じ。

△(購入)「English Silver Hallmarks」Judith Banister、Foulsham & Co Ltd、1992
一昨年、イギリス旅行へ行ったときに、記念に銀製のシュガースプーンを買いました。で、その柄に刻印されたマーク(Hallmarkというそうです)で、製造地、製造年、製造者がわかる、ということを知って、それらを調べるための本を購入。いきなりエセ・アンティークマニア(笑)。

△(購入)古民家暮らし私流―千秋万歳自家自讃」石川 るい子 、飛鳥新社、2002
群馬・渋川にあった陣屋を移築した人の短いエッセイと、たくさんのうつくしい写真。これは、ときどき開いて眺める本でしょうね。

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