「江戸・東京はどんな色〉」「イグアナの娘」
2002年5月15日■(読了)「江戸・東京はどんな色―色彩表現を読む 江戸東京ライブラリー〈12〉」小林 忠雄 、教育出版、2000
民俗学的に、「色」の象徴するものを読み解いていく、話のはずだったんだけど……。
限りなく挫折に近い読了。
なんというか、事例を紹介するのに論拠が希薄。「そうなんだ〜!」という、知的興奮というか、感動が少ない。
江戸の色彩感覚と、東京の色彩感覚を解説しているけれど、その間の変化に論究がなく、ただ、外国から人工的な染色技術が入ってきたために自然染色素材よりも多くの色彩表現が可能になったから、ってそれだけ〜?
しかも、たぶんこの人がフィールドワークしたからだろうけど、熊本・人吉と、風の盆で有名な富山県八尾の事例にまでよく言及されていて、とくに八尾については、色彩表現とは関係ないところにまで詳細に触れているので、なんか途中であきちゃった(……って、アンタ)。最後のほうは流し読み。
通勤の帰宅途中で上記の本を放り出し、それでも帰りに読むものが欲しくて、乗換駅の構内にある書店で以下のマンガを購入。
■(読了)「イグアナの娘」萩尾望都、小学館文庫、2000
現代人の不安や葛藤を、繊細な心理描写で描いた短編集。いいもの読んだ。
民俗学的に、「色」の象徴するものを読み解いていく、話のはずだったんだけど……。
限りなく挫折に近い読了。
なんというか、事例を紹介するのに論拠が希薄。「そうなんだ〜!」という、知的興奮というか、感動が少ない。
江戸の色彩感覚と、東京の色彩感覚を解説しているけれど、その間の変化に論究がなく、ただ、外国から人工的な染色技術が入ってきたために自然染色素材よりも多くの色彩表現が可能になったから、ってそれだけ〜?
しかも、たぶんこの人がフィールドワークしたからだろうけど、熊本・人吉と、風の盆で有名な富山県八尾の事例にまでよく言及されていて、とくに八尾については、色彩表現とは関係ないところにまで詳細に触れているので、なんか途中であきちゃった(……って、アンタ)。最後のほうは流し読み。
通勤の帰宅途中で上記の本を放り出し、それでも帰りに読むものが欲しくて、乗換駅の構内にある書店で以下のマンガを購入。
■(読了)「イグアナの娘」萩尾望都、小学館文庫、2000
現代人の不安や葛藤を、繊細な心理描写で描いた短編集。いいもの読んだ。
「漢詩入門 」
2002年5月14日■(読了)「漢詩入門 」岩波ジュニア新書、¥740
ジュニア新書読者レベル向けに、漢詩の難しいお約束のさわりをやさしく解説してくれている。あわせて、有名な漢詩もいくつか時代順に紹介しているので、漢詩の歴史もわかる。
―――――――――――――――――――――――
わかりやすいんですけど、著者は、とっても基本的でだれも教えてくれないために漢詩を分かりにくくしている一番の原因に触れていないので、たぶんこれを読んだ高校生は、やっぱり漢文は苦手な暗記科目のままなんではないかと思われる。
わたしが予備校時代の漢文の先生から聞いて目からウロコだった、漢文攻略の基本。
「漢文は、つまり古い中国語なのであって、言葉を習うときにはその文法がわからなけりゃ読めない」
んでもって、
「中国語は、英語と同じで主語−述語−目的語/補語……の順に並んでいる」
この基本がわかってはじめて、「脚韻を揃えるためにここの語順が入れ替わって〜」みたいな話がわかると思うんだけどな。
ジュニア新書読者レベル向けに、漢詩の難しいお約束のさわりをやさしく解説してくれている。あわせて、有名な漢詩もいくつか時代順に紹介しているので、漢詩の歴史もわかる。
―――――――――――――――――――――――
わかりやすいんですけど、著者は、とっても基本的でだれも教えてくれないために漢詩を分かりにくくしている一番の原因に触れていないので、たぶんこれを読んだ高校生は、やっぱり漢文は苦手な暗記科目のままなんではないかと思われる。
わたしが予備校時代の漢文の先生から聞いて目からウロコだった、漢文攻略の基本。
「漢文は、つまり古い中国語なのであって、言葉を習うときにはその文法がわからなけりゃ読めない」
んでもって、
「中国語は、英語と同じで主語−述語−目的語/補語……の順に並んでいる」
この基本がわかってはじめて、「脚韻を揃えるためにここの語順が入れ替わって〜」みたいな話がわかると思うんだけどな。
「三千世界の鴉を殺し(6)」
2002年5月13日■(読了)「三千世界の鴉を殺し(6)」津守時生、Wings文庫(新書館)、2002
どうも、全体の7割を占めているお笑いネタに紛れて、メーンのストーリーが見えにくくなってきた(読み返さないもんで……)。
この話を構成する要素として、
(1)主人公(軍人)が辺境惑星へ飛ばされ、密かに進行している悪事を暴く……2割
(2)自分の種族を狩る人々から逃げ隠れている美人軍医……1割
(3)(ホモ絡みの)お笑い……7割
という配分と見た(私見)。角川スニーカー文庫ででている、同じ世界を舞台としたシリーズは、ホモネタなしでたいてい文庫4〜5冊で終了しているので、単純計算すると、このシリーズは全12〜15巻くらいはかかるんじゃないかなあ。
どうも、(1)の部分を読むときと(2)および(3)の部分を読むときに使っている感性がまったく異なるので、別々の話を読んでいるような気がする。でも、どっちもおもしろいので、できれば(1)フェーズが3割増くらいになること希望。
とはいえ、だんだんメーンの筋も明らかになってきたので、今後が楽しみ。
どうも、全体の7割を占めているお笑いネタに紛れて、メーンのストーリーが見えにくくなってきた(読み返さないもんで……)。
この話を構成する要素として、
(1)主人公(軍人)が辺境惑星へ飛ばされ、密かに進行している悪事を暴く……2割
(2)自分の種族を狩る人々から逃げ隠れている美人軍医……1割
(3)(ホモ絡みの)お笑い……7割
という配分と見た(私見)。角川スニーカー文庫ででている、同じ世界を舞台としたシリーズは、ホモネタなしでたいてい文庫4〜5冊で終了しているので、単純計算すると、このシリーズは全12〜15巻くらいはかかるんじゃないかなあ。
どうも、(1)の部分を読むときと(2)および(3)の部分を読むときに使っている感性がまったく異なるので、別々の話を読んでいるような気がする。でも、どっちもおもしろいので、できれば(1)フェーズが3割増くらいになること希望。
とはいえ、だんだんメーンの筋も明らかになってきたので、今後が楽しみ。
「奇跡のオブジェ」
2002年5月12日□(読み始め)「漢詩入門 」岩波ジュニア新書、¥740
……たけど、残り10数ページを残してちょっと休止し、ずっと前に買ったまま積まれていた、
□(読み始め)「江戸・東京はどんな色―色彩表現を読む 江戸東京ライブラリー〈12〉」小林 忠雄 、教育出版、2000
を手にとり、でも結局、なんか軽〜い読み物が読みたくて、以下の本を購入。
■(読了)「奇跡のオブジェ」水無月さらら、BBN(ビブロス)、2002
BL小説の中でもいわゆる「アホアホ」系が苦手なわたしは、こういういかにもなPNの作家の本はめったに手に取らないのだけれど、水無月さららに限っては、ときどき妙な設定で心引かれる話を書いてくれるので侮れない。
これは、仏像が甦って坊主になって、前世で結ばれなかった恋人と再会する話。
ハゲが表紙に! こういうセンスと、それを許す編集者に拍手。とはいえ、BL小説で坊主といえば古い話になるけれど月夜野亮「金銀砂子」(桜桃書房)がある。
話自体は、甦りネタ×山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」って感じで結構読めた。甦りネタ(+坊主)だけではノベルス1冊もたなかったろうけれど、合わせワザで商業レベルに引き上げるあたり、既存のノウハウを組み合わせることで新しいシステムをつくるビジネス特許、ってカンジ?(<違う違う)
△(購入)「奇跡のオブジェ」水無月さらら、BBN(ビブロス)、2002
△(購入)「三千世界の鴉を殺し(6)」津守時生、Wings文庫(新書館)、2002
△(購入)「伝わる・揺さぶる!文章を書く」山田 ズーニー、PHP新書、2001
関係ないけど、山田ズーニーって女性だったのか!
……たけど、残り10数ページを残してちょっと休止し、ずっと前に買ったまま積まれていた、
□(読み始め)「江戸・東京はどんな色―色彩表現を読む 江戸東京ライブラリー〈12〉」小林 忠雄 、教育出版、2000
を手にとり、でも結局、なんか軽〜い読み物が読みたくて、以下の本を購入。
■(読了)「奇跡のオブジェ」水無月さらら、BBN(ビブロス)、2002
BL小説の中でもいわゆる「アホアホ」系が苦手なわたしは、こういういかにもなPNの作家の本はめったに手に取らないのだけれど、水無月さららに限っては、ときどき妙な設定で心引かれる話を書いてくれるので侮れない。
これは、仏像が甦って坊主になって、前世で結ばれなかった恋人と再会する話。
ハゲが表紙に! こういうセンスと、それを許す編集者に拍手。とはいえ、BL小説で坊主といえば古い話になるけれど月夜野亮「金銀砂子」(桜桃書房)がある。
話自体は、甦りネタ×山田太一「飛ぶ夢をしばらく見ない」って感じで結構読めた。甦りネタ(+坊主)だけではノベルス1冊もたなかったろうけれど、合わせワザで商業レベルに引き上げるあたり、既存のノウハウを組み合わせることで新しいシステムをつくるビジネス特許、ってカンジ?(<違う違う)
△(購入)「奇跡のオブジェ」水無月さらら、BBN(ビブロス)、2002
△(購入)「三千世界の鴉を殺し(6)」津守時生、Wings文庫(新書館)、2002
△(購入)「伝わる・揺さぶる!文章を書く」山田 ズーニー、PHP新書、2001
関係ないけど、山田ズーニーって女性だったのか!
「あさきゆめみし」10〜13巻
2002年5月11日■(読了)「あさきゆめみし」10〜13巻、大和和紀、KCコミックス(講談社)
昔、円地文子「源氏物語」でも、光源氏が死んじゃってからどうも面白くなくて、全5巻のうち4巻までしか読んでなかったので、今回ようやく、宇治十帖がどんな話なのか知ることが出来ました。
でも、やっぱキャラクターの魅力に乏しいよね、宇治十帖って。
昔、円地文子「源氏物語」でも、光源氏が死んじゃってからどうも面白くなくて、全5巻のうち4巻までしか読んでなかったので、今回ようやく、宇治十帖がどんな話なのか知ることが出来ました。
でも、やっぱキャラクターの魅力に乏しいよね、宇治十帖って。
洋物ゲイ・ミステリはとりあえず押さえとこうかな、と。
2002年5月9日□(読み始め)「スモールg(ジー)の夜」P.ハイスミス、扶桑社ミステリ文庫、699円
……たんだけど、なんか早々に挫折しそう(涙)。だって、主人公のゲイのイラストレーターって、46歳なんだもん。それで彼氏が20歳(故人)なんて。せめて36歳だったら逆に萌えた気がするけど。ってとっても年齢差別発言をかます。
この本と同時に購入した「囁く血―エロティック・ホラー」 は、海外ホラー・アンソロジーなんですが、なんで買う気になったのか、目次を見てすぐに思い出しました。
「おかまのシンデレラ(原題:Genderela)」という短編が読んでみたかったからだわ。
この邦題ステキ(苦笑)。んで、これだけ読んでみたんですが、うーん、エグい。後味極悪。夢見る腐女子にはお薦めしません。このタイトルを笑い飛ばせる方には、……やっぱ、どうかなー。
……たんだけど、なんか早々に挫折しそう(涙)。だって、主人公のゲイのイラストレーターって、46歳なんだもん。それで彼氏が20歳(故人)なんて。せめて36歳だったら逆に萌えた気がするけど。ってとっても年齢差別発言をかます。
この本と同時に購入した「囁く血―エロティック・ホラー」 は、海外ホラー・アンソロジーなんですが、なんで買う気になったのか、目次を見てすぐに思い出しました。
「おかまのシンデレラ(原題:Genderela)」という短編が読んでみたかったからだわ。
この邦題ステキ(苦笑)。んで、これだけ読んでみたんですが、うーん、エグい。後味極悪。夢見る腐女子にはお薦めしません。このタイトルを笑い飛ばせる方には、……やっぱ、どうかなー。
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「興奮 競馬シリーズ」
2002年5月8日■(読了)「興奮 競馬シリーズ」ディック・フランシス、ハヤカワ文庫HM、1976
言わずと知れたフランシスの競馬シリーズ、邦訳第1作。オーストラリアの裕福な牧場主(27歳)が、イギリス競馬界に巣くう薬物投与疑惑を探るため、厩務員に身をやつして悪事を暴く。
じつは初D.フランシスだったんですが、久々に、カイシャで昼ご飯を食べながら読みました。面白い。
まあ、ようするに貴種流離譚であって、主人公が途中で苦労すればするほど、最後に印籠を取り出すまではノン・ストップになるのがよくわかりました(笑)。だから、つい、「読まされた〜」って気になってしまう。でも、どん底に落ちた次の章でいきなり苦境から脱している(その後、脱する過程を回想)ところは、巧いなあ、と感心。どうせ読者には主人公が苦境を脱出するのは分かっているから、と、過程を詳述して辛い思いを味わわせることなく、突然カタルシスを与えちゃう。エンターテインメントとして正しい道だと思います。でも、美人の彼女とくっつけるほうのカタルシスはなし(笑)。ストイックなところが、逆に女性読者をもひきつけるのか?!
言わずと知れたフランシスの競馬シリーズ、邦訳第1作。オーストラリアの裕福な牧場主(27歳)が、イギリス競馬界に巣くう薬物投与疑惑を探るため、厩務員に身をやつして悪事を暴く。
じつは初D.フランシスだったんですが、久々に、カイシャで昼ご飯を食べながら読みました。面白い。
まあ、ようするに貴種流離譚であって、主人公が途中で苦労すればするほど、最後に印籠を取り出すまではノン・ストップになるのがよくわかりました(笑)。だから、つい、「読まされた〜」って気になってしまう。でも、どん底に落ちた次の章でいきなり苦境から脱している(その後、脱する過程を回想)ところは、巧いなあ、と感心。どうせ読者には主人公が苦境を脱出するのは分かっているから、と、過程を詳述して辛い思いを味わわせることなく、突然カタルシスを与えちゃう。エンターテインメントとして正しい道だと思います。でも、美人の彼女とくっつけるほうのカタルシスはなし(笑)。ストイックなところが、逆に女性読者をもひきつけるのか?!
なんか、生活ボロボロ……
2002年5月6日■(読了)「あさきゆめみし」6〜9巻、大和和紀、KCコミックス(講談社)
……あると手が出る。
○(書評チェック)
「社史の研究」村橋勝子、ダイヤモンド社、5000円
じつは、著者を個人的に存じ上げてます(自慢)。すごいデキる女性です。
社史っておもしろいんですよ。先日仕事で手にとったTBSの50年史にも、オウム真理教関連で坂本弁護士一家殺害事件のきっかけとなったビデオにまつわる社内調査のあたりなんか、じつに詳しく書いてあります。
まあ、社史で面白いところといったら、創業期と事業が傾いた時期(社会的な事件を起こした時期)くらい、といったらそれまでですが。
「『人を好きになってはいけない』といわれて」大沼安正、講談社、1500円
どこに引っかかったかって? そりゃあ(以下自粛)。
「偽書『武功夜話』の研究」藤本正行/鈴木眞哉、洋泉社新書y、780円
……あると手が出る。
○(書評チェック)
「社史の研究」村橋勝子、ダイヤモンド社、5000円
じつは、著者を個人的に存じ上げてます(自慢)。すごいデキる女性です。
社史っておもしろいんですよ。先日仕事で手にとったTBSの50年史にも、オウム真理教関連で坂本弁護士一家殺害事件のきっかけとなったビデオにまつわる社内調査のあたりなんか、じつに詳しく書いてあります。
まあ、社史で面白いところといったら、創業期と事業が傾いた時期(社会的な事件を起こした時期)くらい、といったらそれまでですが。
「『人を好きになってはいけない』といわれて」大沼安正、講談社、1500円
どこに引っかかったかって? そりゃあ(以下自粛)。
「偽書『武功夜話』の研究」藤本正行/鈴木眞哉、洋泉社新書y、780円
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うわーん。ショック!
2002年5月5日5/1〜4までの読書記録の下書きに、別の文書を上書き保存してしまい消えてしまった(涙)。立ち直れないので、取りあえずタイトルだけメモしておきます。おいおい感想なども追加していくつもり。
■(読了)「メモの技術」中野不二男、新潮選書、1997
■(読了)「最悪」ひちわゆか、BBN(ビブロス社)、2002
■(読了)「あさきゆめみし」1〜5巻、大和和紀、KCコミックス(講談社)、
■(読了)「ハッピーロンリーウォーリーソング」枡野浩一、角川文庫、2001
■(読了)「ルドルフとイッパイアッテナ」斉藤洋、講談社、1987
■(読了)「ルドルフともだち ひとりだち」斉藤洋、講談社、1988
■(読了)「ルドルフと いくねこ くるねこ」斉藤洋、講談社、2002
■(読了)「メモの技術」中野不二男、新潮選書、1997
■(読了)「最悪」ひちわゆか、BBN(ビブロス社)、2002
■(読了)「あさきゆめみし」1〜5巻、大和和紀、KCコミックス(講談社)、
■(読了)「ハッピーロンリーウォーリーソング」枡野浩一、角川文庫、2001
■(読了)「ルドルフとイッパイアッテナ」斉藤洋、講談社、1987
■(読了)「ルドルフともだち ひとりだち」斉藤洋、講談社、1988
■(読了)「ルドルフと いくねこ くるねこ」斉藤洋、講談社、2002
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「白衣とダイヤモンド」 4月月間集計
2002年5月1日■(読了)「白衣とダイヤモンド」榊花月、キャラ文庫(新書館)、2002
つきあっているモデルの柳との関係がうまくいっていない高校生の誓也は、ひょんなところで助けられた開業医の鹿野に付きまとうようになる。やがて鹿野が、医療事故に係って大学病院を追われたことを知る。
榊花月は、誰かを好きな気持ちがストレートに受け入れられないジリジリ感を書かせるともうタマラナイものがあるのですが、この話も、誓也が柳との関係に行き詰まりを感じながら、ふいに現れた大人の男性に少しずつ惹かれていくのにそれをなかなか意識できないは、自覚しても告白できないは、告白しても振られるは、というジリジリ感がとてもよかったです。(一度は)振られたシーンでは、こう胸がキュッと切なくなっちゃうんですよねー。
柳がでてきたときには、榊花月の真骨頂・三角関係のグチャグチャ話か?!とワクワクしたのですが、柳はあっさりリタイア。そのへん、キャラ仕様なのかしら。
どうもこの作家は、ものごとをストレートに表現することをあえて避けているようなところがあって、搦め手からの描写を理解するのにちょっと苦労したりもするのですが、それがなくなっちゃうと榊花月じゃないって気もするしな。
それにしても、白泉社で放り出されているあのシリーズやこのシリーズのつづきを、早くどうにかしてください(懇願)。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4月に読んだ本:計12冊(マンガ除く)
【小説・一般】
ミステリ4冊(日本・3、翻訳・1)
その他一般1冊
ノンフィクション2冊
【ライトノベル】
児童2冊
ライトノベル1冊
BL2冊
【マンガ】
マンガ7冊
公約(?)どおりに一般書も読んでみたんですが、あからさまに、その分全体の読書量が減りました。だって、ノンフィクションって読むのに時間かかるんですもん(居直り)。
ま、来月はすでに読む本が12冊も山積しているので(汗)、端からサクサク片付けましょう。
―――――――――――――――――――――――
そしてさらに。ずーっとまえにAmazonで頼んでいたのに、1冊だけ入荷されないまま待たされつづけた挙句、入荷済みのものだけ先にお届けしてくれる、というメールが着ました。
△(購入)「囁く血―エロティック・ホラー」 ¥667
△(購入)「スモールg(ジー)の夜」P.ハイスミス、¥699
今となっては、なぜこの本を買う気になったのか、不明になってしまった……。
さあ、本が来てのお楽しみだわっ(半ば自虐/涙)。
つきあっているモデルの柳との関係がうまくいっていない高校生の誓也は、ひょんなところで助けられた開業医の鹿野に付きまとうようになる。やがて鹿野が、医療事故に係って大学病院を追われたことを知る。
榊花月は、誰かを好きな気持ちがストレートに受け入れられないジリジリ感を書かせるともうタマラナイものがあるのですが、この話も、誓也が柳との関係に行き詰まりを感じながら、ふいに現れた大人の男性に少しずつ惹かれていくのにそれをなかなか意識できないは、自覚しても告白できないは、告白しても振られるは、というジリジリ感がとてもよかったです。(一度は)振られたシーンでは、こう胸がキュッと切なくなっちゃうんですよねー。
柳がでてきたときには、榊花月の真骨頂・三角関係のグチャグチャ話か?!とワクワクしたのですが、柳はあっさりリタイア。そのへん、キャラ仕様なのかしら。
どうもこの作家は、ものごとをストレートに表現することをあえて避けているようなところがあって、搦め手からの描写を理解するのにちょっと苦労したりもするのですが、それがなくなっちゃうと榊花月じゃないって気もするしな。
それにしても、白泉社で放り出されているあのシリーズやこのシリーズのつづきを、早くどうにかしてください(懇願)。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
4月に読んだ本:計12冊(マンガ除く)
【小説・一般】
ミステリ4冊(日本・3、翻訳・1)
その他一般1冊
ノンフィクション2冊
【ライトノベル】
児童2冊
ライトノベル1冊
BL2冊
【マンガ】
マンガ7冊
公約(?)どおりに一般書も読んでみたんですが、あからさまに、その分全体の読書量が減りました。だって、ノンフィクションって読むのに時間かかるんですもん(居直り)。
ま、来月はすでに読む本が12冊も山積しているので(汗)、端からサクサク片付けましょう。
―――――――――――――――――――――――
そしてさらに。ずーっとまえにAmazonで頼んでいたのに、1冊だけ入荷されないまま待たされつづけた挙句、入荷済みのものだけ先にお届けしてくれる、というメールが着ました。
△(購入)「囁く血―エロティック・ホラー」 ¥667
△(購入)「スモールg(ジー)の夜」P.ハイスミス、¥699
今となっては、なぜこの本を買う気になったのか、不明になってしまった……。
さあ、本が来てのお楽しみだわっ(半ば自虐/涙)。
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「ケータイのなかの欲望」
2002年4月30日■(読了)「ケータイのなかの欲望」松葉仁、文春新書、2002
携帯電話の初期から次世代までを、社会へ与えた影響とともに概観する。
話自体はとても興味が引かれる話題満載で、面白かったです。たとえば、麻薬密売人から、覚せい剤とともに携帯電話も押収された、というのも、携帯電話に顧客情報が入ったものが数百万円で取引されるから、などというのはなるほどなと思わせるものがあります。あと、携帯電話でパチンコ台のROMを誤作動させることができる、とか。イリジウム(覚えてます?)失敗の原因なんかも書かれてます。
でもね。なんか、新書を読んでいるというよりも、ちょっと真面目な雑誌の特集記事をまとめたものを読んでいる気になったのはなぜだろう。わたしにとっては新書といえば老舗の岩波・固い中公・ちょっとやわらかい講談社現代新書あたりがスタンダードで、なんというか、「知の最前線の研究者が、一般向けに分かりやすく書いた学術もの」というイメージがあるんです。でも、これはどちらかといえばジャーナリスト視点で、なんか、わたしイメージの新書らしくない。
一昨年あたりでしたか、なぜか新書の新創刊が相次いだ時期がありましたが、そのころのNEW新書ってみんなこんな感じですよね。……「新書」形態にする意味ってあったのかな?
携帯電話の初期から次世代までを、社会へ与えた影響とともに概観する。
話自体はとても興味が引かれる話題満載で、面白かったです。たとえば、麻薬密売人から、覚せい剤とともに携帯電話も押収された、というのも、携帯電話に顧客情報が入ったものが数百万円で取引されるから、などというのはなるほどなと思わせるものがあります。あと、携帯電話でパチンコ台のROMを誤作動させることができる、とか。イリジウム(覚えてます?)失敗の原因なんかも書かれてます。
でもね。なんか、新書を読んでいるというよりも、ちょっと真面目な雑誌の特集記事をまとめたものを読んでいる気になったのはなぜだろう。わたしにとっては新書といえば老舗の岩波・固い中公・ちょっとやわらかい講談社現代新書あたりがスタンダードで、なんというか、「知の最前線の研究者が、一般向けに分かりやすく書いた学術もの」というイメージがあるんです。でも、これはどちらかといえばジャーナリスト視点で、なんか、わたしイメージの新書らしくない。
一昨年あたりでしたか、なぜか新書の新創刊が相次いだ時期がありましたが、そのころのNEW新書ってみんなこんな感じですよね。……「新書」形態にする意味ってあったのかな?
バカじゃん?
2002年4月29日△(購入)「ProFile100 Vol.4 ワイルド・ベタ&小型グーラミィ総論」ピーシーズ刊、2001
△(購入)「白衣とダイヤモンド」榊花月、キャラ文庫(新書館)、2002
うわー、1年ぶり?の榊花月の新刊だ! しかも書き下ろしだ! いまの榊花月の文章がどんな風に変わっているのか、どきどきもんですな。
そして、ワイルド・ベタ(東南アジア原産の小型淡水熱帯魚の野生種)。いや、本当はこれを買おうと思ったわけではなくて、ヤドクガエルの飼い方の載っている本を探していたんですが、見つからなくって、つい……。いやいや、別にこの期におよんでカエルにまで手を出そうと思っているわけでもなく。資料本っす。
ちなみに、ここを読んでいるだろうベタ・キーパーのHさんへ。今年のADA(アクアリウム用品メーカー)のカタログ(¥0)はメッチャかっこいいので、熱帯魚屋へ行くついでがあったらぜひ入手するように。ほとんど水草水槽写真集です。
■(読了)「ケータイのなかの欲望」松葉仁、文春新書、2002
感想は後日。
△(購入)「白衣とダイヤモンド」榊花月、キャラ文庫(新書館)、2002
うわー、1年ぶり?の榊花月の新刊だ! しかも書き下ろしだ! いまの榊花月の文章がどんな風に変わっているのか、どきどきもんですな。
そして、ワイルド・ベタ(東南アジア原産の小型淡水熱帯魚の野生種)。いや、本当はこれを買おうと思ったわけではなくて、ヤドクガエルの飼い方の載っている本を探していたんですが、見つからなくって、つい……。いやいや、別にこの期におよんでカエルにまで手を出そうと思っているわけでもなく。資料本っす。
ちなみに、ここを読んでいるだろうベタ・キーパーのHさんへ。今年のADA(アクアリウム用品メーカー)のカタログ(¥0)はメッチャかっこいいので、熱帯魚屋へ行くついでがあったらぜひ入手するように。ほとんど水草水槽写真集です。
■(読了)「ケータイのなかの欲望」松葉仁、文春新書、2002
感想は後日。
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机の横に本の山脈
2002年4月28日□(読み中)「ケータイのなかの欲望」松葉仁、文春新書、2002
最近更新してなかったのは、これがなかなか読み進まなかったから。そのくせ図書館に2冊返却に行って新たに4冊借りてきてしまう。計算できないんじゃない?
△(図書館)「取引」真保裕一、講談社文庫、1995
△(図書館)「警視庁心理捜査官」黒崎視音、徳間書店、2000
△(図書館)「これからの図書館 21世紀・知恵創造の基盤組織」大串夏身、青弓社、2002
△(図書館)「メモの技術 パソコンで「知的生産」」中野不二男、新潮選書、1997
ちなみに以下の本を貸出延長。
△(図書館)「興奮 競馬シリーズ」ディック・フランシス、ハヤカワ文庫HM、1976
そして、先週、姉(の息子)から以下の3冊を借りていたことを書いてなかった。
△(借り受け)「ルドルフとイッパイアッテナ」斉藤洋、講談社、1987
△(借り受け)「ルドルフともだち ひとりだち」斉藤洋、講談社、1988
△(借り受け)「ルドルフと いくねこ くるねこ」斉藤洋、講談社、2002
さらに、勢いに委せて頼んでいたAmazonから、以下の本が出荷されたとメール来着。
△(購入)「漢詩入門 」¥740
△(購入)「ハッピーロンリーウォーリーソン グ」¥648
△(購入)「家族のなかの孤独―対人関係のメ」 ¥2,500
△(購入)「マクドナルドの「接客サービス」 ¥1,500
そのくせ、今日の新聞書評欄を読んで、中島敦「李陵・山月記」を読みたくなったり。
……アタシって、阿呆?(天を仰ぐ)
最近更新してなかったのは、これがなかなか読み進まなかったから。そのくせ図書館に2冊返却に行って新たに4冊借りてきてしまう。計算できないんじゃない?
△(図書館)「取引」真保裕一、講談社文庫、1995
△(図書館)「警視庁心理捜査官」黒崎視音、徳間書店、2000
△(図書館)「これからの図書館 21世紀・知恵創造の基盤組織」大串夏身、青弓社、2002
△(図書館)「メモの技術 パソコンで「知的生産」」中野不二男、新潮選書、1997
ちなみに以下の本を貸出延長。
△(図書館)「興奮 競馬シリーズ」ディック・フランシス、ハヤカワ文庫HM、1976
そして、先週、姉(の息子)から以下の3冊を借りていたことを書いてなかった。
△(借り受け)「ルドルフとイッパイアッテナ」斉藤洋、講談社、1987
△(借り受け)「ルドルフともだち ひとりだち」斉藤洋、講談社、1988
△(借り受け)「ルドルフと いくねこ くるねこ」斉藤洋、講談社、2002
さらに、勢いに委せて頼んでいたAmazonから、以下の本が出荷されたとメール来着。
△(購入)「漢詩入門 」¥740
△(購入)「ハッピーロンリーウォーリーソン グ」¥648
△(購入)「家族のなかの孤独―対人関係のメ」 ¥2,500
△(購入)「マクドナルドの「接客サービス」 ¥1,500
そのくせ、今日の新聞書評欄を読んで、中島敦「李陵・山月記」を読みたくなったり。
……アタシって、阿呆?(天を仰ぐ)
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「蛇頭 スネークヘッド」
2002年4月23日■(読了)「蛇頭 スネークヘッド」莫邦富、新潮文庫、1999
いったん挫折したこの本ですが、予想通り、タイ・ルートによる密航はとてもスリリングで、そのまま最後まで勢いで読みました。結局最大の問題は、日本が不況で失業率5%越えているのに、単純労働につく人間がいなくて不法就労者に頼らざるを得ないところなんでしょうね。まあ、雇うほうとしても不法就労者のほうが低賃金で働いてくれる、という積極的な理由もあるでしょうが。自分自身に問い掛けても、もしいま失業して食うに困る状況になったとき、単純労働で耐えられるか、って考えると、一概にどちらも責められなくなってしまう。
○(書評チェック)
「植物はなぜ5000年も生きるのか」 鈴木英治、講談社ブルーバックス
「図説 奇形全書」 マルタン・モネスティエ、原書房
「平成新選100人一首」宇野精一編、文芸春秋、1333円
いったん挫折したこの本ですが、予想通り、タイ・ルートによる密航はとてもスリリングで、そのまま最後まで勢いで読みました。結局最大の問題は、日本が不況で失業率5%越えているのに、単純労働につく人間がいなくて不法就労者に頼らざるを得ないところなんでしょうね。まあ、雇うほうとしても不法就労者のほうが低賃金で働いてくれる、という積極的な理由もあるでしょうが。自分自身に問い掛けても、もしいま失業して食うに困る状況になったとき、単純労働で耐えられるか、って考えると、一概にどちらも責められなくなってしまう。
○(書評チェック)
「植物はなぜ5000年も生きるのか」 鈴木英治、講談社ブルーバックス
「図説 奇形全書」 マルタン・モネスティエ、原書房
「平成新選100人一首」宇野精一編、文芸春秋、1333円
「スマリの森」
2002年4月22日■(読了)「スマリの森」遠藤淑子、花とゆめコミックス
アルビノのキタキツネ、スマリは仲間と離れてひとりで森に住んでいる。彼を慕う3匹の弟たちや他の動物たちとの交わりの中で、自然の掟や定めについて考えていく、ほのぼの擬人化動物マンガ。
読後、すごーくしみじみしてしまいます。ひとりで生きていかなければならないスマリの、運命に対する達観と、だからこそ他人の弱さを思いやれる強さって、いいなあ。
それにしても、遠藤淑子は久しぶりに読んだんですが、あいかわらず絵はうまくなってないですね。といっても、絵の上手い遠藤淑子はもう遠藤淑子じゃないよな、っていうか。
でも動物はメッチャうまいです。表紙のスマリの横顔とか、各話の扉とか、すごくいい。
なんというか、絵が上手いのに同じデフォルメで動物がかけない漫画家はどうかと思うけど、人物はすごいデフォルメかかっているのに動物は上手い、っていうのもあるのね……。
△(購入)「スマリの森」遠藤淑子、花とゆめコミックス
△(購入)COSMOPOLITAN5月号、集英社
買ったことなかったのに、特集「女30歳、今後生きていくのにいくらかかる?」というコピーに、表紙が川原亜矢子なのにもかかわらず即購入(汗)。
なんであの女優さんは、あんなに訴える感情の少ない表情しかできないのでしょう。なんだか、CGのリアルなキャラクタを見ているようで、気分悪くなるのはわたしだけ?
でもそれを言うと、某大手百貨店で1年間キャンガルをしていた藤原紀香の販促ポスターも、正直苦痛でした。ターミナル駅のコンコースにべたべた貼ってあったのですが、あまりに存在感が希薄なもので、はじめ、どこぞの名もない広告モデルだと思ってました。
あんまり容姿が整いすぎていると人間味がカメラに写ってこなくなっちゃうのかなあ……。
アルビノのキタキツネ、スマリは仲間と離れてひとりで森に住んでいる。彼を慕う3匹の弟たちや他の動物たちとの交わりの中で、自然の掟や定めについて考えていく、ほのぼの擬人化動物マンガ。
読後、すごーくしみじみしてしまいます。ひとりで生きていかなければならないスマリの、運命に対する達観と、だからこそ他人の弱さを思いやれる強さって、いいなあ。
それにしても、遠藤淑子は久しぶりに読んだんですが、あいかわらず絵はうまくなってないですね。といっても、絵の上手い遠藤淑子はもう遠藤淑子じゃないよな、っていうか。
でも動物はメッチャうまいです。表紙のスマリの横顔とか、各話の扉とか、すごくいい。
なんというか、絵が上手いのに同じデフォルメで動物がかけない漫画家はどうかと思うけど、人物はすごいデフォルメかかっているのに動物は上手い、っていうのもあるのね……。
△(購入)「スマリの森」遠藤淑子、花とゆめコミックス
△(購入)COSMOPOLITAN5月号、集英社
買ったことなかったのに、特集「女30歳、今後生きていくのにいくらかかる?」というコピーに、表紙が川原亜矢子なのにもかかわらず即購入(汗)。
なんであの女優さんは、あんなに訴える感情の少ない表情しかできないのでしょう。なんだか、CGのリアルなキャラクタを見ているようで、気分悪くなるのはわたしだけ?
でもそれを言うと、某大手百貨店で1年間キャンガルをしていた藤原紀香の販促ポスターも、正直苦痛でした。ターミナル駅のコンコースにべたべた貼ってあったのですが、あまりに存在感が希薄なもので、はじめ、どこぞの名もない広告モデルだと思ってました。
あんまり容姿が整いすぎていると人間味がカメラに写ってこなくなっちゃうのかなあ……。
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「樹上の銀 闇の戦い4」
2002年4月21日■(読了)「樹上の銀 闇の戦い4」スーザン・クーパー、評論社
実を言うと、中学時代にハマっていたこのシリーズを再読するにあたって、最終巻であるこの4巻については内容をほとんど思い出せなかった。なんでかなあ、と不思議だったのですが、読んでみて解明。
いまいち面白くなかったからだわ。
これまでも、RPG的な、「暗号を読み解いて宝物を得る」というパターンで進んではいたのですが、今回の、とくに3章は、ウィルとブラァンが現実にはない架空の国でこれをやっちゃうので、まるっきり夢物語的になってしまって「萎える」。しかも、一般人への記憶操作がこの巻ではいよいよはなはだしく、夢オチと変わらない割り切れなさが残る。
とはいえウィルくんは<古老>ゆえにすべてを忘れて平和に暮らすことは許されず、結局<古老>として生きていかねばならないところが切なくっていいわぁ。
いままでの巻でドルー3兄妹の真中、ジェーンとウィルはそこはかとなく淡い感情を交換していたのですが、突然現れたブラァンってば、ウィルに向かってジェーンを美人だというわ、最後にこっそりジェーンに贈り物をするわ、ウィルがぼんやりしている間にニヒルな元王子にかっ攫われそうで心配です。(この人たち、12歳なんですけど……)
実を言うと、中学時代にハマっていたこのシリーズを再読するにあたって、最終巻であるこの4巻については内容をほとんど思い出せなかった。なんでかなあ、と不思議だったのですが、読んでみて解明。
いまいち面白くなかったからだわ。
これまでも、RPG的な、「暗号を読み解いて宝物を得る」というパターンで進んではいたのですが、今回の、とくに3章は、ウィルとブラァンが現実にはない架空の国でこれをやっちゃうので、まるっきり夢物語的になってしまって「萎える」。しかも、一般人への記憶操作がこの巻ではいよいよはなはだしく、夢オチと変わらない割り切れなさが残る。
とはいえウィルくんは<古老>ゆえにすべてを忘れて平和に暮らすことは許されず、結局<古老>として生きていかねばならないところが切なくっていいわぁ。
いままでの巻でドルー3兄妹の真中、ジェーンとウィルはそこはかとなく淡い感情を交換していたのですが、突然現れたブラァンってば、ウィルに向かってジェーンを美人だというわ、最後にこっそりジェーンに贈り物をするわ、ウィルがぼんやりしている間にニヒルな元王子にかっ攫われそうで心配です。(この人たち、12歳なんですけど……)
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「ウイニング・ラン」
2002年4月20日■(読了)「ウイニング・ラン」ハーラン・コーベン、ハヤカワ文庫HM、2002
マイロン・ボライターという、元NBAの選手だったがケガで選手生命を断たれたスポーツ・エージェントが、様々なプロ・スポーツ界で起こる事件に巻き込まれるが、相棒の金持ちサイコ・ヤッピーや元女子プロレスの人気者とともに解決していくライト・ハードボイルドのシリーズ最新刊。
今回は、マイロンの元恋人の子どもが難病にかかり、行方不明になった骨髄移植のドナー探索を頼まれ、あわせてその子どもの父親がマイロンだと明かされる。
すごかった。ミステリとしても厚いし、サスペンスとしてもハラハラさせるし、なにより主人公マイロンが、父親との関係、また隠し子との関係を、自分の中で消化していく過程も読ませる。も、最高! と叫びたいっす。
で、以下は本編とはなんの関係もない、邪眼もちの感想ですが。ちょっとネタばれかもしれないので、これから読むのをを楽しみにしているかたは読まないでくださいませ。
マイロンは人工受精のために病院で射精するときに、「イマジネーションがまちがった方向へ進」んだそうなんですが、どういうイマジネーションが働いたんだ、マイロン〜(汗)。いや、その直前に、とある男性から「きみのせいでわたしは、自分が男でないように感じた」とかいわれてすくみ上がっちゃうし、病院の射精用の部屋で、専用の回転椅子(なぜ回転?/笑)でこれまで射精したであろう何百人の男性を想像して、その椅子を使うのを止めちゃうし(あ、それだけなら構わなかったんですが、その直後にイマジネーションがまちがっちゃうってドウイウコト?!)。
著者のコーベンが、この巻の後はこのシリーズを書いていないと聞いて、はじめはシリーズが終わるのかと寂しかったんですが、こういう終わり方だったらこの後は読み手の想像に委せてくれてゼンゼンおっけーだ!(笑/ウソ、やっぱり続きを早く読みたいです〜)
マイロン・ボライターという、元NBAの選手だったがケガで選手生命を断たれたスポーツ・エージェントが、様々なプロ・スポーツ界で起こる事件に巻き込まれるが、相棒の金持ちサイコ・ヤッピーや元女子プロレスの人気者とともに解決していくライト・ハードボイルドのシリーズ最新刊。
今回は、マイロンの元恋人の子どもが難病にかかり、行方不明になった骨髄移植のドナー探索を頼まれ、あわせてその子どもの父親がマイロンだと明かされる。
すごかった。ミステリとしても厚いし、サスペンスとしてもハラハラさせるし、なにより主人公マイロンが、父親との関係、また隠し子との関係を、自分の中で消化していく過程も読ませる。も、最高! と叫びたいっす。
で、以下は本編とはなんの関係もない、邪眼もちの感想ですが。ちょっとネタばれかもしれないので、これから読むのをを楽しみにしているかたは読まないでくださいませ。
マイロンは人工受精のために病院で射精するときに、「イマジネーションがまちがった方向へ進」んだそうなんですが、どういうイマジネーションが働いたんだ、マイロン〜(汗)。いや、その直前に、とある男性から「きみのせいでわたしは、自分が男でないように感じた」とかいわれてすくみ上がっちゃうし、病院の射精用の部屋で、専用の回転椅子(なぜ回転?/笑)でこれまで射精したであろう何百人の男性を想像して、その椅子を使うのを止めちゃうし(あ、それだけなら構わなかったんですが、その直後にイマジネーションがまちがっちゃうってドウイウコト?!)。
著者のコーベンが、この巻の後はこのシリーズを書いていないと聞いて、はじめはシリーズが終わるのかと寂しかったんですが、こういう終わり方だったらこの後は読み手の想像に委せてくれてゼンゼンおっけーだ!(笑/ウソ、やっぱり続きを早く読みたいです〜)
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ウィルのけなげさはウィンのサイコ度に負けた……
2002年4月18日△(購入)「ウィニング・ラン」ハーラン・コーベン、ハヤカワ文庫HM、2002
やっと出たー! 待望のマイロン・ボライターシリーズ最新刊。本当は「樹上の銀」を読んでいたんですが、つい浮気してこちらに手を出す(汗)。
やっと出たー! 待望のマイロン・ボライターシリーズ最新刊。本当は「樹上の銀」を読んでいたんですが、つい浮気してこちらに手を出す(汗)。
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「麦の海に沈む果実」「聖なる黒夜」
2002年4月16日■(読了)「麦の海に沈む果実」恩田陸、講談社、2000、1,800
周囲から孤立した中高一貫私学の学園で生徒が失踪する。時期はずれの転入生、学園に言い伝えられる伝説、謎めいた生徒たちの1年間の物語。
ミステリ、というよりは「不思議な」物語。ぜったいあり得ない設定でリアリティのないキャラクタがあいまいな、けれども美しい言葉で謎を追う、なんて、はたから聞いたら「ケッ」と思うようなあらすじなのに、そのあいまいな感じに引き込まれて、ついつい1日で読み通してしまいました。「三月は深き紅の淵を」(講談社)の4話目と、2/21に感想を書いたミステリ・アンソロジーの中の短編とリンク。思わずアンソロジーを引っ張り出して恩田陸だけ読み直してしまいました。
■(読了)「聖なる黒夜」第21回、柴田よしき、KADOKAWAミステリ2002年5月号
今回は……、前回出来上がった二人のピロートークだけでした(汗)。いや、シヤワセそうでいいんですが。
周囲から孤立した中高一貫私学の学園で生徒が失踪する。時期はずれの転入生、学園に言い伝えられる伝説、謎めいた生徒たちの1年間の物語。
ミステリ、というよりは「不思議な」物語。ぜったいあり得ない設定でリアリティのないキャラクタがあいまいな、けれども美しい言葉で謎を追う、なんて、はたから聞いたら「ケッ」と思うようなあらすじなのに、そのあいまいな感じに引き込まれて、ついつい1日で読み通してしまいました。「三月は深き紅の淵を」(講談社)の4話目と、2/21に感想を書いたミステリ・アンソロジーの中の短編とリンク。思わずアンソロジーを引っ張り出して恩田陸だけ読み直してしまいました。
■(読了)「聖なる黒夜」第21回、柴田よしき、KADOKAWAミステリ2002年5月号
今回は……、前回出来上がった二人のピロートークだけでした(汗)。いや、シヤワセそうでいいんですが。
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はじめは面白かったんだけど……
2002年4月15日▼(中断)「蛇頭 スネークヘッド」莫邦富、新潮文庫、1999
中国からのさまざまな密出国ルートを経営するスネークヘッド(老板/ラオパン)の話をまとめているんですが、どのルートも似た話の繰り返しなので、日本ルート、東ヨーロッパルート、モスクワルートまで読んだ時点でちょい挫折(汗)。次のタイルートはまた雰囲気違ってきそうなので、チャレンジはするつもり。
中国からのさまざまな密出国ルートを経営するスネークヘッド(老板/ラオパン)の話をまとめているんですが、どのルートも似た話の繰り返しなので、日本ルート、東ヨーロッパルート、モスクワルートまで読んだ時点でちょい挫折(汗)。次のタイルートはまた雰囲気違ってきそうなので、チャレンジはするつもり。
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