バンクーバーオリンピックを前にして出ました、フィギュアスケートものBL!
しかも上下巻!!

どうやら作者はそうとうフィギュアファンらしく、現実を思い起こさせるエピソードがこれでもかと盛り込まれ、競技の描写も詳細で、まるでBLでない普通のフィギュアスケート・ライトノベルを読んでいるかと錯覚させるような話の合い間に、主人公のフリークなヤクザとの恋愛が絡むという盛りだくさんな内容。
しかも巻末に主人公の演技のプロトコル(採点表)まで載ってるよ! もうオタクとしかいいようのない凝り様に、作者の愛を感じました。

そんなわけで恋愛部分はさておき(<あっ)フィギュア部分が大変おもしろかった本作ですが、あえてひと言言わせていただければ、作者のフィギュアスケートへの愛が強すぎて、リアルなフィギュアスケートからあまり踏み外せなかったところがチト惜しかったです。
どうせBLなんだから、もっと素っ頓狂な技とかやっちゃってもよかったのに~。
それと、せっかくヤクザサイドの事件とオリンピックが絡むのなら、いっそラッセル・ブランドン「ウィンブルドン」のような時間制限ものサスペンスの要素も盛り込んだらすごい傑作になっていたのに。本当に惜しい。

でも、BLとしては十分楽しめました。
そんなわけで昨日見た映画「パブリック・エネミーズ」には言いたいことがゴマンとあるのだけれど、それはさておき。

劇中で”Bye Bye, Blackbird”という歌が象徴的に使われていました。
これ、以前DVDで見た「ヒストリー・ボーイズ」という映画の中でも印象的な使われ方をしていて、よく覚えていたのでした。
http://yogiribook.diarynote.jp/200906141250571015/

てっきり童謡とか、昔から歌われている民謡の類かと思っていたら、1930年代に流行ったジャズだそうで、マイルス・デイビスとかジョン・コルトレーンなんかの演奏が有名のよう。
劇中では女性ボーカル、ヒストリー・ボーイズでは男性コーラスで、それぞれ味わい深かったのだけれど、そういう「いろんな人がいろんな風に歌っている”Bye Bye, Blackbird”のアルバム」があったらいいな~。
※ちなみに画像は間違いです(笑)。

劇場鑑賞券が当たったのですが、ネットで感想を読んでいるとどうもおもしろくなさそう?と思ってなかなか行く気になれなかったら、そろそろ公開が終わってもおかしくない時期になってしまい、慌てて見に行きました。

デイヴィッド・ウェンハムは相変わらずいい声をしていました。以上。

ってか、ただで見ておいてなんですが、私の2時間40分を返せ!と心から思った……。
うっかり途中で眠ってしまった間にウェンハムの出番が終わっちゃったじゃないかー(涙)。
ギャング映画にそれほど造詣が深いわけではないですが、これならヒース・レジャーとオーランド・ブルームが共演した豪映画「ケリー・ザ・ギャング」のほうが100万倍おもしろいと思いました。
あーあ……。
忘れないうちに記録だけ。

ドリュー・バリモアは美人過ぎないところがリアリティあってよかった。
継母の、複雑な内面と戯画化された演技の両立がすばらしかった。
王子……ま、ディズニーの王子らしい個性のなさでよろしいかと?
先日読んだロマンチック時間SFアンソロジーで火がついて、うっかりその系統の本を数冊まとめてぽちっといってしまいました。
その1冊。
表題作と、「それゆえに愛は戻る」の2本立て。

両作とも、あまり売れない芸術家の「ぼく」と、不思議な女性とが、超自然的な現象により出会い、別れていく話。
前者はNY、後者はカリフォルニアの海岸が舞台だけれど、どちらも繊細な筆致で自然を描き出しているので、静かに物語は進み、また超自然的な現象の理屈を説明しないで、深い余韻を残して終わります。

ゆったりと話は進むので途中気持ちが離れることもあったし、御伽噺のような物語なので結末の予想を立てると、実は意外な結末だったりして、それも余韻に一役買っています。でも、意外だ、と思うのは、このおっとりした文章のなかに上手くミスリードさせる要素が紛れ込んでいるからかもしれません。

もしかするとSFの範疇には入らず、ファンタジーになるのかもしれないけれど、こういう表現もあるのだなぁと思いました。

そういえば、ジェニーの肖像は映画にもなっているそうです。
過去10年の興行収入、最高額の女優はエマ・ワトソンさん(CNN.co.jp)

ロンドン(CNN) 2000年からの10年間で、出演した映画の興行収入が最も高額だった女優は、人気映画「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニー役で知られるエマ・ワトソンさんと認定された。英ギネス・ワールド・レコーズがこのほど発表した。
(中略)
男性では、「ロード・オブ・ザ・リング」「パイレーツ・オブ・カリビアン」などの人気シリーズに出演したオーランド・ブルームさんが、計70億ドル(約6300億円)を上回る興行収入でトップに立った。


……そりゃ働く気が起きないのも当然かもしれないが(悌泣)。
百人一首まんが「ちはやふる」は読んだことがないのですが、同じ作者によるこの漫画は、近所のオタクフレンドリーな書店で最初の数ページを試し読みできるようになっていて、なにかほのぼのしたので購入。

イケメン兄弟の営む町の高級ショコラティエ。ここのチョコを食べると恋が実る、と言われていて、その店に集う人々を主人公にした短編オムニバス。
ほっとしみじみする話が多くて、癒されました~。
秋林さん別宅の紹介文に惹かれて購入。
アメリカ東部のゲイフレンドリーな高校に通う2年生の主人公(ゲイ)が、転校生と恋に落ちたり友だちとケンカしたりプロムの企画をしたりゲイの友だちの両親に誤解されたり、という日常を切り取った青春小説。
主人公のらぶらぶっぷりは微笑ましく読むとして、一番心が動かされたのは、ゲイの友だちが信仰に篤い両親との関係において一歩踏み出すところ。なんだかんだいって成長するわけじゃない主人公よりも、この彼のほうが本当の主人公なんじゃないかと思う。でも、この彼を主人公にしてしまうと重い物語になってしまうところ、ほのぼの主人公に語らせたためにさわやかな印象の小説になっている。
よい話を読みました。
時の娘、といってもジョセフィン・ティではなく、サブタイトルどおり、時間SFかつロマンス小説短編集。
ああ~ロマンスってなんてステキなの!
って昔は舌を噛んでいえなかっただろう台詞を、いまは恥ずかしげもなく言います。
ロマンスってステキ。疲れた心には甘~い甘いロマンスが効く。それは男女でもBLでも同じです。そしてこの本は、短編集なので速攻で甘い気分に浸れる。次々甘いお話が出てくる。
まだ半分しか読んでいないんですが、それでももう大満足♪読み終わるのが惜しい……。

ずっと読みたかったのに、なぜか手を出せないでいたRIKOシリーズのスピンオフ。
友だちが貸してくれたのでようやく、そして久しぶりにまともな小説を読んだ。(クリスマス・カロルは別の意味でまともな小説ですが。)

ほんっとに、すごく、リアリティのある人間が出て来るんだよな。そしてもたつかない文章でぐいぐい先へ引っ張る。おもしろい。

そして、麻生と及川のある意味終わりの見える蜜月。及川の気持ちは涙なしには読めない。

続きの「私立探偵・麻生龍太郎」も借りてるので、続けて読みます。


姉も柴田よしきファンなので、これも薦めようと思うのだけれど、でも、ごくパンピーな姉がこの小説を(というか及川を)どう読むのか、不思議なんだよな……。
この冬ディズニーアニメが公開されるこの話、昔実写映画で見た気がするのだけれど、金貸しのスクルージがクリスマスの夜に3人の幽霊に過去・現在・未来を見せられて改心する話、という基本的な筋しか覚えていなくて、これを機会に村岡花子訳版を読んでみた。

まあ、上に書いた筋がすべてなのだけれど(笑)、ディケンズの、重々しく持って回った(まだるっこしい?)描写が、この単純な寓話を厳粛な物語にしている。

話は違うけれども、やっぱり昔はもっと時間が緩やかに流れていたんだろう、と思う。
情報過多な現代、こんなまだるっこしい書き方をしていたらみんな10ページで投げ出しちゃうだろうな(笑/除高村薫)。

それと、ふと奥付を見たら、初版が昭和27年、私が買ったのは今年の7月の105刷(!)でした。
前作「初恋/トワイライト」で中学生のころの萌えな気持ちを思い出し新鮮な感じを受けたこのシリーズの第2弾が本日公開と言うことで、さっそく見てきました。

相変わらず乙女の萌えポイントを外さないストーリーおよび台詞の数々に、映画館のシートで悶えました(笑)。
1作目では吸血鬼と恋人同士になったのですが、そこで散りばめられていた萌え設定を、今回それぞれ成長させてきた、という感じ。

<萌え設定>
その1■恋人は不老不死なので、吸血鬼にしてくれないとヒロインだけが年を取ってしまう/ヒーローは吸血鬼としての不自由な生き方をヒロインに選ばせたくない、というジレンマ

……ま、最終的にはヒロインの容色が衰えないうちに吸血鬼になるのでしょうが、上のジレンマを乗り越える、吸血鬼にしないとならない決定的な要因を、どう設定するかってのは今後の見所でしょうか。
後は、いかにしてシリーズを終わらせるまでにヒーローの我慢を引っ張るか。
今回は「ヒロインが高校を卒業するまで」という時限装置をセットしましたが。

その2■ヒロインに横恋慕する幼馴染の年下の男の子

前作で張ってた伏線が今回メインになりました。可愛い弟分がいつの間にかマッチョな青年になって、イヌころのようにヒロインに懐いていると思ったら……!! という乙女の願望をストレートに表した当て馬、というか咬ませ犬?
でも、ワンコ系攻が萌えポイントなもので、正直なところ、
「ジェイコブのほうがいいじゃん~!」
と思ってしまうのでした。
とはいえ、ジェイコブが片思いを押し殺してるところが萌えるんですね。
ちょうど、エドワードがヒロインへの食欲を押し殺してるのと同様。

その3■ヒロインを付け狙う強敵美女

前作でヒーローに恋人を殺された、赤毛の大人な美女、ヴィクトリアも不気味ですが、今回、イタリアの古い吸血鬼一族の、ロリ系金髪美少女ジェーンが加わってさらに豪華な敵陣営に。
ジェーン役のダコタ・ファニング、今回ほとんど動きがなくて期待はずれだったなぁ。次回以降活躍するんでしょうけれど、もう少し不気味さ・恐ろしさを出して欲しかったかな。せめて、きっちり結い上げた髪を解いてほしかった。

まあそんなわけで、来年公開予定の第3弾「エクリプス」も非常に楽しみなのでした。


脚本(シナリオ)通りにはいかない!
著者: 君塚 良一
単行本: 287ページ
出版社: キネマ旬報社 (2002/08)
ISBN-10: 487376243X
発売日: 2002/08
http://www.amazon.co.jp/dp/487376243X/


細々とドラマの現場myブーム。
これは、「踊る大捜査線」の脚本家が、古今東西様々な映画のシナリオを、脚本家の視点から読み解くキネマ旬報連載の単行本化。
とてもおもしろかった。物語を、どうやってドラマ(もしくは映画)というパッケージにして商品にしていくか、という過程(の前半、脚本にするまで)がよくわかった。
見ていない映画も多かったので、いくつか見てみようと思う。
そのひとつが、「スウィート・ヒアアフター」。アトム・エゴヤン、ずっと気になってたんだよな。

以前よく見ていた海外ドラマ・映画の二次創作サイトを久々に訪れたら、オリジナルで商業出版されていたことを知りました。(2003年刊。……どれだけ久しぶりだったのか。)
それこそアメリカのゲイミステリのような重厚な話を書く方だったので、いそいそと通販しました。

サイトの小説よりは、濃ゆい翻訳小説っぽさが薄まっていましたが、それにしても普通のBLには収まらない、読み応えのあるBL小説でした。
久しぶりにBL小説を読んだなぁ。それも非常に楽しく。下手をしたらカイシャの昼休みにも読みたくなりそうなくらい。(かろうじて自制した。)

でも、この本以降、単行本は出ていない様子。
まあ、ねえ。コアな(少数の)ファンに熱く支持される系の作風だからなぁ。
でも、こんな作風の作家も生き残れるような懐の深さがBLにあり続けることを期待します。

今年に入って、雑誌に短編を発表されたようなので、何本かたまったらまた単行本にならないかしら? 気長に待ってます。
週末実家に帰って近所の姉の家でおしゃべりしていて、「3月のライオン」の話になった。
まだ読んでない、といったら、甥っ子が3巻貸してくれたので家に帰って一気読みした。

プロとして第1戦で切った張ったの戦いをしている人間の話だったのか。
(いや、プロ棋士の話ということさえ知らなかった……。はちクロは好きだったのに)
そして、同時に人気まんが家である羽海野チカの、プロとしての想いを勝手に深読みした。
ちょっと、いやかなりジンとした。
自分もがんばって働こう!という気になった。(OLだけどさ……)


過去の自分の日記を読み返してましたら、こんな記述がございました。

http://yogiribook.diarynote.jp/200203120000000000/

■「虚飾の果てに」J.M.ウィルスン、ハヤカワ・ミステリ、1999
主人公の大家さんモーリス(ゲイ)が、ハリウッドの住人らしく映画が好きで、そのビデオコレクションとしてゲイ映画が10タイトルほど上がっていまして、「これはチェックいれなきゃ」と思った次第(笑)。
【以下引用】
モーリスがテレビとビデオを指した。《エルネスト─美しき少年─》《モーリス》《犠牲》《アナザー・カントリー》《日曜日は別れの時》《ビクター/ビクトリア》《Mr.レディ Mr.マダム》《パーティング・グランス》《マイ・プライベート・アイダホ》《フィラデルフィア》《ロングタイム・コンパニオン》《ビューティフル・シング》──ゲイの男たちをヒューマンタッチで描いた映画がならんでいる。《ヴェニスに死す》《真夜中のカウボーイ》《パートナーズ》《ディファレント・ストーリー》等々、ゲイを固定観念で捉えているとモーリスが判断した映画やゲイに対する反感が感じられるものはコレクションに入っていない。
【引用以上】
見たことがあるのは2本しかありませんでした。ぬかったわ。


もしかしたら日本未公開の映画の場合、訳者が適当に訳している場合もありえますが、秋林さん、どれだけ見たことがありますか?
うっかり3週間ぶりの更新となりました。
仕事が忙しくて本や映画に手が出なかったのですが、そういう疲れているときって、BLまんがを読みたくなるんですよね~。

「昨日なに食べた?」の4巻とか、大奥5巻とか、山田ユギの新刊とか。あとは書店の試し読みで気になって購入したご新規「兎オトコ虎オトコ」1巻が意外とおもしろくてリピートしてます。

ああ……いつになったら仕事が楽になるのかな(遠い目)。

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