秋林さんのコメントを見て、この映画に興味が湧いて
「今度借りてこよう」と思っていたところ、
本日部屋を片付けたついでにDVDフォルダをぱらぱらっと眺めていたら
この映画、録画してあった(汗)。
見たかどうかは記憶にない……。

なので、掃除をしながらDVDをかけ流して見たので、細かい描写まで見ていない前提ではありますが
アイツBがなんでモリーを(身分違いを乗り越えて)好きになったかに
もうちょっと説得力があると、最後にモリーがアイツBを選ぶのも腑に落ちるのではないかと。
アイツAは、モリーにモーションかけるばかりで健気なのはいいけど
もうちょっとモリーに好きになって貰える努力をしましょう。(笑)

まあでも、モリーは遠くない将来アイツBと別れそうだという秋林さんの意見には賛成。


(モードチェンジ)
っていうか、悪役の、アイツBの親友は、モリーじゃなくてアイツBが好きなんだろ!というのが
BL脳の基本でしょう(笑)。

あと、モリーが男だったらよくあるBLだなぁと思った次第。



パンがなければケーキを食べればいいじゃないの!


チャンスに恵まれない芸能エージェント、ビミー。彼のもとに転がりこんできた天才ボクシング・カンガルー、マチルダは、ひょんなことから世界チャンピオンをKOしてしまった!たちまち新聞社からマフィアまでを巻き込む大騒動が勃発!一匹のカンガルーに夢を賭ける男たち。その奇想天外な冒険とその意外な顛末を、痛快に、そして心優しく描くギャリコの傑作、ついに登場。
ポール・ギャリコ 東京創元社 2000年
http://www.amazon.co.jp/dp/4488194036


やっぱり画像が出ないのである…。

先日突然この本を読み返したくなって文庫本の山をひっくり返したのに見つからず、ふと「最近読んだ本」のコーナーを見たら書店のカバーがかかってた……。
最近読んだことを忘れていたのではなくて、人に貸していたのが最近帰ってきた、ってだけよ!

さらに、以前読んだときにここに感想を書いた気がしたのだけれど、出てこない。
ああ、オンライン・オフラインともになんて整理の悪い。

なので仕方がなくもう一度感想を書くと。
ギャリコの動物小説のいいところは、動物が擬人化されていないところ。あくまで本能に従って生きている動物に、周りの人間たちが様々なものを見、自己を投影し、一発当てようと画策する。
この話でも、マチルダはもともとサーカスで人間相手にボクシングをするカンガルーなのですが、たまたまミドル級世界チャンピオンをのしてしまい、それがきちんと試合の形式に則っていたために「マチルダが現世界チャンピオンだ!」などと言い出した人たちのせいでどんどん話が膨らんでいく。そしてあるとき、マチルダを中心に作り上げられていった仮想の世界が瓦解して現実がぺろんと現れる。
その鮮やかさが、何度読んでもすがすがしく心地いい。

エリートなマフィアのボス(ただし中年)好きにも特にお薦め。
私が新卒で入った会社の職場に、ちょっと変わった先輩がいた。
頭も切れるし仕事もできるのだけれど、話し方が柔らかくて細かいところにいちいち気づく。
周りの先輩たちの、この先輩に対する態度はなにかちょっと変だった。
距離があるわけではないんだけれど、ちょっと違うよね、という態度。
不思議だなぁと思ってた。

ら。

ある日、たまたまこの先輩と2人で一緒に帰ったときに、
「夜霧(仮名)さんさぁ、もしかしたら気づいてるかもしれないけど……」
と切り出された。
「課長や○○さんの態度とか、ちょっとアレ?って思うことなかった?」

今でもあのときのことは周囲の景色まで鮮やかに思い出せる。

「ぼく、ゲイなんだよね……」

つまり、彼はすでに職場でカミングアウトしていたのだった。
で、私はそれにまーーーーったく気づいてなかったので、
周りの話に付いていけてないのを見るに見かねた本人がカミングアウトしてくれたのだった。



そんなわけで、私は秋林さんの見立てには素直に従うことにしています(笑)。
秘密にて。

そうそう、天照さん、気にしてませんよ~。
だいぶお疲れなんだろうなーと思ってました(笑)。
みなさん触れてらっしゃるのでわたしもひと言。
ジョニーたんがシアワセなら、それでよし。

それよりも、サンスポの記事が詳しすぎて笑うw

米フィギュア界のプリンス、ウィアが同性婚!
サンスポ.com 2012.1.5 05:05
http://www.sanspo.com/shakai/news/120105/sha1201050506013-n2.htm

結婚した男子フィギュアスケートのジョニー・ウィア選手(左)とビクトル・ボロノフさん…末永くお幸せに =2011年12月、ニューヨーク (AP)【フォト】

「フィギュアスケートグランプリファイナル2009」で華麗な演技を披露するウィア選手=2009年12月4日、東京都渋谷区の代々木第1体育館

 その中性的な容姿から、熱烈なファンの間で男子フィギュア界の「女形」「ジョニ子」などの愛称で親しまれてきた米国のジョニー・ウィア選手が、やっぱり“男性”と結婚した。

 結婚の相手は、ジョージタウン大学法科大学院修了のロシア人弁護士、ビクトル・ボロノフさん。12月30日にニューヨーク市庁舎で、2人の両親の立ち会いのもと結婚式を挙げた。

 結婚式のあとウィア選手は自身の短文投稿サイト「ツイッター」に、今夏にも改めて友人や家族を招いた結婚披露宴を予定しているとしたうえで、「でも(結婚に必要な)公式なことは全部済ませたよ! もう罪を背負って生きていかなくていいんだ(笑)」と喜びをあらわにした。2日には、ドミニカ共和国に新婚旅行に出発した。

 海外メディアによると、2人は以前からの知り合いで昨年夏頃に再会し、それから“親密な交際”が始まったという。交際約3カ月後の10月末になってウィア選手は、自身のツイッターでボロノフさんからプロポーズされて受諾したことを報告。また、昨年1月に出版された自伝本で「自分は同性愛者である」ことを告白していた。

 ウィア選手は、2010年のカナダ・バンクーバー五輪で6位入賞後、11~12年シーズンの休養を表明。しばらく競技から離れているが、結婚後には練習を再開すると表明。14年のロシア・ソチ五輪を目指すかは、練習再開後に決めたいとしている。

 米国での同性婚は、2004年にマサチューセッツ州で最初に認められ、その後、08年にコネティカット州、09年にアイオワ州、ニューハンプシャー州、バーモント州、11年にニューヨーク州が加わり、50州中、6州となっている。州ではないが、首都のワシントンDCも09年から認めている。

 また、カリフォルニア州では08年6月にいったん同性婚が認められたが、同年11月に住民投票で覆されている。

なんだか放置状態の読書記録ですが、
本当にちゃんと本を読んでいないから書くことがないのです(汗)。
なんだかマンガばっかりでお恥ずかしいですが、最近読んだのは

「坂道のアポロン」(最新刊)
「バルバラ異界」(文庫1巻)

実家で再読した
「幸運男子(ラッキーくん)」
「いつも上天気」
「サンプル・キティ」
などなど90年代初頭のマンガ。

テルマエ・ロマエの4巻は、姉が買っていま甥・姪が読んでいるのでその後私に回ってきます。

映画も観たい作品は数あれど、「映画なんか観てるヒマか?」と自分でセーブしてます。
そんなこと言いながら、時間を作れば観られるような気がするんですが。
そうだ。年末に大掃除しながら「ビフォア・サンライズ」を流し見しました。

今年は、ちゃんとした本をきちんと読み通したいなぁ。
それと、長くて物語がしっかりしたマンガも読みたい。
もっと物語力をつけなければ。

そんなわけで、今年もよろしくお願いします。
twitterで話題になった「#dameBL」タグが遂に実現!
ダメBLとは、なんらかの理由で「ダメ出し」をされ、発表できなかったBL作品のこと。
人気作家たち渾身の「ダメ出しされた作品」が目白押し!


いろんなマンガ家さんのナナメ上行く妄想っぷりに笑いました。
ぜったいに普通じゃ読めないBLばかり。自分がそれに萌えるかどうかはさておき、
「そりゃ(商業誌じゃ)ダメだろう」という作品は、どちらかといえば
古き良きガロとかグレープフルーツとか大昔のWingsとかを彷彿とさせます。
何が出てくるかわからないっぷりがすばらしうございました(笑)。

「子連れオオカミ」の井上佐藤さんの新刊。といっても2ヶ月前に出ていたのにやっと気づいて購入。

とある音響メーカー?を舞台に、タバコを介在して語られる4組のリーマンカップルのオムニバス。
普段、BLは雑誌掲載の制約のために短編集が多くて、読みでがないのでつまらん!と嘆いておりますが、この短編集はいいです!
1篇1篇が凝縮されてて超満足。
スーツの男たちが、気持ちを押し殺して仕事してる姿って萌えるわ~。
えちシーンは麗人仕様なので濃いぃのですが、それよりもこう、まなざしとか仕草がエロいです。

リアリティを追及する井上佐藤さんのこの本の中で一番共感した仕事シーンは、
新人くんが電話をとってがっちがちに緊張して、「はい」と「ええ」が混ざって「へえ」と
言ってしまうところ!
あるある~~~!!
あと、タバコを吸わない人が喫煙所の煙コミュニケーションに軽く嫉妬するところ。
あるあるある~~~!!!!!
これってリーマンやってないと描けない描写だろうなぁと、ホント感心しました。
いつの間に出ていたんだ、というか何年振りよ?の新刊です。

相変わらずの進展のない2人……この人たちホントに最後にはシヤワセになれるのでしょうか?

そして小出しにされてきたひいじいちゃんの謎が少~しだけ明らかになりそう?なところで以下次巻。それ何年後?

あああ、早くも次が待ち遠しいです(涙)。
職場に、定年後再雇用されたおじさんがいるのですが、
今日とつぜん

「夜霧(仮名)さん、B’sってバンドを知ってますか?」

と聞くので(まっさきに秋林さんの顔を思い浮かべながら)知ってますと答えると、

「うちの娘が12月にそのバンドのコンサートに行くというので
昨日チケットが届いたんだけれど、
特別招待券といってね、10人くらいに特別に楽屋に入れてもらえて
写真を撮ったりできるのに当たったらしいんだよ。
そりゃもう悲鳴を上げてよろこんでねぇ」

と、ご自分もうれしそうにおっしゃるのでこちらも和みました♪
警視ジュリーシリーズを着々と読み進めていますが、間の感想をすっ飛ばしているのは、やっぱりこのシリーズはミステリとしてはどうかと思うからです。
本当に、ただ単純にジュリーともう一人の探偵役・元貴族のメルローズ・プラントの仲良しっぷりが楽しくて読み続けているだけなので、感想を書こうとするとそういう感想しか出てこないのです(汗)。
まあそういう点では、「酔いどれ家鴨」亭では2人でハムレットを観に行く約束をしているとか、「エルサレム」亭では眠っているメルローズの寝室にジュリーが入ってきて叩き起こすとか、「跳ね鹿」亭ではメルローズが間一髪ジュリーの命を救うとか、この「五つの鐘と貝殻骨」亭ではジュリーが休暇でメルローズの家(というか邸)に遊びに行くとか、仲良しっぷりもだんだん濃くなってきて楽しい限りです。(注:2人は40代の独身男性です。)

とはいえ、この「五つの鐘と貝殻骨」亭は、ミステリ的にはさておき、読者を宙ぶらりんにさせるサスペンス的な要素が非常に上手くて揺さぶられたので、ちょこっとメモ程度に感想。

(以下、ネタバレ含みます)
事件としては、ある遊び人の男が金持ちだけれど財布の紐を握っている妻に嫌気が差し、妻に顔が似ている愛人を作り彼女と共謀して妻を殺害して愛人が妻に成りすます計画を立てる。ところが男が殺されて発見され、さらに男と同じ夜に殺害されたらしい女が遠くロンドンで見つかる。さて、(1)男が計画通り身元が分からないように妻を殺して、愛人に裏切られて殺害されたのか。(2)愛人が妻と男を両方殺したのか。(3)妻が夫の計画に気づいて2人とも殺したのか。そしてなにより、いま警視の目の前にいる「夫を殺された妻」は本当に妻なのか、妻に成りすました愛人なのか。
(ネタバレ以上)

この著者はもともと詩人だそうなので、雰囲気をとてもいい感じに書き込むのですが、どこか行き当たりばったりというか、論理的でないというか、ミステリのお約束をまるっと無視していて、でもこの話では、はっきり書かない、どっちづかずな曖昧な雰囲気書きが活きていると思います。
雨にけむるデヴォンの森、若い女の死体が見つかった、首をスカーフで締められて。ほぼ1年後、ロンドンのパブ「独り残った先駆け馬丁」亭の前の路上で見つかった若い美女の死体は、やはりスカーフによる絞殺。同じ手口によるふたつの殺人は、偶然か、同一犯人か?おなじみハードボイルド田舎刑事の執念がジュリーを助ける。

ポリー・プレイド、といえば『「鎮痛磁気ネックレス」亭―』でおなじみの女誘推理作家。取材で訪れた小村アッシュダウン・ディーンで村人のペットが次々と殺されるという忌わしい噂を耳にしたとたん,愛猫が行方不明、大慌てで電話ボックスに駆けこむと、そこには老女の死体があった。―かくして、警視ジュリーの登場となる。


ジョブズは技術屋さんじゃなかったから、
文系にもやさしいパソコンやスマホを作れたんだと思う。

ビルGは所詮頭いいからさ(涙)。
シェイクスピアゆかりの地ストラトフォード。「お気に召すまま」観劇のあと、女性観光客が喉を掻っ切られて死んでいた。劇場パンフに走り書きされたソネットの二行に謎が隠されて?

http://www.amazon.co.jp/dp/416727535X/

クリスマスの5日前、警視リチャード・ジュリーは雪に覆われた墓地で会った女性に恋をしてしまう。4日前、謎めいた神父に出会う。3日前、元貴族メルローズ・プラントが到着する。事件の解決に欠かせぬ人物だ。2日前、「エルサレム」亭にてジュリーとプラントが顔を合わせる。そしてクリスマス前日…“パブ・シリーズ”第5作。

http://www.amazon.co.jp/dp/4167275325/

『バスカーヴィル家の犬』の舞台ともなった、荒涼たるダートムアで、三人の子どもが次々とむごたらしく殺された。現地にとんだジュリー警視が出会ったのは、地元警察のサム・スペード気取りのハードボイルド刑事。何かと張り合いながら、二人の視線は旧家アッシュクロフト家の10歳の女相続人ジェシカをめぐって火花を散らす。

毎年秋に新宿・京都・横浜で開催される、ラテン(スペイン・ポルトガル・中南米)映画を紹介する映画祭。
今年も新宿では9/15~19にかけて開催されました。
(公式)http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/

昨年見た映画「セックスとパーティと嘘」の感想
http://yogiribook.diarynote.jp/200909180141156247/

偶然先日読んだ小説を映画化したアルモドバル監督の新作も上映されたのですがあいにく時間が合わず見られませんでした。
結局見たのは以下の4本。

「BLACK BREAD」(西) 感想→http://yogiribook.diarynote.jp/201109220325219505/
「リオ! ブルー初めての空へ」(米・ブラジル) 感想→http://yogiribook.diarynote.jp/201109231351046209/
「プールサイド」(アルゼンチン) 感想→http://yogiribook.diarynote.jp/201109241655483165/
「マルティナの住む街」(西米)

別にソレにこだわるわけではありませんが(嘘)、このうち「プールサイド」は今年のベルリン映画祭でテディ賞(同性愛をテーマにした映画に与えられる賞)を受賞した作品。
また「BLACK BREAD」はスペインのアカデミー賞であるゴヤ賞を総なめにした作品、ということですが、風の噂でこれにもややゲイ風味が、と耳にしたので選びました。
「マルティナの住む街」は、結婚式直前に婚約者に逃げられた男とその従兄弟のダメ男3人が故郷の田舎に傷心旅行に出かける話ということで、「男3人いれば一人くらい」と思って(……そこまでして?)見てみることに。
「リオ!」は、たまたま予告編を見たら私の大好きなジャングルで極彩色の鳥が飛び交う絵が素敵で見てみることにしました。
(米公式)http://www.rio-themovie.com/

これを書いている時点ですでに4本とも鑑賞済みなのですが、4本が4本とも素晴らしい!
これから京都では9/22~、横浜では10/7~やりますので、関心があって見にいける方はぜひ。
このあと、4本それぞれの感想を書いていきます。
プールサイド
監督 : マルコ・ベルヘール
出演 : カルロス・エチェバリア、ハビエル・デ・ピエトロ、アントネラ・コスタ
2011年 / ドラマ / アルゼンチン / 87分
2011年ベルリン国際映画祭テディ賞

高校教師のセバスティアンは、目を怪我したと言う生徒マルティンを病院に連れていく。治療後、車で自宅へ送ろうとするが、マルティンは「家のカギを失くし、親と連絡もとれない」と巧みに嘘をつき、セバスティアンの家へ上がり込む。人目もはばからず、裸で部屋を歩き回るマルティンにセバスティアンは戸惑いを覚えるが…。

怪しげな魅力を放つ16歳の少年と、徐々に彼の虜になっていく高校教師。二人の微妙な距離と心の奥の探り合いを、独特のカメラワークであぶり出す異色の恋愛ドラマ。2011年のベルリン国際映画祭ゲイ&レズビアン映画部門(テディ賞)で見事大賞を受賞した。監督はアルゼンチンの新鋭マルコ・ベルヘール。

予告編 : http://www.youtube.com/watch?v=VpAnldMoR5w
(映画祭サイトより http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/lbff2011/film_d.html


上の解説にある「怪しげな魅力を放つ」というのはちょっと言いすぎ(苦笑)。
マルティンは、どこにでもいそうなごく普通の男子高校生です。映画の冒頭で少年の身体の各部がどアップで映し出されるのですが、足の指に生えている毛まで(汗)はっきり映されて、しょっぱなから「ああ、美少年に中年男性が惑わされる話じゃないのね」と思い知らされます。

一方の中年教師も、男子高校生がうっかり惑ってしまうようなオヤジの色気のイの字もない、ただの草臥れたオヤジです。毛髪も心もとないし、体育教師だけれど身体が出来てるわけでもない。
少年がなぜ、この教師が気になり始めるのかは描かれず、ただ、気になって気になって仕方がなくて、下手なウソを吐いてなんとか先生の家に泊めてもらうまでが前半。
先生としては、男子生徒とはいえ未成年を家に泊めるのはバレると大変なことになるので、付き合っている彼女に「一緒に泊まってよ」と電話するのですが、バリキャリの彼女には断られる。
教師も「どうもおかしい」と思いながら何がおかしいのか分からないまま、不安な夜を迎えるのですが、
この前半部分のBGMがまるでホラー映画のように恐怖を煽るので、見ているこちらも、いつ男子高校生が送られオオカミ(?)と化して襲っちゃうかとハラハラしながら見ていました。

(以下ネタバレ)

結局何事もなくその夜は過ぎるものの、少年の下手なウソはすぐにばれて、教師は少年に「どうしてあんな嘘を吐いたんだ」と詰め寄ります。
そのときの少年の台詞がまずいい。
少年ももともとノンケで、おそらく自分の感情をもてあましていて、どうしていいか分からないままに突っ走っている、その困惑がこのひと言で読み取れて、すばらしいなぁと思いました。

二人が決裂した後、とある事件が起こります。

これによって教師の心に大きな傷ができる。今度は教師が、その傷の痛みをもてあまし、情緒不安定に陥っていき、最後にその感情に折り合いをつけるひと言を呟いたところで映画は終わります。
このひと言もまたいい。
多分これが教師の本音であり、やっぱり教師はノンケのままで、でも少年によってかき乱された気持ちや痛みは本物なのだということがひしひしと感じられます。

つまりこれは、「トーマの心臓」なのです。

(ネタバレ以上)

少年と教師の感情の揺れを、少ない台詞と、アップを多用したカメラワークで執拗に掘り下げていく心理描写に、質のいい短編小説を読んだような気持ちになりました。
性的な描写はほとんどゼロで、それでも恋の駆け引きの緊張感が非常にエロティックな映画でした。

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