何か月か前から、左腕を上げると肩に痛みが走るようになりました。
とうとう来たか。老眼に続く老化現象・40肩。
とはいえある特定の角度に上げると痛い、くらいで日常生活に支障があるほどではなかったし、病院に行くほどではないかしら、と放置してました。

たまたま職場の一回り上のお姉さまに話したところ、
「私もなった! 病院で注射打ったらすぐに治るわよ」
と言われ、それなら、我慢できなくなったら行こう、と思ってました。

だから、近所の整骨院に寄ってみようと思ったのはほんの気まぐれだったのですが、行ってみたら若いお兄ちゃん先生にゴキゴキ回されたら、あら不思議、あっという間に肩が回るようになるじゃないですか!
そうは言っても一発で完治、とはいかず、その後週に1,2回通うようになりました。

そこの整骨院の待合室には、けっこう最近の話題作のマンガが充実していて、ふと目に留まったのが「僕だけがいない街」。
アニメや実写映画にもなったそうですが、実はどんな内容かも知らずに読み始めました。

毎日を懊悩して暮らす青年漫画家の藤沼。ただ彼には、彼にしか起きない特別な症状を持ち合わせていた。それは…時間が巻き戻るということ! この現象、藤沼にもたらすものは輝く未来? それとも…。


実を言えば、最初はいまいちピンと来なかったんです。
主人公はマンガ家になりたいモラトリアムもうすぐ三十路で、せっかく田舎から出てきてくれた、女で一つで自分を育ててくれたお母さんにもぞんざいな態度だし、それなのに、誰かの命に関わる事件が起きそうになると事件の直前に戻る「リバイバル」という超能力が備わっていて、都合よすぎる。
技術的なことを言えば人物の書き分けが明確でないので、母親が恋人かと思うくらい若く見えるし、ネームもこなれていないように思えたのです。

が。
2巻に入って本筋の事件が動き始めると途端に物語が生き生きしはじめます。
(以下、あらすじレベルのネタバレあり)

主人公がのっぴきならない状況に追い詰められたとき、リバイバルが起きて小学5年生まで戻ってしまう。実は、すべての事件の発端は、この年に起きた同級生の連続誘拐殺人事件であり、この事件で捕まった犯人は冤罪で、真犯人が別にいること、そして、犠牲者となった友人を助けるために、(30歳の意識を持ったまま小5の体に戻った)主人公が奔走するのが、この物語の本筋でした。
ここからが、まさに手に汗握るスリリングな展開で。
さらに、真犯人がわかったところで最終的な対決は(物語上の)現在へ持ち越される。
これがまた上手い。
この不思議なタイトルの意味が、ここでようやく読者にもわかる寸法になっているのです。

もっとも、そこまでの犯人の狡猾さに比べて、最後の対決はやや主人公に都合がいいかな、と思わなくもないですが、それでも収まるべきところへ収まった、大団円で終わります。

いやあ、面白かった。
途中から通院は面倒になったのですが、続きを読みたいがために通っていたようなもので。
途中で順番が来ると泣く泣くマンガを棚に戻し、ある時からはマンガを持ったまま施術室に入って電気をかけてもらいながら読み続け、それでもいいところで施術が終わると後ろ髪引かれる思いで帰宅。最後の2巻になると辛抱たまらず、帰宅してKindle本を購入して一気読みしました。
ああ、シアワセ~。

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