一七世紀の音楽家マラン・マレと、その師サント・コロンブの葛藤と愛を描いた人間ドラマ。全篇に二人の代表曲が流れ、また撮影は、当時と同じ光源を使って行われた。九一年ルイ・デリュック賞、九二年セザール賞主要七部門(作品、監督、助演女優、撮影、音楽、録音、衣装デザイン)受賞。監督・脚本は「インド夜想曲」のアラン・コルノー。製作はジャン・ルイ・リヴィ。共同脚本・原作はパスカル・キニャール。撮影は「インド夜想曲」のイヴ・アンジェロ。音楽は同作のジョルディ・サバールが担当。主演は、マレを「1492 コロンブス」のジェラール・ドパルデュー、コロンブをジャン=ピエール・マリエル、「シラノ・ド・ベルジュラック」のアンヌ・ブロシェ。なおマレの青年時代を、ドパルデューの息子ギョームが演じている。


うつくしい映画でした。
よくこんなロケ地があったなぁと感心するほど自然に満ち溢れた景色。
ルネサンス期の音楽が全編に流れ、台詞はそぎ落とされ、目が、ちょっとした物腰が感情を語る。
主人公は俗物であまり感心できる人物ではないけれど、そこがまた、師の音楽の次元の高さを示している。

この映画を見ていて思い出したのが、映画「千利休 本覺坊遺文」。
安土・桃山時代の茶人・千利休の謎に包まれた晩年を、愛弟子・本覚坊らが解き明かしていく様子を描く。井上靖原作の小説『本覺坊遺文』の映画化で、脚本は「天平の甍」の依田義賢が執筆。監督は「海と毒薬」の熊井啓、撮影は「女衒」の栃沢正夫がそれぞれ担当。

この映画の中で、千利休と山上宗二、古田織部が茶の湯の真髄について語り合う場面が印象に残っていて、それと、この映画の「音楽とはなんぞや」という師と弟子との会話が通じるものがあるなぁと。

古楽好きにはたまらない映画でした。

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