毎年この時期にやっているラテンビート映画祭。
スペイン・ポルトガル・南米の映画を紹介するもので、例年、何気なく萌えの混じる映画やさりげなくテディ賞受賞作(ベルリン国際映画祭でLGBT映画に対して与えられる)がかかるのでチェックしている。
今年は、テディ賞受賞作は南米の男娼世界を取り上げた短編ということで萌え心は刺激されませんでしたが、
ロボット・アンドロイド萌え心が「これはみておいた方がいいのでは?」と囁いたので、
この映画を見てきました。

http://www.hispanicbeatfilmfestival.com/lbff2012/eva.html

舞台は近未来の2041年。エンジニアのアレックスは、雪に閉ざされたサンタイレーネのロボット研究所に10年ぶりに戻り、少年のロボットの製作にとりかかる。

一方、かつての恋人ラナは、兄デダビッドと結婚。一人娘エヴァを授かっていた。エヴァの個性にひかれたアレックスは、彼女をモデルにロボットを作りたいと願うが…。

主演アレックスを演じるのは『グッバイ、レーニン!』『セブン・デイズ・イン・ハバナ』など世界各国の話題作に出演しているダニエル・ブリュール。兄ダビッドには『プリズン211』の演技派アルベルト・アンマン。2012年ゴヤ賞ではキケ・マイジョ監督が新人監督賞、名優ルイス・オマールが助演男優賞を受賞している。


なんというか由緒正しい70年代SFの雰囲気。
2041年設定といっても、人々の生活は基本的に今と同じかクラシカルで、ただロボット工学だけが発達している。ロボット研究所内では、動物を模したロボットや上半身だけのアンドロイドなど、普通にロボットが闊歩しているけれど、街中にはほとんど出くわさない。

ロボットの製作、といっても、主人公がやっているのは人工知能のデザインで、プログラミング方法はヴァーチャルに空間に浮かんで見えるガラスのシャンデリアのようなものの、ガラス玉を組み替えたり新たに追加したりすることで処理されている。その描写は美しかった。

美しいといえば、いちおうスペイン映画なんだけれども全編雪に閉ざされた谷あいの小さな街が舞台で、凍った湖でスケートをするシーンまであって驚いた。その辺も、異世界感をかもし出していてよかったかも。

ストーリーはとても古風。新しいのはロボットやプログラミングの描写。
主人公を翻弄する個性的な少女はなかなかよい。ロリータは見ていないけれど、シベールの日曜日も見ていないけれど、もしかしたらベニスに死すっぽいのかもしれないけれど、そんな感じ。
あんまり美少女過ぎないのもよい。

で。
ストーリーには全然絡んでこないけれど、主人公の元に大学から派遣されるお手伝いロボットが中年男性タイプで、家事・料理は万能でユーモアもあり主人にあくまで忠実、って執事萌えにはたまらない感じ? 1か所ドキッとするシーンがあって、客席でちらほら「クスッ」という笑い声やちょっと動揺した声が漏れていた。
ちなみに、上の作品紹介に出てくるゴヤ賞(スペインのアカデミー賞)助演男優賞取ったのは、この執事ロボット役の男優さんです。

そういや、主演のダニエル・ブリュールってドイツ人じゃなかったっけ? ずいぶん流暢にスペイン語話してるなぁと思ったら、母親がスペイン(カタルーニャ)人なのね~。

映画祭はこの後、横浜・大阪・神戸・博多を巡回しますが、EVAは各地で1回のみの上映です。
関心のある方はお見逃しなく。

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