今さらながら、原発事故についての解説書を読んでみた。
大震災直後、NHKでの露出が跳ね上がって人気の出た解説員・記者の3人によるそれぞれの担当分野の解説+山崎・水野氏の対談。
なぜ藤原氏がいないかというと、多分藤原記者は名古屋支局の人だからだろう。

「はじめに」で、本書のサブテーマが「正しく怖れる」ことだと掲げられていて、まず山崎記者が「事故によって何が起こった/起こっているのか」(現在)を、水野解説員が原発政策の背景(過去)を、そして藤原記者が放射能と健康被害について(未来)を短いながらも丁寧に説明している。(過去・現在・未来の区別は私が勝手につけました)
自分がきちんと・正しく理解できたかはわからないけれど、ようするに
「放射能は蓄積するのが怖いので、今後、どれだけ速やかに福島原発からの放射性物質排出が収束するかで健康被害への怖れ方も変わってくる」
「でも、放射性物質は少しでも浴びないことがBetter」
「放射能の健康への影響がはっきり説明されないのは、検出しきれないほどの微量の放射性物質の影響をどう考えるか、と、長期間にわたってどのような健康被害が現れるかの調査の数が少ないから」
ということかと理解した。

で、一番心に響いたのは以下の文章。忘れないようにメモメモ。

「アメリカの原子力規制委員会の委員にインタビューしたとき、日本では(原発事故の想定)訓練でシナリオが公開されていると話したら、驚いていたことを覚えています。(略)日本では訓練でも失敗は許されない。」(第2章(p97)。カッコ内は引用者の補足)

「いずれにせよ、原子力の世界の人はできるだけ情報を出さない、知らせないということで、出来上がっている推進体制を守ろうとしていましたし、その世界の外部にいる者を信じないというところがあるように感じます。」(第2章(p100))

「我々は、誰もが経験していないことを、今後もやっていかないといけないわけです。それはつまり「想像力」が問われている局面だと思うんですよ。」(第4章(p182)

特にこの最後の「想像力」ってのは、今の自分の仕事の業界でも、CSとかホスピタリティとかを考えるときによく出てくるキーワード。
相手の気持ちを想像したり、未来の自分や社会を想像したり、ってのが、自分も苦手だし政治家も苦手だし日本人全体が苦手なように思う。
「正解」どおりに仕事をすることは大得意なのに、いったんその「正解」がなくなるとパニクるし思考停止に陥るし、存在しない「正解」を出せと政府や大企業を責め立てる。
「想像力」って大事。うん。(とりとめもなく終わる)

コメント

お気に入り日記の更新

最新のコメント

この日記について

日記内を検索