映画が妙に気に入ったので、原作に手を出してみた。

原作ものの映画化の場合、たいてい原作のほうが気に入るのですが、これは映画のほうがいい、と思いました。
上巻を読んだ時点で、原作は吸血鬼ものというよりもティーンズ・ラブロマンス。吸血鬼という設定は「ちょっと変わってるけど誰からもゴージャスだと思われてワタシのことだけ好きな彼」の”ちょっと変わってる”要素でしかない。一風変わった彼は、人外だから変わったリアクションでもいいのかもしれないけれど、現時点では、急に怒り出すタイミングと機嫌を直すタイミングのパターンが読めなくて、感情移入しにくい。なので、映画の、そして吸血鬼ものの最大の見所である、「彼女への愛と食欲(というか本能)の葛藤に苦しむいい男」のその葛藤が見えにくくなっていて、萌えられない。
彼の葛藤が見えないので、主人公と彼がじりじりと間合いを詰めていく段階も、ちょっと冗長な感じが否めない。
むむむ、もったいない。

と、思うのもきっと映画のスピーディな展開が頭に入ってるからだろうとは思います。
この先どうなるかはわかっているんだから、焦らしてないでさっさと山場を見せろ!と思うのかしら。

とはいえ、上巻ではまだ吸血鬼バトルが始まっていないので、アクションが増えればおもしろくなってくるかも。

映画はポイントを抑えて上手く刈り込んであるなぁと、あらためて感心しました。

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