MILK
2009年3月31日 映画鑑賞記録第3紀(09.02~)
久しぶりに試写会に当たったので、友達をさそって見てきました。
公式サイト http://milk-movie.jp/enter.html
あらすじ: 1972年のニューヨーク。金融や保険業界で働いていたミルク(ショーン・ペン)は、20歳年下のスコット(ジェームズ・フランコ)と出会い、恋に落ちる。二人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、小さなカメラ店を開店。そこはたちまち同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、ミルクは彼らを快く思わない保守派に対抗した新しい商工会を結成することになる。(シネマトゥデイ)
以下、ネタバレ注意!
じわじわといい映画でした。
実在の人物、それも暗殺された人と言うことで、最後は死んで終わる、というのは初めからわかっていて、実際に映画の中でも最初に「8年後に殺される」ことがわかっているので、もっと「泣かせ」に走れば号泣させられると思うのですが、そこをガス・ヴァン・サント監督は、非常にクールに、抑制して演出していて、だからこそ余計に見終わったあとの余韻がいつまでも続くように思います。
(それでも、一緒に行った友人と、隣に座っていたカップルの女の子はしみじみ泣いてました。)
当時の映像も頻繁に挿入されて、半分ドキュメンタリー風味。だから、けっして観客を、”昔の遠いフィクション”を見ている気分に留めておこうとしない。今生きているわたしたちと地続きの地平で生きていた人たちの戦いであって、気軽に感情移入を許さない作りになっていると思う。
かといって、本当のドキュメンタリーのような説明口調でもないし。
監督の力量がさりげなく、けれど惜しみなく投入されているように思いました。
主演のショーン・ペンもすごい。
まるっきり、Gay(性癖でなく、陽気なという意味での)な性格の人にしか見えない。
エンドクレジットの直前に、実際のハーヴィー・ミルクの動画がちらっと映るんですが、ショーン・ペンとはまるっきり顔立ちが違うのに、笑い方が一緒! なので、全然違和感を覚えませんでした。すごいなぁ。
ミルクの恋人役のジェームズ・フランコが、ちゃんとゲイっぽいハンサムで、二人のらぶらぶっぷりも見ていて幸せな気分になれました。
二人とも役者だよな~。
フランコがミルクの元を離れた後に恋人になった子(名前失念)が、ちょっと頭の弱い子ちゃんを好演してました。正直うっとうしいんですが(笑)憎めない。
それと、ミルクの選挙スタッフたちそれぞれが印象的。特に、クリーヴくんが可愛い……と思っていたら、あ、メガネか。メガネが私の心の琴線を掴んだのか!!
ミルクを暗殺する同僚役。なぜミルクを殺すに至ったかという動機のひとつを、監督はさりげなく示しているのですが、あれはホモフォビアの問題に意識の低い人のうちどれくらいが気づくんだろうか……?
いや、BLではわりと当て馬の心理としてメジャーなんですが(汗)。
と、思いつくままに印象を並べてみましたが、同性愛を扱っているからと言って、関心のない人に避けて欲しくない、映画としてもとてもよくできた作品だと思いました。
そして、やはり私のココロの弱いところを突く映画でした。
私は同性愛者でもないしいろんな意味でマイノリティではなくて、強いて言えば腐女子属性がマイノリティですがそれだってきちんと隠して一般の生活を送っていますが。
それでも、子どものころから常にマイノリティ感を抱えて生きてきたんだなぁと、この映画を見ながらしみじみ感じました。
素の自分は周囲に受け入れてもらえない、という根深い自己不信感が、ゲイである生きにくさを生きている人たちに、共感するんだろうなぁと思いました。(あまり上手く言えてません)
もっとも、腐女子というマイノリティだから同性愛者に共感するのか、マイノリティ感が先にあって、同性愛者に共感してそのマイノリティ感を表現しているフィクションに自己投影して腐女子になっていくのかはわかりません。タマゴが先かニワトリが先か、って話ですね~。
なんてことも考えました。
公式サイト http://milk-movie.jp/enter.html
あらすじ: 1972年のニューヨーク。金融や保険業界で働いていたミルク(ショーン・ペン)は、20歳年下のスコット(ジェームズ・フランコ)と出会い、恋に落ちる。二人は新天地を求めてサンフランシスコに移り住み、小さなカメラ店を開店。そこはたちまち同性愛者やヒッピーたちのよりどころとなり、ミルクは彼らを快く思わない保守派に対抗した新しい商工会を結成することになる。(シネマトゥデイ)
以下、ネタバレ注意!
じわじわといい映画でした。
実在の人物、それも暗殺された人と言うことで、最後は死んで終わる、というのは初めからわかっていて、実際に映画の中でも最初に「8年後に殺される」ことがわかっているので、もっと「泣かせ」に走れば号泣させられると思うのですが、そこをガス・ヴァン・サント監督は、非常にクールに、抑制して演出していて、だからこそ余計に見終わったあとの余韻がいつまでも続くように思います。
(それでも、一緒に行った友人と、隣に座っていたカップルの女の子はしみじみ泣いてました。)
当時の映像も頻繁に挿入されて、半分ドキュメンタリー風味。だから、けっして観客を、”昔の遠いフィクション”を見ている気分に留めておこうとしない。今生きているわたしたちと地続きの地平で生きていた人たちの戦いであって、気軽に感情移入を許さない作りになっていると思う。
かといって、本当のドキュメンタリーのような説明口調でもないし。
監督の力量がさりげなく、けれど惜しみなく投入されているように思いました。
主演のショーン・ペンもすごい。
まるっきり、Gay(性癖でなく、陽気なという意味での)な性格の人にしか見えない。
エンドクレジットの直前に、実際のハーヴィー・ミルクの動画がちらっと映るんですが、ショーン・ペンとはまるっきり顔立ちが違うのに、笑い方が一緒! なので、全然違和感を覚えませんでした。すごいなぁ。
ミルクの恋人役のジェームズ・フランコが、ちゃんとゲイっぽいハンサムで、二人のらぶらぶっぷりも見ていて幸せな気分になれました。
二人とも役者だよな~。
フランコがミルクの元を離れた後に恋人になった子(名前失念)が、ちょっと頭の弱い子ちゃんを好演してました。正直うっとうしいんですが(笑)憎めない。
それと、ミルクの選挙スタッフたちそれぞれが印象的。特に、クリーヴくんが可愛い……と思っていたら、あ、メガネか。メガネが私の心の琴線を掴んだのか!!
ミルクを暗殺する同僚役。なぜミルクを殺すに至ったかという動機のひとつを、監督はさりげなく示しているのですが、あれはホモフォビアの問題に意識の低い人のうちどれくらいが気づくんだろうか……?
いや、BLではわりと当て馬の心理としてメジャーなんですが(汗)。
と、思いつくままに印象を並べてみましたが、同性愛を扱っているからと言って、関心のない人に避けて欲しくない、映画としてもとてもよくできた作品だと思いました。
そして、やはり私のココロの弱いところを突く映画でした。
私は同性愛者でもないしいろんな意味でマイノリティではなくて、強いて言えば腐女子属性がマイノリティですがそれだってきちんと隠して一般の生活を送っていますが。
それでも、子どものころから常にマイノリティ感を抱えて生きてきたんだなぁと、この映画を見ながらしみじみ感じました。
素の自分は周囲に受け入れてもらえない、という根深い自己不信感が、ゲイである生きにくさを生きている人たちに、共感するんだろうなぁと思いました。(あまり上手く言えてません)
もっとも、腐女子というマイノリティだから同性愛者に共感するのか、マイノリティ感が先にあって、同性愛者に共感してそのマイノリティ感を表現しているフィクションに自己投影して腐女子になっていくのかはわかりません。タマゴが先かニワトリが先か、って話ですね~。
なんてことも考えました。
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