All you need is kill
2005年8月30日 読書記録第2紀(05.08〜)新鋭桜坂洋・渾身の1冊、SFテイスト!!
近未来。初年兵キリヤとクレイジーな女准尉リタの物語。流麗な文体と当文庫には珍しい、ロボットSFのテイストを持つバトル・アクション。SF界の第一人者・安倍吉俊のイラストも話題必至です。
(Amazon.co.jpより)
……っていうか、戦場で、自分が死ぬまでの30時間を繰り返す(一度死ぬと30時間前に戻ってしまう)青年のタイムワープもの。
流麗な文章、といっても華美でなく、無駄がなくて引っかかるところもなくさらっと読めて必要な情報が意識せず読み手に伝わってるところがまずすごいと思いました。
そんな文体だからか、主人公の陥った時間ループから、いかに抜け出すか、というシンプルなテーマが活きてる。
最後、どうして「そう」しなければならないのか、のSF設定が、科学に弱いわたしにはさらっと納得できなかったのですが、こなれたSF作品ではあります。
あと、女の子向けだときっともっと「泣き」を入れてくるんじゃないかな。タイムループものって、その辺の「切なさ」が売りなところもあるし。その辺、理に勝ってる感じ。
これも男の子向けライトノベルレーベルだったので手を出しかねていたのですが、なーんだ、普通に面白いじゃん。ただし、やはりお約束のように登場するメガネのドジっ子や長い黒髪の美人でやさしいお姉さんキャラは、女の子向けレーベルにおける美形キャラと同様、逃れられない宿命なのか……。
ISBN:4086302195 文庫 桜坂 洋 集英社 2004/12 ¥600
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